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掃除中のケガに注意!!

東京消防庁管内では、平成23年から平成25年までの3年間に掃除中の事故により2,162人が救急搬送されています(労働中の事故を含む。)。

特に大掃除をする機会が多くなる12月は、掃除中にケガをして医療機関に救急搬送される人が増えています。

※ 東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
事故防止のポイント
  • 1  脚立やいすなどに上がって高い場所の掃除をしている際に、落ちる事故が多く発生しています。
     また、浴槽に乗って天井などを掃除したり階段の掃除をしたりする際にも、落ちる事故が発生しています。
  • ⇒ 高い場所の掃除をする時は、安定した足場を選び、片方の手でしっかりと固定された家具等につかまるなど、バランスを崩さないようにし、降りる際は足を踏み外さないよう十分注意しましょう。
  • 2  浴室清掃中の転倒、掃除機のコードにつまずくなど「ころぶ」事故も多く発生しています。
  • ⇒ 滑りやすい場所で掃除をする際には注意し、転びやすいものを事前に片付けるなど転倒防止を図りましょう。
  • 3  年齢や個々の体力を勘案し、無理な作業は控えてください。
  • ⇒ 60歳以上の方の救急搬送が多くなっています。
  • 4  窓や扉の開閉時に指をはさむ、一時的に置いた物が転落しぶつかるなどの事故も発生しています。掃除中のケガに注意!!
  • ⇒ 自分だけでなく、周囲の状況にも注意しましょう。
  • 5  洗剤による事故も発生しています。
  • ⇒ 洗剤を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
  • ○ 種類の違う洗剤を一緒に使用しない。
  • 塩素系洗剤と酸性洗剤を一緒に使用すると有毒なガスが発生することがあります。また、違う洗剤が混ざらないよう、前に使用した洗剤をしっかりと水やお湯などで流してください。
  • ○ 洗剤を別の容器に移し替えない。
  • アルミ缶など金属製の容器は、洗剤と容器が化学反応を起こし容器が破裂することや溶けることがあります。
  • ○ 使う前に容器に書かれている注意事項を確認する。
  • 洗剤の容器に書かれている注意事項などを必ず確認しましょう。

1 年別の救急搬送状況

平成23年から平成25年までの3年間に2,162人が掃除中にケガをして、救急搬送されています。平成25年は、前年より41人の減少となりましたが、毎年700人以上の人が、救急搬送されています(図1)。

図1 年別救急搬送人員

図1 年別救急搬送人員

2 月別の救急搬送状況

月別の救急搬送人員では、大掃除をする機会が多くなる12月中のケガが圧倒的に多くなっています(図2)。

図2 月別救急搬送人員

図2 月別救急搬送人員

3 初診時程度別の救急搬送人員

医療機関搬送時の初診時程度では、約3人に1人が、入院の必要があるとされる中等症以上と診断されています。

また、65人が重症以上と診断されています(図3)。

図3 初診時程度別救急搬送人員

図3 初診時程度別救急搬送人員

4 年代別の救急搬送人員

年代別の救急搬送人員では、60歳代から70歳代が多く、60歳代と70歳代だけで890人と全体の4割以上を占めています(図4)。

また、高齢者(65歳以上)の搬送人員の推移を見てみると、年々増加している傾向が見られます(図5)。

図4 年代別の救急搬送人員

図4 年代別の救急搬送人員

図5 高齢者の救急搬送人員の推移

図5 高齢者の救急搬送人員の推移

5 事故種別ごとの救急搬送人員

掃除中のケガにより救急搬送された2,162人がどんな事故でケガをしているか見てみると、「ころぶ」事故が最も多く35.6%で、次いで「落ちる事故」が25.3%となっています。この2つの事故で全体の6割以上を占めています(図6)。

図6 事故種別ごとの割合

図6 事故種別ごとの割合

また、多く発生していた「ころぶ」事故と「落ちる」事故に関連した場所や物などを多い順に見てみると、「ころぶ」事故では「居室・寝室」や「浴室・脱衣所」での転倒が多く(図7)、「落ちる」事故では「脚立・踏み台・足場」や「階段」、「椅子」からの転落が多く発生しています(図8)。

図7 「ころぶ」事故の発生場所別上位

図7 「ころぶ」事故の発生場所別上位

図8 「落ちる」事故に関連器物別上位

図8 「落ちる」事故に関連器物別上位

(6) 事故事例

自宅2階居室内において掃除機で掃除をしていたところ、座布団で足を滑らせて転倒し受傷したもの。(82歳女性 中等症)

自宅の1階から2階に上がる屋内階段踊り場で脚立に乗って窓の掃除をしていたところ、足を滑らせ1階廊下部分まで転落し受傷したもの。(76歳男性 重症)

自宅で、こたつの上に椅子をのせ、その上に上がって蛍光灯を清掃中にバランスを崩し転落。腰部を受傷したもの。(61歳女性 中等症)

店内で、しゃがんで床を清掃中、上体を起こした際にドアノブが頭部にあたり受傷したもの。(66歳男性 中等症)

飲食店内の厨房にてフライヤーを清掃中に160度ほどの油を両手にかけてしまい、受傷したもの。(29歳男性 中等症)

排水升の清掃作業中に、誤って金属及びコンクリート製の蓋で右手の指を挟み受傷したもの。(25歳男性 中等症)

自宅台所にて、ミキサーの回転刃部分を清掃中誤ってスイッチが入り左手の指を受傷したもの。(41歳女性 軽症)

自宅において塩素系洗剤と中性洗剤を併用して風呂掃除をしていたところ、気分が悪くなり、立ち眩みを起こしたもの。(18歳女性 軽症)