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| 上のことは、『安政見聞誌』にみられる安政2(1855)年10月2日の大地震のおりの話です。鯰が騒ぐと地震が起きるという説は、昔から信じられてきています。 鯰のことをアイヌ語でモシリ・イクテウェ・チェップといい、その意味は背中で大地をささえる魚ということですから、地震と鯰の関係を言外に含んでいると、魚博士で知られる末広恭雄氏は、『魚と伝説』という著書の中で述べています。 また、「今は昔」で始まる平安時代後期の説話集『今昔物語集』の中にも、大鯰が屋根裏に住んでいた話があることなどから、相当古い時代から地震と鯰の関係が言われていたものと思われます。
わが国でも、この説が見直され、東京都の水産試験場にも鯰が加えられ、研究されるようになりました。 中国での動物による地震予知は、昭和49(1974)年の海城地震(M7.3)ですばらしい成果を見せました。予測に基づいて早くから緊急退避命令を出していましたから、多くの人命を救うことができたのです。 さて、鯰は本当に地震をあらかじめ感じることができるのでしょうか。朝日新聞社発行の『地震―予知と防災―』には、鯰の特異能力について、 「鯰には、皮膚の表面に近い体内にロレンチニのびんと呼ばれる、電気にものすごく敏感な感覚器官が分布している。米カリフォルニア大のシオドア・バロック教授は精密な実験を行って、この器官が1センチメートルあたり0.01マイクロボルトという、極めてわずかな電位差でもとらえることができることを発見している。同教授によると、その能力たるや、100キロメートル先でチカッと光ったフラッシュの光をキャッチできるほど、鯰は大地の中をたえず流れる弱い電流、つまり地電流が地震の前に見せる微妙な変化を、すかさずとらえて騒ぐのだ」と記されています。 しかし、末広恭雄氏によると、 「鯰などの魚類が異常行動をとったら必ず大地震が起こるかというと、そうはいかないのである。気象の変化、害敵の出現、水質の悪化などでも魚の異変がみられるので、逆は必ずしも真ならずというわけである。」と述べています。 次に、諸々の資料をもとに、地震の前兆現象をまとめてみました。
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