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教育担当者講習の内容に係る通知の廃止について

教育担当者講習とは

消防法における防火管理制度は、昭和36年4月1日の制度発足以来、防火対象物の関係者が自ら防火管理業務を行うことを基本としてきましたが、ビル管理の合理化、省人化の流れの中で、防火管理業務の一部を外部に委託する例が増えてきました。

そこで、昭和58年に消防法施行規則が改正され、防火管理業務の一部を外部に委託する場合は、必要事項を消防法第8条に定める消防計画に必要事項を定め、管轄消防署へ届け出ることとされました(昭和59年1月1日施行)。

しかし、防火管理業務の一部を受託した者は、適切に防火管理業務を行う必要があることから、社内における組織的な教育体制が重要になります。

消防法施行規則の改正とあわせて出された自治省(現総務省)消防庁(以下「国」という。)の通知により、消防機関は、受託者の教育体制に関する次の事項について所要の措置を講じ、受託者に対して適切な指導を実施することとされました(昭和58年12月2日消防予第227号消防庁次長通知。以下「227号通知」という。)。

  • 防火管理に関する教育の担当者(以下「教育担当者」という。)の把握
  • 教育担当者に防火管理に関する知識、技能等を修得させるための所要の措置(講習会の開催など)

これに基づいて実施される講習が「教育担当者講習」で、東京消防庁では昭和59年から実施してきたものです。

教育担当者講習の内容

教育担当者講習は、国からの通知(昭和59年3月6日消防予第40号消防庁予防救急課長通知。以下「40号通知」という。)により、科目や時間などが定められていました。

また、平成21年には、同年6月からの防災管理制度の発足に伴い、防災管理業務の一部委託についても、防火管理の場合と同様に、教育担当者講習の内容について国から通知されました(平成21年1月26日消防予第36号消防庁予防課長通知。以下「36号通知」という。)。

東京消防庁における教育担当者講習

東京消防庁では、昭和59年から教育担当者講習を実施してきましたが、平成21年の36号通知を契機に教育担当者講習の実施のあり方について検討した結果、他の類似の講習でも必要な知識、技能等を修得することができるとの結論に達し、教育担当者講習はそれらで代えることで講習制度の合理化を図ることとしました。具体的には、

  • 自衛消防業務講習(消防法第8条の2の5)
  • 防火管理技能講習(火災予防条例第55条の3の2)

の修了者は、教育担当者講習修了者と同等とみなすこととし、平成22年度以降は教育担当者講習を実施しないこととしました(過去の教育担当者講習修了者については、引き続き有効)。

教育担当者講習の内容を定めた通知の廃止と東京消防庁の対応

令和5年、教育担当者講習は甲種防火管理講習や防災管理講習と内容が同じであることを理由に、教育担当者講習の内容を定めた40号通知と36号通知を廃止する旨が国から通知されました(令和5年3月16日消防予第174号消防庁予防課長通知。以下「174号通知」という。)。

これを受け、東京消防庁では、これまで教育担当者講習と同等してきた自衛消防業務講習や防火管理技能講習に加え、甲種防火管理講習と防災管理講習を教育担当者講習に類するものとして取扱うこととし、これらについても、教育担当者講習と同等とすることとしました。

教育担当者に対する知識、技能等の修得についての措置

令和5年の174号通知で廃止されたのは、教育担当者講習の内容(実施方法、科目、時間など)を定めた通知(40号通知、36号通知)であり、昭和58年の227号通知は廃止されていません。

したがって、教育担当者による従業員教育といったスキームや、教育担当者に必要な知識、技能等を修得させるために消防機関が所要の措置を講ずることについては、これまでどおりです。

東京消防庁では、現在、教育担当者講習は実施していませんが、自衛消防業務講習や防火管理技能講習により、教育担当者に対して必要な知識、技能等の修得の機会を提供しています。

教育担当者講習の経過(まとめ)

昭和36年
(1961)

防火管理制度発足[国]

昭和58年
(1983)

消防法施行規則の一部を改正する省令の施行について(227号通知)[国]

警備業者やビルメンテナンス業者など防火管理業務の一部を受託している法人に、従業員を教育する担当者(講習修了者等の知識・技能を有する者)を定め、組織的、計画的な教育を行うよう指導する。

昭和59年
(1984)

防火管理業務の一部委託者の教育担当者のための講習会について(40号通知)[国]

教育担当者講習スタート【東京消防庁】

平成21年
(2009)

防災管理業務の一部委託者の教育担当者のための講習会について(36号通知)[国]

自衛消防業務講習または防火管理技能講習の修了者を教育担当者修了者と同等とみなす。【東京消防庁】

平成22年
(2010)

教育担当者講習の中止【東京消防庁】

令和5年
(2023)

講習の内容を定めた40号通知及び36号通知を廃止(174号通知)[国]

甲種防火管理講習修了者、防災管理講習修了者についても教育担当者講習修了者と同等とみなす。【東京消防庁】

お知らせ

令和5年の174号通知には、「教育担当者向けの講習会の実施を妨げるものではない」旨の記載がありますが、東京消防庁では、今後も教育担当者向けの講習会を実施する予定はありません。

東京消防庁では、甲種防火管理講習、防災管理講習については、いずれも防火・防災管理者として選任予定の方のみを対象に実施しています。

教育担当者になるためには、自衛消防業務講習か防火管理技能講習のいずれかを受講してください。

【外部リンク】
総務省消防庁(174号通知)