このページの本文へ移動
東京消防庁 安全・安心情報 日常生活における事故情報>乳幼児の窒息や誤飲に注意

乳幼児の窒息や誤飲に注意

東京消防庁管内1)で、平成25年から平成27年までの3年間に、5歳以下の子供3,537人が、窒息や誤飲等2)により医療機関に救急搬送されています。飲み込んだものによっては、体の組織を破壊するなど重大な事故となる恐れもあります。

乳幼児の成長段階によって、窒息や誤飲の多いものが違います。子供の成長を知り、窒息や誤飲の危険性を再確認し、事故から子供を守りましょう。

  1. 1)東京都のうち、稲城市、島しょ地区を除く地域
  2. 2)耳や鼻等に入ったものも含む

こんな事故が起きています

【パンで窒息】
11か月の男児が、自宅で菓子パンを食べている最中に突然うめき声を発し、顔色が悪くなったため救急要請した。(程度:重症)
【うずらの卵で窒息】
4歳女児が、かた焼きそばを食べていたところ、うずらの卵を喉に詰まらせ窒息したため救急要請した。(程度:重症)
【酔い止め薬を誤飲】
2歳の男児が、自宅に置いてあった酔い止め薬を誤飲。その後、布団に丸まって様子がおかしかったため救急要請した。(程度:重症)
【洗濯用パック型液体洗剤を誤飲】
2歳女児が洗濯用パック型液体洗剤を誤飲。自宅にて様子を見ていたところ、嘔吐が3回あり、嘔吐物から洗剤の臭いがしたため救急要請した。(程度:重症)

その他、過去に重症または重篤と診断された事例として煎餅、りんご、硬貨、ボールペン、ボタン電池などがあります。


1 年別救急搬送人員

毎年、1,000人を超える乳幼児が、ものを喉に詰まらせたり、危険なものを飲み込んだりして、救急搬送されています(図1)。

図1 年別救急搬送人員

図1 年別救急搬送人員

2 年齢別救急搬送人員

年齢別では、0歳児の搬送が最も多く、成長とともに減少しています(図2-1)。0歳児は、6か月から増加し、9か月が最も多く搬送されています(図2-2)。

図2-1 年齢別救急搬送人員

図2-1 年齢別救急搬送人員

図2-2 0歳児の年齢(か月)別救急搬送人員

図2-2 0歳児の年齢(か月)別救急搬送人員

3 時間帯別救急搬送人員

時間帯別では、17時から21時に多く搬送されています(図3)。

図3 時間帯別救急搬送人員

図3 時間帯別救急搬送人員

4 場所別救急搬送人員

場所別では、住宅等の居住場所が全体の9割以上を占めています(図4)。

図4 場所別救急搬送人員

図4 場所別救急搬送人員

5 関連器物別の救急搬送人員

関連器物別では、食品・菓子や玩具が多いですが、乳幼児の窒息や誤飲に係る製品等は、菓子の包みやタバコ、日用品等、様々です(図5-1)。

年代によって、窒息や誤飲の多いものが違います。0歳児はお菓子の包みやペットボトルのラベルなど「包み・袋」が最も多く(図5-2)、1歳児になると「食品・菓子」に次いで「タバコ」の誤飲が多くなります(図5-3)。2歳児、3-5歳児は「食品・菓子」に次いで「玩具」が多くなっています(図5-4、5-5)。

図5-1 関連器物別救急搬送人員(0歳-5歳)

図5-1 関連器物別救急搬送人員(0歳-5歳)

図5-2 関連器物別救急搬送人員(0歳)

図5-2 関連器物別救急搬送人員(0歳)

図5-3 関連器物別救急搬送人員(1歳)

図5-3 関連器物別救急搬送人員(1歳)

図5-4 関連器物別救急搬送人員(2歳)

図5-4 関連器物別救急搬送人員(2歳)

図5-5 関連器物別救急搬送人員(3歳-5歳)

図5-5 関連器物別救急搬送人員(3歳-5歳)

乳幼児の成長

@ おねんね期(生後〜3、4ヵ月頃)

寝がえりをする前のこの時期は、自分で危険に向かっていくということはありませんが、危険が迫っていても逃げることができず、とても無防備な時期です。この時期は、親の不注意による事故に注意が必要です。

A 寝がえり期(3、4ヵ月〜5、6ヵ月頃)

寝がえりができるようなると、身近にあるものに手を伸ばし口に入れるようになります。しかし、自ら危険を避けることはできません。

B はいはい期(5、6か月〜1歳頃)

はいはいが出来るようになると、行動範囲も広がり、目についたものに自ら移動し、手につかんで口に入れるようになります。しかし、危険なものの判断ができず、言葉で注意しても理解できません。

C 歩く期(1歳〜2、3歳頃)

歩くことが出来る時期には、手先を器用に動かせるようにもなり、大人の真似をするようになります。しかし、周囲の危険を察知したり、危険を判断できません。

D 何でもできる期(4、5歳〜)

何でもやりたがる時期で、追いかけたり、高い所に上がったり、飛び降りたりできるようになります。しかし、危険に対する判断力はまだ不十分で、一度にひとつのことしか、注意を向けられません。

           参考文献

「子どものケガ・事故予防救急ブック」

(株式会社ほんの木 監修:山中龍宏)

乳幼児の窒息や誤飲を防ぐために

今回の救急搬送状況みると、以前から報告している傾向等とほとんど同じです。すなわち、同じ月齢・年齢の子どもが、同じ誤飲や窒息を起こしているということです。

乳幼児は、日々、発達しています。昨日できなかったことが、今日はできるようになります。「まさか、うちの子に限って」ではなく、「ひょっとしたら、うちの子も」と認識する必要があります。


○ 6か月になったら、何でも口に入れるようになります。

誤飲や窒息が始まる時期を知っておく必要があります。早い子では、5ヵ月から「物をつかむ」、つかんだら「口に入れる」行動が見られます。

わが国では、床の上に物を置く生活のため、乳児の誤飲の発生率は高いのです。

乳幼児はトイレットペーパーの芯(39o)を通る大きさのものなら、口の中に入れてしまい飲み込む危険性があります。

また、小さなビニール片でさえ、のどに詰まらせてしまう事があります。


○ 危険性が高いものは何かを知っておきましょう。

乳児がティッシュペーパーを口に入れていた、というような状況は100%起こるといっても過言ではありません。誤飲したものの多くは、危険性は高くありません。しかし、いくつか危険なものがあります。覚えておいてほしいものは3つです。

①コイン形電池等:
飲み込んだ電池が胃の中に入ってしまうと、それほど危険性は高くありませんが、食道にとどまると、たいへん危険です。分の単位で食道の粘膜がただれはじめ、中には大動脈まで穴が開いて死亡することもあります。
②灯      油:
水と間違えて飲み込むことがあります。胃から逆流すると、灯油の蒸気が気管から肺に入り、ひどい肺炎を起こします。
③キャンドル・オイル:
色がついていることが多く、飲み込む子がいます。これも灯油と同じ状況で、肺炎を起こします。
○ 年齢に応じた大きさや形状にして食べさせる、びっくりさせない。

乳幼児は、大きな食べ物を丸飲みしたり、びっくりして飲み込んでしまい窒息することがあります。

成長段階に応じ、食べ物は適切な大きさに切る、つぶすなどして食べさせ、食事中に大きな声で呼ぶなど乳幼児をびっくりさせるようなことはやめましょう。

また、歩きながらや寝ながら食べさせることもやめましょう。


監修:緑園こどもクリニック院長 山中 龍宏

コイン形電池等の誤飲の危険性

電池は危険と感じていても、なぜ危険なのか知らない人も多いのではないでしょうか。飲み込んだ電池が胃の中に入ってしまうと、それほど危険性は高くありませんが、食道にとどまると、たいへん危険です。分の単位で食道の粘膜がただれはじめ、中には大動脈まで穴が開いて死亡することもあります。

乳幼児がボタン電池を誤飲した時に食道で何がおこっているか、国立研究開発法人産業技術総合研究所が作成した映像を見て危険性を理解してください。下記のホームページ(下記のURL)からご覧いただけます。

コイン形電池等の誤飲の危険性

乳幼児のボタン電池誤飲映像
http://kd-wa-meti.com/ButtonCell.html


コイン形電池等の誤飲を防ぐために

電池を保管するとき

電池は、鍵のかかる引き出しや子供の手が届かない場所でパッケージに入れたまま保管する。

電池交換するとき

子供から見えるところで電池交換をしない。また、電池交換時に短時間放置する「ちょい置き」も絶対にしない。

商品を購入・使用するとき

電池使用製品を購入する際には、電池収納部が子供でも簡単に開けられたり、落下などの衝撃により電池が飛び出すような構造になっていないことなどを確認し、安全対策が施された商品を選択する。

(東京都の注意喚起リーフレット「コイン形電池・ボタン形電池を子供にさわらせないで!」より)

※ コイン形電池等とは、コイン形リチウム電池及びその他のボタン形電池の一次電池を指す。

(東京都商品等安全対策協議会「子供に対するコイン形電池等の安全対策」より)



   目次に戻る