お酒を飲みながら、同僚や友人と語り合うのは楽しいですよね。しかし、お酒の飲み方によっては、楽しいはずの時間が一転することも少なくありません。特に年末は、急性アルコール中毒が原因で救急搬送される人が激増します。「私は大丈夫!」と自信を持っていても、体調や環境により急性アルコール中毒の症状に陥ることもあります。
ここでは、令和2年中の東京消防庁管内での、急性アルコール中毒にまつわる救急活動の傾向とともに、安全で楽しいお酒を飲むための注意点や、万が一の事態に遭遇した時の応急処置方法などをご紹介します。
下のグラフは、東京消防庁管内で発生した、過去5年間の急性アルコール中毒による救急搬送人員の推移を表したものです。令和2年は11,291人であり、毎年1万人以上が救急車で病院に運ばれています。
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 10,337人 | 10,686人 | 11,107人 | 11,351人 | 6,801人 |
女性 | 5,801人 | 6,225人 | 6,648人 | 6,861人 | 4,490人 |
合計 | 16,138人 | 16,911人 | 17,755人 | 18,212人 | 11,291人 |
令和2年の月別の推移を見てみると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う初めての緊急事態宣言が発令された4月から5月の数値が低く出ており、その他の月は横ばいになっていることがわかります。(表1)
急性アルコール中毒で搬送された人を年代別に見てみると、男女ともに20歳代の人数が抜きんでて多いことが分かります(表2)。理由として、経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうことなどが考えられます。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。
アルコールは、摂取量によっては死亡することもあります。たかがお酒、されどお酒です。昨年は、38人の方が重症(生命の危険が強いと認められるもの)以上でした(表3)。
重症以上 | 中等症 | 軽症 | |
---|---|---|---|
搬送人員 | 38 | 3,194 | 8,059 |
アルコール中毒にならないためには、どのようなことを注意すればよいでしょうか。
過度の飲酒による事故を予防することが第一ですが、
もし身近で事故が起こってしまった場合には・・・
倒れている人をみたら(応急手当の手順) |