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紙巻たばこの出火危険 ~小さな火種から延焼拡大~

写真:左 火種が残った紙巻たばこの吸い殻をごみ箱に廃棄 右:廃棄してから約16分後に出火

火災発生状況

令和5年中は、紙巻たばこに起因した火災が661件発生し、治外法権火災及び管外からの延焼火災を除いた全火災件数(4329件)の15.3%を占めており、死者は14名発生しています。

出火箇所としては「敷地内」、「道路」、「公園」などの屋外の他、「居室」、「ベランダ」、「台所」など屋内でも多く発生しています。

喫煙時の状況は、上位から「休憩中」、「外出時」及び「就寝時」の順となっています。

また、出火に至る時間は、「1時間未満」が最も多くなっていますが、1時間以上経過してから出火する場合もあります。

たばこ火災の大部分は、吸い殻の投げ捨てや、火種が落下することにより出火しています。紙巻たばこの火種は消えているように見えて実は消えていないことが多くあるので、吸い殻を処分する際には、水につけて確実に消火しましょう。

図:たばこによる火災の推移状況

注 令和5年中の数値は令和6年3月14日現在の速報値です。

図
出火に至るまでの時間と着火物の状況(令和5年中)
出火に至るまでの時間 合計 着火物
ごみくず 枯草・落葉等 繊維類 紙・紙製品 木物質 床材 木切れ・廃材 くず類 不明・その他
合計 661 334 86 74 51 35 17 17 15 32
1時間未満 239 134 18 31 24 8 4 1 8 11
1時間以上2時間未満 48 25 -  9 7 1 1 1 - 4
2時間以上3時間未満 19 14 - 3 - 1 1 - - -
3時間以上4時間未満 7 4 - 2 1 - - - - -
4時間以上5時間未満 1 - - 1 - - - - - -
5時間以上6時間未満 2 - - 2 - - - - - -
6時間以上 5 3 1 1 - - - - - -
不明 340 154 67 25 19 25 11 15 7 17

注 数値は令和6年3月14日現在の速報値です。

紙巻たばこの火災発生メカニズム

紙巻たばこの火種の温度は500℃を超えていますが、火種を可燃物に接触させてもすぐに炎は立ち上がりません。

この火種が、紙類、綿などの繊維類、落葉等の可燃物に接触すると、見た目では炎がない「無炎燃焼」という燃焼形態を継続します。そして、時間の経過とともに可燃物に燃え広がり、条件によっては有炎現象になります。

火種が接触してから数時間後に出火することもあるので注意が必要です。

紙巻たばこの火災実験

【紙巻たばこの燃焼】

左:紙巻たばこの燃焼状況 右:火種の温度

【紙巻たばこを灰皿でもみ消す

写真:もみ消した直後、灰皿内で無炎燃焼を開始、灰皿内の温度

【綿上に紙巻たばこの火種を落下】

写真:落下させて1分後→4分後→7分後

【プラスチック製コップにで吸い殻をもみ消す】

写真:もみ消した直後→10分後→22分後

【加熱式たばこの吸い殻の温度】

写真:喫煙直後の加熱式たばこ(A社)、喫煙直後の加熱式たばこ(B社)

【火種を水で消した際の温度変化】

紙巻たばこの火種を水で消火した状況

5 火災を防ぐためのポイント

  1. 吸い殻は、灰皿に溜めない!
  2. 吸い殻は、水につけるなど完全に消えたことを確認した後に廃棄する!
  3. 紙巻たばこの投げ捨てや灰皿がない場所での喫煙はしない!
  4. たばこは喫煙場所に指定されている場所でマナーを守って喫煙する!
  5. 火のついた紙巻たばこを手に持ったまま歩き回らない!