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カセットボンベ破裂による事故を防止しよう

平成23年10月に東京消防庁管内 1)の、高等学校の文化祭において、カセットコンロの取り扱い不適によりカセットボンベが破裂し受傷者が発生しました。文化祭・学園祭が多く行われるこの時期に同種事故の再発防止に努めましょう。

1) 東京都のうち東久留米市、稲城市、島しょ地区を除く地域(東久留米市は平成22年4月1日より東京消防庁管内となった。)

1 発生事案

(1) 事故概要

高等学校の文化祭において、校庭中庭でカセットコンロを使用して調理をしていた途中に、カセットコンロの火が消えたため、男子生徒(17)がカセットボンベを取り外したところ、手元で破裂し左手を受傷した。

(2) 事故発生までの経緯

当日の文化祭では39台のカセットコンロが使用されており、事故の起きたワッフルコーナーでは3台を使用していた。3台のうち1台は、正常な状態で使用されていたが、他の2台は収納箱から取り出したままの状態で受け皿(五徳)が反対(裏)に設定され、その上にフライパンを置き使用していた(写真1)。このうちの1台は、火が消えてしまうなど調子が悪かったため、カセットボンベを確認したところ膨張していたため使用を中止した。もう1台は使用を続けていたが、途中で火が消えたため、カセットボンベを取外し確認したところカセットボンベが破裂した(写真2)。

写真1:調理に使用されていたカセットコンロ
写真1:調理に使用されていたカセットコンロ
写真2:破裂したカセットボンベ
写真2:破裂したカセットボンベ


エアゾール缶等の破裂・引火による火災の危険性(実験映像)

2 過去の事故事例

事例1 五徳を裏表反対に使用

平成11年10月に文京区内の大学の学園祭において、カセットコンロの受け皿(五徳)を反対(裏)に設定したまま使用し、カセットボンベが過熱され爆発した。この事故で、4人が負傷し、うち男子学生2人が中等症と診断された。

事例2 カセットコンロを2台並べて鉄板を乗せて使用

平成20年9月に豊島区内の高等学校の文化祭において、カセットコンロ2台の上に鉄板を置き、焼きそばを調理中に、カセットボンベが過熱され爆発した。この事故で、15人が負傷し、うち男子生徒2人が重症、男子生徒3人、女子生徒1人が中等症と診断された。

3 事故防止について

学校における各種行事において火気器具を生徒に使用させる際には、教職員の管理下で製品に記載されている正しい使用ができているかを確認するとともに、社団法人日本ガス石油機器工業会が示す以下の使用上の注意を守るようご配意ください。

1 電磁調理器上で使用しない

コンロなどを電磁調理器の上で使用あるいは保管しないでください。電磁調理器の電源が間違って入ってしまった場合、カセットボンベが過熱され、爆発することがあります。

2 大きな調理器具を使用しない

コンロをおおうような大きな調理器具は使用しないでください。熱がこもりやすくなり、カセットボンベが過熱され、爆発することがあります。

3 コンロに指定されているボンベを使用する

カセットボンベは、必ずご使用のカセットコンロ専用のボンベを使用してください。ガス漏れや、火災の原因になります。

4 調理以外の用途に使用しない

調理以外の用途(木炭や練炭の火おこしなど)に使用しないでください。カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

5 石綿やセラミック付きの魚焼き器を使用しない

石綿やセラミック付魚焼き器や焼き網、陶板プレートなどの蓄熱性のあるものは使用しないでください。カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

6 2台以上並べて使用しない

カセットコンロを2台以上並べて使用しないでください。熱がこもりやすくなり、カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

7 カセットボンベは表示通り正しくセットする

カセットボンベの切り込み凹部をカセットコンロのボンベ受けガイド凸部に合わせてセットしてください。誤った装着はガス漏れや火災の原因になります。

8 テントや車内で使用しない

テント内ではガスランタン、アウトドア用コンロ、カセットコンロなどを使用しないでください。テントや車内などで使用すると、一酸化炭素(CO)中毒や酸欠になる場合があります。屋外であっても狭い空間では換気にご注意ください。

9 廃棄の際はガスが残っていないことを確認して地域の取り決めに従い廃棄する

ガスボンベは、使い切ってから地域の取り決めに従い廃棄してください。ガスが残ったまま廃棄した場合、ゴミ収集車や焼却炉施設内でガス漏れが発生し、火災が起こったり、清掃局員の方たちがけがをしたり、焼却炉破損の原因となったりしますので絶対にやめてください。

10 ストーブの近くで使用しない

カセットボンベを暖房機のそばやガスコンロの近くなど高温になる場所に置かないでください。カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

11 カセットボンベを40度以上になる車内等に置かない

カセットボンベは直射日光のあたる車内など高温になる場所には置かないでください。カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

12 カセットボンベを火の中に投げ入れない

カセットボンベを火の中に投げ入れたりしないでください。カセットボンベが過熱され、爆発などのおそれがあります。

13 ガスの再充填をしない

カセットボンベにガスを再充填しないでください。ガス漏れや爆発することがあります。

14 家具、壁、カーテンなどから15p以上離して使用する

コンロは周囲の家具や壁、カーテンなどの引火物や可燃物、熱を遮るようなものから15p以上離して使用してください。可燃物に引火したり、カセットボンベが過熱され、爆発することがあります。


東京消防庁救急相談センター #7119 つながらない場合は… 23区 03(3212)2323 多摩地区 042(521)2323
問合せ先
防災部防災安全課防災安全係


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