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東京消防庁ライブラリー消防雑学辞典

このページは、新 消防雑学事典 二訂版(平成13年2月28日(財)東京連合防火協会発行)を引用しています。
最新の情報ではありませんので、あらかじめご了承ください。


消防雑学事典
?世界最古の消防隊

mark歴史上、記録に残る最古の消防組織は、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(シーザーの養子)が、西暦前17年に組織した消防隊だといわれています。これ以前にも、神殿の護衛のために火災に対する警戒制度があり、また、火災や盗難防止のため、奴隷を使って夜間警戒に当たらせたりしていましたが、このような方法では、相次ぐ火災を防ぐことはできなかったようです。

アウグストゥス大理石像
アウグストゥス大理石像
アウグストゥスの消防隊は、一隊500人(100人とも1,000人ともいわれる)からなる七隊で編成されていました。
各隊の指揮は護民官が行い、総指揮は執政官に次ぐ強大な権限を持つ消防総隊長(夜警長官とも呼ばれた)が当たっていました。

消防隊は、市の周辺にやぐらを建てて見張りを行い、火災を発見したときはラッパを吹いて知らせていました。
消火活動用の装備品としては、バケツ、組立はしご、牛腸製のホース、水がめ、おの、ハンマー、のこぎり、水噴出器などでしたが、このほかに、高層建物から飛び降りて避難する人々のために、大きな枕も準備していました。救助マットの前身がすでに使われていたのです。

また、大火になるとサイフォンを利用して水を吸い上げ、消火用水として使っていました。
おそらくこれは、水頭圧を利用して、火災の際の水利として活用した歴史上初めてのものではないでしょうか。



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