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一酸化炭素は、無色・無臭で気が付きにくい、人体に有毒な気体です。東京消防庁管内 1)では平成18年から平成22年の5年間で、一酸化炭素による事故が85件発生し、133人が救急搬送されています。
十分な換気により、室内の一酸化炭素濃度が下がることから、火気設備・器具を使用の際は換気扇の使用や定期的に窓などを開けるなどして換気を十分に行いましょう。
また、火気設備や火気器具を使用中に少しでも異常を感じたら、使用を中止するとともに十分な換気を行いましょう。
不完全燃焼が起こると一酸化炭素が発生することから、火気設備・器具の定期的な点検と清掃を行いましょう。
発動発電機やバーベキュー用コンロなど屋外での使用が想定されている火気器具等は屋内では使用せず、火気設備・器具の使用方法を守りましょう。
一酸化炭素は、無色・無臭で気が付きにくい気体です。一酸化炭素を感知する警報器を設置することも早期発見に有効です。
微増ながらも増加傾向にあり、平成20年からは毎年20件以上発生しています。
また、一酸化炭素発生による事故は1回で複数の人が受傷しているため、過去5年間では発生件数よりも多くの人が救急搬送されています(図1)。
平成18年から平成22年までの5年間の月別の発生件数は、11月から2月にかけて多く、特に1月に多く発生しています(図2)。
発生場所では一般住宅と共同住宅で70件が発生しており、全体の8割以上と高い割合を占めています。発生時の行動では、調理に伴うものが30件と最も多く、次いで居室等を暖めるためが17件でした(図3)。
一酸化炭素の発生要因となった燃料別では、七輪、練炭や火鉢などの炭を使用するものが55件で全体の約6割であり、ガスコンロ、ガス湯沸器やガスファンヒーターなどのガスを使用する機器等が23件で全体の約3割を占めています(図4)。
発生場所ごとに事故発生に起因する燃料を分析すると、一般住宅では発生件数38件のうち29件が炭を起因とするものが7割以上と高い割合を占めています。
また、共同住宅でも発生件数32件のうち、16件が炭を発生要因とするもので5割を占めています(図5)。
発生場所別の事故発生原因は、換気不足による事故発生が58件で全体の約7割と高くなっています。
なお、その他の原因としては、一般住宅や共同住宅では器具の取扱不適等であり、飲食店では、窯内の残り火の不始末が主な原因です(図6)。
なお、流入した一酸化炭素によりガス警報器が鳴動した。
【平成21年10月 町田市 (受傷者なし)】平成23年3月11日(金)の東日本大震災後の電力不足の影響により、東京消防庁管内においても、平成23年3月15日から計画停電が実施されており、計画停電に起因した一酸化炭素による事故が3件発生しました。
本年度、当庁消防技術安全所で七輪を使用した一酸化炭素発生状況に関する検証を実施しました。検証の概要と結果は次のとおりです。
一酸化炭素の濃度は、実験居室の床から天井方向に向かって高くなり、使用開始後約80分で900ppmに達しました。この数値は、人がこの場所に3〜4時間いた場合に、意識障害を起こす値です。
垂直位置ごとの一酸化炭素濃度変化 |
水平位置ごとの一酸化炭素濃度変化 |
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※ 各グラフ凡例の数字は、実験居室内の測定器の番号を表しています。
凡例:CO濃度変化 0ppm
:燃焼器物(七輪) |
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1. 燃焼開始 実験開始前は居室内は青く、ほとんど一酸化炭素がないことが分かります。
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2. 燃焼30分後 天井近辺が黄色になっていることから、一酸化炭素が天井方向に向かっていることが分かります。
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3. 燃焼1時間00分後 天井付近から一酸化炭素濃度が高くなっているのが分かります。
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4. 燃焼1時間15分後 濃度が高いところで約900ppmとなっていることが分かります。
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七輪を使用したまま実験居室の扉を開放すると、一酸化炭素濃度は急激に下がりました。しかし、一酸化炭素の濃度は10分経過しても10ppm以下(建築物環境衛生管理基準に抵触しない空気環境)にはなりませんでした。また、実験居室の室温は床付近で30℃、天井付近で40℃でしたが、自然換気後は10℃以上低下しました。
1.換気開始 |
2.換気20秒後 |
3.換気40秒後 |
4.換気1分後 |
5.換気2分後 |
6.換気3分後 |
気密性の高い住宅に模した実験居室で七輪を使用したとき、約80分後には居室内の一酸化炭素濃度は3〜4時間居続けると意識障害が起こる値である900ppmに達しました。また、実験居室の扉を開放すると、急激に居室内の一酸化炭素濃度は低下するとともに、居室内の温度も低下しました。
この検証結果から、居室内の一酸化炭素濃度を下げるには換気が有効であるが、自然換気を10分程度実施しても建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の基準値10ppm以下には下がらず、十分ではありません。また、居室内において暖房目的で七輪を使用することは、一酸化炭素中毒事故の恐れもあり、十分な換気を行うことが必要です。
一酸化炭素は、無色・無臭、水に溶けにくく、アルカリ水溶液やエタノールに溶け、生ゴムに溶けやすい性質を有しています。体比重は0.97、沸点−192.2℃、融点−235℃、引火点−191℃、発火点608.9℃、爆発限界12.5〜74.2% です。
また、一酸化炭素のヘモグロビンとの親和性は、酸素の約200〜220倍であり、空気中の一酸化炭素が大気中に0.1%あれば、その200倍相当の濃度の酸素とヘモグロビン結合を分かち合う結果となり、約50%の一酸化炭素ヘモグロビンが形成される計算となる。
(参考文献:火災便覧第3版、編者 日本火災学会(1997)、発行 共立出版(株))
| 大気中の一酸化炭素濃度ppm(%) | 吸入時間 | 血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度(%) | 影響 |
|---|---|---|---|
| 100ppm 〜200ppm (0.01〜0.02%) |
― | 10〜20 | 比較的に強度の筋肉労働時間呼吸促迫、時に軽い頭痛 |
| 200ppm 〜300ppm (0.02〜0.03%) |
5〜6時間 | 20〜30 | 頭痛、耳鳴り、眼失閃光 |
| 300ppm 〜600ppm (0.03〜0.06%) |
4〜5時間 | 30〜40 | 激しい頭痛、悪心、嘔吐、外表の鮮紅色、やがて運動機能を失う |
| 700ppm 〜1000ppm (0.07〜0.10%) |
3〜4時間 | 40〜50 | 頻脈、呼吸数増加、やがて意識障害 |
| 1100ppm 〜1500ppm (0.11〜0.15%) |
1.5〜3時間 | 50〜60 | チェーンストークス呼吸、間代性痙攣を伴い昏睡、意識障害、失禁 |
| 1600ppm 〜3000ppm (0.16〜0.30%) |
1〜1.5時間 | 60〜70 | 呼吸微弱、心機能低下、血圧低下、時に死亡 |
| 5000ppm 〜10000ppm (0.50〜1.00%) |
1〜2分 | 70〜80 | 反射低下、呼吸障害、死亡 |
参考文献:火災便覧第3版、編者 日本火災学会(1997)、発行 共立出版(株)
※ 大気中の一酸化炭素濃度を、%の単位に換算し追記しました。

