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東京消防庁ライブラリー消防雑学辞典
消防雑学事典
?二つの消防庁

  mark 東京消防庁」、「総務省消防庁」どちらにも「消防庁」という文字が付いているので、同一機関、もしくは同一機関の別名では、と思っている人も多いようです。そこで、その違いを紹介します。

 京消防庁は、東京都の行政機関であり、総務省消防庁は、国の行政機関です。

 庁」という名称は、国家行政組織法に基づき、行政組織上、国の行政機関に付けられるものです。ですから、「消防庁」は、総務省の外局である「総務省消防庁」を指すのです。
 一方、戦後GHQ(連合軍総司令部)の指導により、自治体消防の一つである東京消防庁にも、「庁」という官庁名が付けられました。
 双方の消防機関とも「庁」が付いており、東京に所在することから、混同されているようです。

 務省の外局である「消防庁」が誕生したのは、消防の基本法である消防組織法が施行となった昭和23(1948)年3月7日で、当時は、「国家消防庁」と称して、国家公安委員会のもとに置かれていました。
 しかし、国家公安委員会は、総理府の外局であったため、国家消防庁は、国家行政組織法上の外局とはいえず、「庁」の名称を用いることは適当ではないとの意見もあり、また、行政組織の簡素化の一環として、昭和27(1952)年7月1日、「国家消防本部」と改められました。
 その後、昭和35(1960)年7月1日、自治庁が自治省(現 総務省)に昇格したとき、「国家消防本部」は、自治省の外局となり、「消防庁」と改められました。
 さらに、平成13(2001)年1月6日の中央省庁再編では、総務省の外局となり、現在に至っています。

 務省消防庁が行う事務は、消防組織法第4条に、@消防制度および消防準則の研究ならびに立案、A消防に関する市街地の等級化、B放火および失火の調査技術の研究ならびに調査員の訓練、C消防思想の普及宣伝、D救急業務の基準の研究および立案、E国際緊急援助活動など25の事項と、同法第20条に「消防庁長官は、必要に応じ、消防に関する事項について都道府県又は市町村に対して助言を与え、勧告し、又は指導を行うことができる」と定められています。
 また、同法第6条には、「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する」と定められており、現在の消防が、自治体消防制度であるのは、この条文が根拠となっています。

 

旧内務省庁舎(この中に自治省消防庁があった)

 て、東京消防庁は昭和23年3月7日、自治体消防として警視庁から分離独立して、「東京消防本部」として誕生し、約2か月後の同年5月1日には、「東京消防庁」と名称が変わりました。
 この名称変更に際しては昭和23年4月9日、GHQ(連合軍総司令部)の関係者と、東京都・警視庁・東京消防本部の関係者が参加して、「東京消防本部の名称変更に関する会議」が開催されました。

 会議に先だちGHQの関係者から、名称改正の必要性について、次の事項が示されました。

@警察と消防とは同格であり、重要性も同一である。
A警察と消防は歩調をそろえるべきである。
B日本における警察と消防の地位および待遇、その他すべて同一でなければならない。
東京消防庁  HQ側が示したこれらの事項に基づき、名称等の改正を実施した場合、各関係機関やその他の関連において、何か問題が生ずるか否かを中心に、懇談会形式で会議が進められ、それぞれの立場から意見が出されました。

 HQ側は、名称改正が必要であるという発言(意向)は、個人的意見ではなく、GHQとしての発言である旨を補足し、消防の組織およびその長の名称は、警察と同一にすることが民主的であると強調しました。

 れに対して一部から反論が出ましたが、それらはいずれも、従来からのわが国の慣習的な思考の枠内に偏った傾向があり、GHQの関係者を説得するに至りませんでした。
 このことから最終的には、GHQが示した考え方によって、東京都が再度自主的に、この意向をくんだ方向で検討し、解決する旨を約束して会議は終了しました。

 の会議におけるGHQの強い意向が直接の引き金となって、新発足から2か月後の昭和23年5月1日に、「東京消防本部等の設置に関する条例」は、「東京消防庁の設置等に関する条例」と改正され、第2条に「消防の名称は、東京消防庁という」と、また第7条に「消防長は、これを消防総監と称する」と規定され、東京消防本部は東京消防庁と、消防本部長は消防総監と改称されました。

 上のことに基づいて、二つの消防庁が存在することになりました。



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