職員個々の運動能力や実施環境に応じて負荷や種目を柔軟に選択でき、安全に実施できる暑熱順化トレーニングを考案し、その効果や暑熱順化トレーニング時の着衣による身体負荷について検証し、暑熱順化トレーニングの効果的な実施方法や安全に実施するための注意点等を提言することを目的とした。運動能力別に3群に分けた被験者に、ラン、サーキット及びそれらを組み合わせたミックスの3種類のいずれかのトレーニングを実施させ、暑熱順化の効果を評価した。また、温度環境別に防火衣や雨がいとう等を着用して運動した時の身体負荷を評価した。その結果、運動能力が中程度以下の群に暑熱順化の効果が認められ、暑熱順化トレーニング時の着衣負荷は25℃を超える環境で高くなることが分かった。
定年退職前後において、高年齢期職員の心理面を2年にわたり調査し分析することで、仕事へのモチベーションにどのような心理的要因が関連しているのかを検証し、定年延長後も60歳前と変わらないモチベーションの維持や、新たなモチベーション創出の一助とすることを目的として質問紙調査を実施した。
定年退職前の高年齢期職員における仕事へのモチベーションにどのような要因が関連しているかを明らかにするために、尺度間において重回帰分析を実施した。
その結果、世代間や階級間における職員同士の交流と心理尺度との間に因果関係が認められ、仕事へのモチベーションにポジティブな影響を及ぼしていた。また、定年延長後や定年退職後もモチベーションを保って勤務を継続するためには、次世代を育成することに関心を持ち、やりがいを見出すことが効果的であると考えられる。