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乳幼児の歯みがき中の事故にご注意!

東京消防庁管内では※1、平成23年から平成27年※2までの5年間に、5歳以下の乳幼児が歯みがき中に歯ブラシで受傷した事故により、213人が救急搬送されています。

毎年6月4日から6月10日の「歯と口の健康週間」を前に、乳幼児の歯みがき中における事故の実態をお知らせし、注意喚起を行っています。

  1. ※1 東京都のうち、稲城市、島しょ地区を除く地域
  2. ※2 平成27年については暫定値です。
歯みがき中の事故防止ポイント

歯ブラシが口腔内に刺さり、入院の必要がある中等症となる事故も発生していることから、保護者等は乳幼児の歯ブラシの使用に際して、十分な注意が必要と考えられます。

繰り返し発生する歯みがき中の事故を防止するため、以下のことに注意しましょう。

  • 歯ブラシを口に入れたまま、歩いたり走ったりさせず、歯みがきに集中させる。
  • 不安定な場所で歯みがきをしていて、転落したケースもあることから、椅子や踏み台等に乗った状態で歯みがきをさせない。
  • 歯みがき中に人や物と接触し、受傷するケースも多くあるため、歯みがき中は保護者がそばに付き添い、周囲にも注意を払う。

1 年別救急搬送人員

歯みがき中の事故による救急搬送人員は、年間約43件発生しています(図1)。

図1 歯みがき中の事故による年別救急搬送人員

図1 歯みがき中の事故による年別救急搬送人員

2 年齢別・受傷要因別救急搬送人員

(1)年齢別救急搬送人員

年齢別では1歳が最も多く100人、次いで2歳が60人となっており、両者を合わせると、160人(約75%)となり、事故の大半を占めています(図2)。

図2 年齢別救急搬送人員

図2 年齢別救急搬送人員

(2)受傷要因別救急搬送人員

受傷要因別では、歯みがき中に「歩いたり、走ったりして転倒」が131人と最も多くなっています(図3)。このことから、歯みがき中には『歩かせない!走らせない!』ように保護者がそばに付き添い注意を払うことで、多くの歯みがき中の事故を未然に防止することができます。

図3 受傷要因別救急搬送人員

図3 受傷要因別救急搬送人員

3 初診時程度別救急搬送人員

歯みがき中に発生した事故の多くは、初診時程度が軽症ですが、入院の必要のある中等症と診断される事故も15%発生しています。また、生命の危険があると認められる重症と診断されるケースも発生しています(図4)。

図4 初診時程度別救急搬送人員

図4 初診時程度別救急搬送人員

重症 生命の危険が強いと認められたもの
中等症 生命の危険はないが、入院を要するもの
軽症 入院を要しないもの

4 歯みがき中における、主な救急事故事例

歯みがきをしながら走っていたところ転倒し、口腔深部にハブラシが刺さった。(平成26年12月、2歳 女児 中等症)

4歳の息子を電動歯ブラシで歯をみがいていたところ、2歳の娘が息子の顔に乗ってきて電動歯ブラシが口腔内に刺さり血が出たので救急要請したもの。(平成27年1月、4歳 男児 中等症)

娘が歯みがきをしていたところ、近くで遊んでいたお兄ちゃんが接触、口の中から出血してきたため救急要請したもの。(平成27年1月、1歳 女児 中等症)

自宅で歯ブラシをくわえたまま走っていたところ、母親にぶつかった際に歯ブラシで口腔内を受傷したため、救急要請となったもの。(平成27年6月、3歳 男児 中等症)

歯磨き中に歯ブラシをくわえたまま母親の目の前で前方に転倒し、口腔内を受傷及び嘔吐したもの。嘔吐物に血液のようなものが混じっていたため、母親が救急要請したもの。(平成27年8月、1歳 男児 中等症)