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住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!

一酸化炭素は、無色・無臭で気が付きにくく、人体に有毒な気体です。濃度によっては、死に至る危険性があることから、十分な注意が必要です。東京消防庁管内 1) では平成23年から平成26年の5年間で、住宅における一酸化炭素中毒事故 2) が53件発生し、86人が救急搬送されています。

換気不足による一酸化炭素中毒事故が発生しています!

事故事例

囲炉裏で食事中に・・・

囲炉裏で4名が食事中、友人の一人がトイレに行くといって戻らないため様子を見に行くと廊下で倒れていたため救急要請した。その後、残りの3名も一酸化炭素中毒の疑いがあることから救急搬送された。傷者4名

【平成27年1月 62歳男性(中等症)、55歳、61歳、64歳いずれも男性(軽症)】

茶道教室にて・・・

茶道教室で茶会中、湯沸かしで木炭を使用、3名がめまい症状を訴え、救急要請した。傷者2名、1名は不搬送

【平成27年6月 67歳女性(重症)、39歳女性(軽症)】

就寝中に・・・

練炭に火をつけて就寝した。夜中トイレに行こうとした際に意識を失い倒れたもの。それを発見した家族が救急要請した。

【平成27年11月 67歳女性(重症)】

炭で暖をとっていたら・・・

居室内で炭を焚き、暖をとっていた。息子が帰宅し空気の異常に気づき、換気したが言動が異様なため救急要請した。

【平成27年12月 74歳男性(中等症)】

  1. 1)東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
  2. 2)自損を除く

事故防止のポイント

十分な換気を行う

十分な換気により、室内の一酸化炭素濃度が下がることから、火気設備・器具を使用の際は換気扇の使用や定期的に窓などを開けるなどして換気を十分に行いましょう。

また、火気設備や火気器具を使用中に少しでも異常を感じたら、使用を中止するとともに十分な換気を行いましょう。

定期的な点検と清掃を行う

不完全燃焼が起こると一酸化炭素が発生することから、火気設備・器具の定期的な点検と清掃を行いましょう。

使用方法を守る

発動発電機やバーベキュー用コンロなど屋外での使用が想定されている火気器具等は屋内では使用せず、火気設備・器具の使用方法を守りましょう。

その他

一酸化炭素は、無色・無臭で気が付きにくい気体です。一酸化炭素を感知する警報器を設置することも早期発見に有効です。

1 年別発生状況

平成23年から平成27年までに、住宅、共同住宅において53件の一酸化炭素中毒事故が発生しました。

一酸化炭素発生による事故は1件で複数の人が受傷することも多いため、過去5年間では発生件数よりも多くの人が救急搬送されています(図1)。

図1 過去5年間の一酸化炭素による事故発生件数と救急搬送人員(住宅、共同住宅)

図1 過去5年間の一酸化炭素による事故発生件数と救急搬送人員
(住宅、共同住宅)

2 月別発生状況

平成23年から平成27年までの過去5年間の月別発生件数は、12月から1月にかけて多く発生しています(図2)。

図2 月別の発生件数

図2 月別の発生件数

3 発生要因別の件数

一酸化炭素の発生要因となった燃料別では、七輪・火鉢や囲炉裏などの炭を使用するものが35件で全体の6割を超えており、給湯器やガス湯沸器などのガスを使用する機器等が10件でした(図3)。

図3 発生要因の件数

図3 発生要因の件数

4 初診時程度別割合

一酸化炭素中毒により救急搬送された人のうち6割以上は、入院が必要とされる中等症以上と診断されています(図4)。

図4 初診時程度別割合

図4 初診時程度別割合

一酸化炭素の物性と危険性等

一酸化炭素の物性

一酸化炭素は、無色・無臭、水に溶けにくく、アルカリ水溶液やエタノールに溶け、生ゴムに溶けやすい性質を有しています。体比重は0.97、沸点−192.2℃、融点−235℃、引火点−191℃、発火点608.9℃、爆発限界12.5〜74.2% です。

また、一酸化炭素のヘモグロビンとの親和性は、酸素の約200〜220倍であり、空気中の一酸化炭素が大気中に0.1%あれば、その200倍相当の濃度の酸素とヘモグロビン結合を分かち合う結果となり、約50%の一酸化炭素ヘモグロビンが形成される計算となる。(参考文献:火災便覧第3版、編者 日本火災学会(1997)、発行 共立出版(株))

急性一酸化炭素中毒の症状

大気中の一酸化炭素濃度ppm (%) 吸入
時間
血中一酸化炭素
ヘモグロビン濃度 (%)
影響
100ppm〜200ppm (0.01〜0.02%) 10〜20 比較的に強度の筋肉労働時間呼吸促迫、時に軽い頭痛
200ppm〜300ppm (0.02〜0.03%) 5〜6時間 20〜30 頭痛、耳鳴り、眼失閃光
300ppm〜600ppm (0.03〜0.06%) 4〜5時間 30〜40 激しい頭痛、悪心、嘔吐、外表の鮮紅色、やがて運動機能を失う
700ppm〜1000ppm (0.07〜0.10%) 3〜4時間 40〜50 頻脈、呼吸数増加、やがて意識障害
1100ppm〜1500ppm (0.11〜0.15%) 1.5〜3時間 50〜60 チェーンストークス呼吸、間代性痙攣を伴い昏睡、意識障害、失禁
1600ppm〜3000ppm (0.16〜0.30%) 1〜1.5時間 60〜70 呼吸微弱、心機能低下、血圧低下、時に死亡
5000ppm〜10000ppm (0.50〜1.00%) 1〜2分 70〜80 反射低下、呼吸障害、死亡

参考文献:火災便覧第3版、編者 日本火災学会(1997)、発行 共立出版(株)

※ 大気中の一酸化炭素濃度を、%の単位に換算し追記しました。

一酸化炭素の含有率を定める規制

建築物の衛生的な環境の確保を目的とした、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(昭和四十五年四月十四日法律第二十号)第四条第1項において、一酸化炭素の濃度が10ppm(0.001%)以下※となるよう居室の空気を浄化することが定められています。

※ 厚生労働省令で定める特別の事情がある建築物にあっては、厚生労働省令で定める数値となっています。



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