東京消防庁管内では※1、平成21年から平成25年※2 までの5年間に、5歳以下の乳幼児が歯みがき中に歯ブラシで受傷した事故により、215人が救急搬送されています。
毎年6月4日の「歯と口の健康週間」を前に、乳幼児の歯みがき中における事故の実態をお知らせし、注意喚起を行っています。
※1 | 東京都のうち東久留米市、稲城市、島しょ地区を除く地域(東久留米市は平成22年4月1日より東京消防庁管内となりました。) |
※2 | 平成25年については暫定値です。 |
歯みがき中の事故防止ポイント
歯ブラシが口腔内に刺さり、入院の必要がある中等症となる事故も発生していることから、保護者等は乳幼児の歯ブラシの使用に際して、十分な注意が必要と考えられます。
繰り返し発生する歯みがき中の事故を防止するため、以下のことに注意しましょう。
歯みがき中の事故による救急搬送人員は、年間約43件発生しています(図1)。
年齢別では1歳が最も多く99人(46.0%)次いで2歳が62人(28.8%)となっており、両者を合わせると、161人(74.9%)となり、事故の大半を占めています(図2)。
受傷要因別では、歯みがき中に「歩いたり走ったりして転倒」が149人と全体の約7割を占めています(図3)。このことから、歯みがき中には『歩かせない!走らなせない!』ように保護者がそばに付き添い注意を払うことで、多くの歯みがき中の事故を未然に防止することができます。
歯みがき中に発生した事故の多くは、初診時程度が軽症ですが、入院の必要のある中等症と診断される事故も12.6%発生しています。また、歯ブラシを口に入れたまま転倒し、生命の危険があると認められる重症と診断されるケースも発生しています(図4)。
1 | 歯ブラシをくわえたまま椅子から転落し、歯ブラシが折れて先端部分が刺さった。(平成23年6月、1歳 女児 中等症) |
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2 | 歯ブラシをくわえたまま走りまわってソファーにぶつかり、口の中を受傷した。(平成24年11月、1歳 男児 中等症) |
3 | 歯ブラシをくわえたまま兄とじゃれていて兄に押されて転倒し、口の中を受傷した。(平成24年5月、1歳 男児 中等症) |
4 | 歯ブラシをくわえて飛び跳ねていたところ転倒し、口の中に歯ブラシが刺さった。(平成25年2月、3歳 男児 中等症) |