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東京消防庁

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病院で発生した火災において、介護職員・看護職員が協力して自衛消防活動を行い、患者の安全を図った事例

用途等 病院(6項イ) 地上2階 出火場所 2階 給湯室
焼損程度
けが人等
建物ぼや

なし

出火時間帯
出火原因 電気配線の施工不良により配線コードに熱が蓄積し出火したもの
自衛消防活動の状況※
発  見 7時00分頃、介護職員Aが2階のデイルームで業務中に、焦げた臭いに気づき周囲を見回したところ、給湯室(配膳室)付近に煙が漂っているのを発見、直ちに大声で周囲の職員に煙が出ていることを知らせた。

ナースステーションにいた看護職員B及びCらは、介護職員Aの声を聞き、給湯室に駆け寄ったところ、食器棚下方にある配線から炎が20cmから30cmほど立ち上がっているのを確認した。

初期消火 看護職員Cは、給湯室入口に設置してある粉末消火器1本で初期消火を実施し、消火に成功した。
通  報 炎が立ち上がっているのを確認した看護職員Bは、ナースステーションに戻り、1階事務室にいる宿直者に電話連絡し、119番通報の依頼を試みるも、事務室に宿直者は不在で電話がつながらなかった。

そこで、自ら2階廊下の自動火災報知設備の発信機を押下し、火災通報装置により119番通報を実施した。

避難誘導 初期消火等の完了後、2階の各職員により、デイルームにいた患者6〜7名(自力歩行可能)を、給湯室の前の廊下を通って自室に誘導し、待機させた。

また、廊下に出されたベッドに横たわっていた患者3名(自力歩行不能)を出火箇所から離れた場所にベッドごと移動させて消防隊の到着を待った。

防火管理上の問題点
火災を発見した段階で発見者が自ら速やかに119番通報をするべき状況であったが、行われなかったこと。
防火管理上の推奨点
  1. 発見者が大声で周囲に火災を知らせ、駆け付けた職員が迅速に初期消火を行い、延焼拡大を防いだこと。
  2. 職員が協力し、出火室の近くにいた患者を離れた場所に移動させ、患者の安全を早期に確保したこと。
防火管理上のポイント
  1. 火災を発見した者は、遅滞なく119番通報してください。
  2. 自分が勤務(居住)する建物に設置されている消防用設備等について、設置場所や設備の概要、操作方法を知識として身に付けることはもちろん、具体的な災害を想定した自衛消防訓練を行うことにより、操作手順や操作要領を習得しておくことが大切です。
  3. それぞれの居室から地上又は一時的な避難場所に避難する際は、火災室を通過しないようにしてください。また、避難の際には、火災室以外の居室等の戸や防火戸は可能な限り閉鎖してください。
  4. 火災通報装置により通報した場合には、消防から折り返しの確認電話(逆信)がありますので、自衛消防活動に支障のない範囲で対応してください。
  5. 災害時、自衛消防隊が組織的に活動するためには、日頃の防火・防災教育や自衛消防訓練を通じて、各従業員(自衛消防隊員)が自己の任務とその活動内容について熟知することが大切です。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

2階フロア全体略図(イメージ)

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