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東京消防庁安全・安心情報救急アドバイス>他人事ではない「急性アルコール中毒」
他人事ではない「急性アルコール中毒」〜正しいお酒の飲み方で、楽しい年末を〜

冬になると、クリスマスや忘年会などで楽しくお酒を飲む機会が増えます。しかし、お酒の飲み方によっては、楽しいはずの時間が一転することも少なくありません。特に年末は、急性アルコール中毒が原因で救急搬送される人が激増します。「私は大丈夫!」と自信を持っていても、体調や環境により急性アルコール中毒の症状に陥ることもあります。

ここでは、平成27年中の東京消防庁管内での、急性アルコール中毒にまつわる救急活動の傾向とともに、安全で楽しいお酒を飲むための注意点や、万が一の事態に遭遇した時の応急処置方法などをご紹介します。

【急性アルコール中毒にまつわる救急活動の傾向】

下のグラフは、東京消防庁管内で発生した、過去5年間の急性アルコール中毒による救急搬送人員の推移を表したものです。平成27年は15,474人であり、毎年1万人以上が救急車で病院に運ばれています。

過去5年間の急性アルコール中毒搬送人員の推移
過去5年間の急性アルコール中毒搬送人員の推移
平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
男性 7,507人 7,685人 8,443人 9,307人 9,973人
女性 4,154人 4,291人 4,517人 4,996人 5,501人
合計 11,661人 11,976人 12,960人 14,303人 15,474人

また、月別の推移を見てみると、12月の搬送人員が1,779人と多いことがわかります。グループで盛り上がって飲酒する機会が多いことが、一つの要因であると考えられます。(表1)。

表1 月別の急性アルコール中毒による救急搬送人員(平成27年中)
表1 月別の急性アルコール中毒による救急搬送人員

急性アルコール中毒で搬送された人を年代別に見てみると、男女ともに20歳代の人数が抜きんでて多いことが分かります(表2)。理由として、経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうことなどが考えられます。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。

表2 年代別の急性アルコール中毒による救急搬送人員(平成27年中)
表2 年代別の急性アルコール中毒による救急搬送人員

アルコールは、摂取量によっては死亡することもあります。たかがお酒、されどお酒です。昨年は、53人の方が重症(生命の危険が強いと認められるもの)以上でした(表3)。

表3 初診時程度別の急性アルコール中毒による救急搬送(平成27年中)
重症以上 中等症 軽症
搬送人員 53 4,812 10,609

アルコール中毒にならないためには、どのようなことを注意すればよいでしょうか。
急性アルコール中毒にならないための注意点
自分の適量を知るとともに、その日の体調にも注意しましょう。
短時間に多量な飲酒(一気飲み)をすることはやめましょう。
お酒が飲めない体質の方は、周囲の人に「お酒が飲めない体質です」と事前に伝えておきましょう。
飲酒の無理強いは、しないようにしましょう。
周囲の人は酔った人に付き添い、一人にしないようにしましょう。
酔った人が吐いた場合、吐いたものが喉につまらないように注意しましょう。
万が一のときには・・・
生命に直接関係するような救命手当が優先です。心肺蘇生を覚えておきましょう。
矢印 倒れている人をみたら(応急手当の手順)
十分な呼吸をしているにもかかわらず意識がない場合は、仰向けの状態のままでいると、舌根沈下(あごや舌の筋肉がゆるみ、舌の付け根がのどに落ち込むこと)による気道閉塞を起こすことがあります。
また、意識がない状態で嘔吐が起こると、吐物が喉につまって窒息する危険性があります。その危険を回避するため、回復体位(※)をとりましょう。
嘔吐が起きた時は、口の中から吐物をかき出して喉に吐物を詰まらせないようにしましょう。
酔いがさめるまで付き添うなど、目を離さないようにしましょう。
※回復体位
  • 意識はないものの普段どおりの呼吸がある場合は、回復体位という姿勢をとらせます。
  • 呼吸が妨げられないようにする体位です。体を横向きにし、頭を反らせて気道確保するととともに、嘔吐しても自然に流れるように口元を床に向けます。
  • 長時間回復体位にするときには、下になった部分が血液の循環が悪くなることから、約30分おきに反対向きの回復体位を取りましょう。
回復体位
回 復 体 位
 



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