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観賞魚用ヒータの取扱いに気をつけて!

水槽のお手入れなどの際、電源を切らずに観賞魚用ヒータを水槽から取り出してそのまま忘れてしまい、火災に至るケースが増えていることから、東京消防庁では観賞魚用ヒータの取扱いについて注意を呼びかけています。

観賞魚用ヒータから発生した火災発生状況をみると、過去10年間(平成19年から平成28年)で54件の火災が発生しています(平成28年中は速報値)。

観賞魚用ヒータから発生した火災の傾向

■過去10年間(平成19年から平成28年)の発生状況をみると平成19年以降平成24年までは増加傾向でしたが、平成25年から平成28年は1〜4件で推移しています。「火災件数」は観賞魚用ヒータが起因となり出火した火災件数で、「空焚き件数」とはヒータが水中から露出し過熱して出火した火災件数を集計したものです。(図1参照)

図1 観賞魚用ヒータ火災の年別発生状況

図1 観賞魚用ヒータ火災の年別発生状況

注 平成28年の数値は速報値で、後日変更される場合があります。

■空焚きによる発生状況を月別にみると、1月から4月、10月から12月の7か月で47件の火災が発生しており、秋から冬、また冬から春の寒い時期に多く発生しています。(図2参照)

図2 観賞魚用ヒータ火災の月別発生状況

図2 観賞魚用ヒータ火災の月別発生状況

■火災件数54件を出火原因別にみると、水槽から出したまま忘れたり、水槽の水が少なくなったことに気付かなかったため、空焚きにより接していた合成樹脂性の水槽などの可燃物に着火し出火した火災が34件で、6割以上(63.0%)を占めています。

観賞魚用ヒータの安全性

■東京消防庁において数社の観賞魚用ヒータを用い空焚き時におけるヒータの表面温度を測定した結果、通電後の約3分にはヒータ中心部分の表面温度が700度以上に達しました。このとき、温度を調整するサーモスタットが配置されている付近の温度は熱伝導の差により約30度までしか達せず、サーモスタットは作動しませんでした。(図3参照)

図3 観賞魚用ヒータ表面の温度変化

図3 観賞魚用ヒータ表面の温度変化

安全性向上への関係業界の取り組み

■東京消防庁から関係業界へ類似火災の予防対策について要望した結果、関係業界の努力により観賞魚用ヒータの性能基準の見直しが行われ、ヒータの表面温度の抑制がなされました。平成24年8月よりペット用品工業会に加盟している各社から新たな基準に適合した製品が順次販売されていますが、これまでの製品の使用には引き続き注意が必要です。

火災を防ぐポイント

■空気中では、ヒータの表面温度が短時間で700度以上に達する場合もあり、可燃物に接触していると着火する恐れがあります。(図3参照)

火災を防ぐためには、観賞魚用ヒータが水中から露出しないように注意するとともに、観賞魚用ヒータを水から出す場合には、電源を確実に切り、差し込みプラグを抜きましょう。

1 水から出す場合は電源スイッチを確実に切る
水槽を清掃するなど水中から観賞魚用ヒータを取り出す場合には、電源を確実に切り、差し込みプラグを抜いて可燃物の近くには置かないようにしましょう。
2 水から露出していないか定期的に確認する
水位の低い状態で使用している水槽や、水を循環させるための補助水槽で使用している観賞魚用ヒータは、定期的に確認をしてヒータが露出しないようにしましょう。

火災事例

事例1 「水槽の清掃のためにぶら下げたヒータにより出火した火災」

この火災は、共同住宅の4階居室で、水槽を清掃するために電源を入れたままの観賞魚用ヒータをベッドの支柱にぶら下げたことにより、観賞魚用ヒータに接触した衣装ケースなどに着火し出火したものです。

写真1-1 観賞魚用ヒータが掛けてある状況

写真1-1 観賞魚用ヒータが掛けてある状況

観賞魚用ヒータ

写真1-2 周囲の焼損状況

写真1-2 周囲の焼損状況

事例2 「水位が下がったため観賞魚用ヒータが空焚きとなり出火した火災」

この火災は、通所短期入所介護施設の1階リハビリテーション室で、観賞魚用ヒータが入った水槽内の水位が下がったことにより、観賞魚用ヒータが空焚きとなり合成樹脂の水槽に着火し出火したものです。

写真2-1 焼損した水槽

写真2-1 焼損した水槽

写真2-2 観賞魚用ヒータの状況

写真2-2 観賞魚用ヒータの状況

観賞魚用ヒータの実験映像

→ ビデオライブラリーの実験映像にリンク

布団の上に通電している観賞魚用ヒータを置いた場合の実験映像です。

■布団の上に観賞魚用ヒータを置いた状況

布団の上に観賞魚用ヒータを置いた状況

観賞魚用ヒータ

■観賞魚用ヒータに接触した布団が燃焼している状況

観賞魚用ヒータに接触した布団が燃焼している状況


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