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遊具に起因する子どもの事故の発生状況

東京消防庁管内では、平成19年から平成231) 年までの5年間で、公園、小学校、店舗などにある遊具にかかわる事故で、3,281人の子ども2) が救急搬送されています。発生状況は以下の通りです。

1) 平成23年の事故情報は速報値です。
2) この資料では12歳以下です。

1 注意すること

保護者のみなさまへ

乳幼児などの小さな子どもには保護者が付き添いましょう。

すべり台などの高いところから落ちて頭蓋骨を骨折する事故も起きています。小さな子どもを遊具で遊ばせる時には、保護者が付き添って、子どもから目を離さないように注意しましょう。

ぶらんこ等で遊んでいる人のそばには近づかないように注意しましょう。

ぶらんこ等の大きく揺れるような遊具では、遊んでいる人のそばに近づいたり、横切ったりしないようにしましょう。安全な領域を示している柵などがある遊具では遊んでいる人以外は中に入らないようにしましょう。

危険な行動を見かけたら、注意しましょう。

年齢が上がるにつれ、中等症以上の割合が増加しています。同じ遊具でも、年齢とともに遊び方も変化します。また、年齢にかかわらず子どもは大人が想像もしないような遊び方をすることがあります。保護者や施設の管理者は日ごろから、危険な遊び方をしないよう子どもに言い聞かせ、危険な行動を見かけたら注意するなど、地域ぐるみで子どもを見守りましょう。

子どもだけで遊ぶときは、みんなで注意するように言い聞かせましょう。

まわりに大人がいない時、そんな時こそ事故に気をつけるよう言い聞かせましょう。万が一、事故が起きた時は近くにいる大人に知らせるように言いましょう。

遊具の不具合や破損を見つけたら、使用を控え、施設管理者に連絡しましょう。

遊具のねじが緩んでいたり、木が腐っていたり、ロープが切れそうになっているのを見かけたら使用を控え、施設の管理者へ連絡しましょう。遊具で楽しく遊べるのも、安全な遊具があってこそです。

遊具を管理する人へ

遊具を管理する人は、遊具の定期点検・修理等の安全対策を!

遊具を管理する人は、定期的に遊具を点検し、遊具が破損していたり劣化していないか注意しましょう。また、遊具だけでなく、遊具が設置されている地面や周囲もチェックしましょう。危険と思われる箇所が見つかれば、早めに修理等の措置を取りましょう。

2 事故の推移

事故はどれくらい起きているの?

毎年多くの子どもが遊具にかかわる事故でけがをしており、昨年は620人が救急搬送されました(図1)。

図1 年別の遊具の事故による救急搬送人員
図1 年別の遊具の事故による救急搬送人員

3 月別の救急搬送人員

事故はいつ起きているの?

月別にみると、年間を通じて4月が最も多くなっています。暑い8月、寒い12月から2月は特に少なく、気候が温暖な時期に多くなっています(図2)。遊具がある学校や公園を管理する方は、事故が増えるこれからの時期に備え、遊具の安全について再度チェックをしてください

図2 月別の遊具の事故による救急搬送人員(H19〜H23)
図2 月別の遊具の事故による救急搬送人員(H19〜H23)
小学校に入学したり、引っ越したり、それから寒い間に背が伸びて、今まで届かなかった遊具で遊べるようになったりして、4月には新しい遊具で遊ぶ機会って増えるんじゃないかな。冬の間に、遊具が壊れていたってこともあるかもしれんの。

4 場所別の救急搬送人員

事故はどこで起きているの?

場所別の事故発生状況をみると、すべての年齢で、公園・広場等が最も多くなっています(図3)。公園・広場では、小さな子どもは保護者が目を離したすきに、小学生になると、子どもたちだけで遊んでいる時に事故が多く起きていると思われます。また、学校・児童館では、新たに小学校に入学した年齢(6歳、7歳)の子どもの事故が多く、高学年になるとともに減少する傾向が見られます。新入生は、新しい環境で慣れない遊具で遊ぶ機会が増えると思われるため、施設の管理者等は事故を未然に防止するために、遊具の正しい使い方について指導する必要があります。

公園がとても多いのね。学校や幼稚園・保育園は、近くに大人がいることが多いから、事故が少ないのかもしれないわね。
図3 場所別・年齢別の遊具の事故による救急搬送人員(H19〜H23)
図3 場所別・年齢別の遊具の事故による救急搬送人員(H19〜H23)

5 年齢別・性別の救急搬送人員と中等症以上の割合

だれがどれくらいの事故にあっているの?

年齢別にみると、小学校1年生か、もしくは小学校入学前の6歳児に最も多くなっています性別はどの年齢でも男の子が多く、男の子の占める割合は年を重ねるにつれ高くなっています。(図4)。

図4 年齢別・性別の遊具の事故による救急搬送人員と中等症以上の割合(H19〜H23)
図4 年齢別・性別の遊具の事故による救急搬送人員と
    中等症以上の割合(H19〜H23)
一番多いのは6歳、大けがになる割合が高いのは10歳なんだね。10歳にもなると、高い所にも登れて楽しいだろうけど、その分あぶないってことだね。

また、初診時に中等症(入院を要する程度)以上と診断された事故の発生割合をみると、10歳まで増加傾向にあり、10歳では救急搬送された子どものうち、約3人に1人が入院を要するようなけがをしています。子どもは大人が想像もしないような遊び方をすることもあるので、保護者などは危険な遊び方をしないよう言って聞かせたり、地域ぐるみで見守るなどの注意が必要です。

6 遊具別の救急搬送人員と中等症以上の割合

どんな遊具で事故にあっているの?

遊具別にみると、すべり台が991人と最も多く、次いで、ぶらんこ(603人)、うんてい、ジャングルジム、鉄棒と続いています。

また、救急搬送された医療機関において、初診時に中等症以上と診断された子どもの割合をみると、うんていとのぼり棒・すべり棒で高くなっていることがわかります(図5)。

図5 遊具別の事故による救急搬送人員と中等症以上の割合(H19〜H23)

※ その他の遊具には、遊具の種類が不明のほか、「丸太・木の杭型遊具」、「ロープ遊具」、「空気でふくらました遊具」、「SL機関車型遊具」などがあります。


図5 遊具別の事故による救急搬送人員と中等症以上の割合
   (H19〜H23)
うんていの上にのぼってふざけるなど、あぶない遊び方をしている子どもをみかけたら、周囲の大人は注意しよう!

7 遊具別・受傷形態別の救急搬送人員と中等症以上の割合

どのような事故で大けがを負いやすいの?

表1は、どの遊具で遊んでいるときに、どのようにしてけがをしているかを表したものです。例えば、一番左上の欄では、すべり台から落ちて搬送された子どもは702人で、そのうち20%の子どもが中等症以上と診断されていることを示しています。

うんてい、鉄棒、のぼり棒・すべり棒など、高所から落ちる事故が、搬送人員も多く、中等症以上の割合も高くなっています。また、ぶらんこではぶつかる事故も多く発生しています。そのほか、回転式遊具で勢いがついた状態で転び、大けがとなっている事案が3件あり、中等症以上の割合が高くなっています。

表1 遊具別・受傷形態別の救急搬送人員と中等症以上の割合

救急搬送人員(人)

中等症以上の割合(%)
受傷形態 合計
落ちる ぶつかる ころぶ はさまれる その他
(不明含む)





すべり台 702 20.0% 118 1.7% 153 5.9% 10 10.0% 8 12.5% 991 15.5%
ぶらんこ 357 17.6% 231 7.4% 7 14.3% 6 16.7% 2 0.0% 603 13.6%
うんてい 257 37.9% 13 23.1% 0 12.5% 1 100% 1 100% 272 37.6%
ジャングルジム 211 21.2% 32 24.3% 8 6.3% 3 0.0% 2 0.0% 256 21.2%
鉄棒 190 28.4% 62 11.3% 0 0.0% 1 0.0% 0 100% 253 24.1%
複合遊具 101 26.7% 15 6.7% 12 0.0% 4 0.0% 1 0.0% 133 21.2%
のぼり棒・すべり棒 48 33.3% 5 0.0% 0 0.0% 1 100% 0 0.0% 54 31.5%
回転式遊具 22 18.2% 5 0.0% 5 60.0% 2 0.0% 1 0.0% 35 20.0%
シーソー 15 20.0% 11 0.0% 3 0.0% 2 0.0% 1 0.0% 32 12.5%

※ 事故が起きやすいところは(救急搬送人員が30人以上)で、大けがになりやすいところは(中等症以上の割合が20%以上)で表記しています。また、「落ちる」には、自ら飛び降りた場合を含み、遊具種別の「その他」、「不明」はのぞいています。

8 事故事例

実際にあった事故の状況は?

(1) 1歳の女の子が、公園において、小学生がこいでいたブランコに近寄り、ぶらんこを頭部にぶつけた後、衝撃でころび、再度頭部を地面にぶつけた。

<頭部外傷、中等症>

(2) 3歳の男の子が、公園内のぶらんこで遊んでいた際に、勢いをつけようとして父親が背中を押したところ、ぶらんこに乗っていた子どもが手を離してしまったため、後頭部から地面に落ちた。

<外傷性くも膜下出血、中等症>

(3) 6歳の男の子は、小学校の授業中に校庭の木製トンネル型遊具の上を歩いていたところ、木と木の隙間(約7cm)に左下肢が入り、膝の付近で抜けなくなってしまった。

<左膝打撲傷、軽症>

(4) 8歳の女の子が、公園にあるうんていの上を、後ろ向きに歩いていたところ、足を滑らせ落ち、左足を受傷した。

<下腿打撲、軽症>

(5) 9歳の男の子が、友達と公園で鬼ごっこをしており、滑り台の手すり部分にまたがって滑ったところ、バランスを崩して2mの高さから落下し、左手を受傷した。

<左手関節骨折、中等症>

(6) 10歳の男の子が放課後、公園のすべり台の上から自転車をこいで降りようとしたところ、自転車ごとすべり台から落ちた。

<全身打撲・複合骨折、重症>