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東京消防庁の管轄する地域では、毎日いろいろな事故でけがをしたり、具合が悪くなったりしている人がいます。救急車で病院に搬送される人の中で、特にけがを中心とした不慮の事故のデータを収集し、詳しく調べると、毎年同じようなけがが同じような頻度で起こっていて、特に65歳以上の高齢者での発生率や発生数がとても多いことがわかっています。
超高齢社会の現在、高齢者のけがは、健康問題の一つとして考えなければいけません。
過去5年間に、けがなどの不慮の事故で、年間約11万人が救急搬送されています。5年間の推移をみても、ほぼ横ばいの状態です。
65歳以上の高齢者では、年間約5万人が救急搬送人員されており、全体に占める割合も少しずつ増えています。
人口10万人あたりの発生率から、高齢になるほど、けがなどで救急搬送される割合が高くなっているのがわかります。

高齢者は・・・


救急搬送直後の初診時程度をみると、約41%は入院を要するような程度である中等症以上となっています。
また、年齢層別に中等症以上の割合をみると、高齢になるほどその割合は高くなっています。
一般的に、高齢者がけがで入院すると、その後の生活の質は大きく制限されてきます。大きなけがには特に注意しないといけません。


<初診時程度>
救急隊が医療機関に搬送直後、初診の医師が以下の基準で示したものです。
けがが発生した場所をみると、実は一番身近な住宅等の居住施設が最多です。全体の6割は住宅等で発生していることがわかります。
受傷原因をみると、「ころぶ」ことによる受傷がほとんどです。加齢による身体的変化などが影響していそうですね。
季節性についてみると、冬場に特徴的なのが、「おぼれ」や「ものがつまる・ものが入る」です。あとに述べるように、浴室とご飯、餅には要注意です。



寒い時期に、暖房のきいた部屋から、廊下やトイレ、浴室などにいくと、急な寒さで身体がゾクゾクすることがあります。急激な温度変化がもたらす身体への影響をヒートショックといいます。
室温など、私たちを取り巻く外気温が急激に変化することで、心血管系に大きな負担がかかってきます。急な寒さで血管が急激に収縮し、血圧が急上昇することで、脳卒中や心筋梗塞への危険が高まります。急激な温度変化は思った以上に身体に負担がかかっています。
住宅等居住施設での事故が多いことは前述しましたが、その詳細をみると、一番身近な居室・寝室でのけがが最も多く発生してます。また、重症度が高くなる場については、浴室・脱衣所、屋根・屋上となります。
受傷原因をみると、「ころぶ」ことによる受傷がほとんどです。重症度との関連をみると、おぼれが最も高くなっています。
事故に関連する設備・製品ではタンスなどの家具や階段が多くなっています。



体温が上がると、血管が拡がり、心拍数も増加し、心血管系に負荷をかけます。さらに、急激な温度差は身体に様々な影響をあたえてきます。特に持病等がある人は、医師等に相談をしておきましょう。
発症動作別に、入院を要するような中等症以上の割合をみると、「おぼれ」は件数は少ないものの、最も高い割合となっています。次いで、「ものがつまる・ものが入る」となっています。
高齢者の事故のうち、おぼれは季節性があり、特に冬場に多く発生しています。
ものがつまる・ものが入るのうち、事故に関連した製品等が明らかなもの上位20種をみると、ご飯、餅が上位にきています。餅が好きな方は多いと思いますが、餅でちっそくして、取り返しのつかない事態になる事例が毎年多発しています。食べるときは一人で食べないで、できるだけ小さく切りましょう。



食べ物によるちっそく事故に対して今すぐできる予防法は、
一般的に高齢者は、噛む力が弱かったり、だ液の分泌量が少なかったり、咳による反射が弱くなってきます。まわりの家族などもできるだけ高齢者と一緒に食事をしましょう。
<万が一の時、応急手当の方法を身につけるために、救命講習を受講しましょう。>
2011年3月11日に発生した東日本大震災では東京消防庁管内においても195名が救急搬送されています。これらを分析すると、高齢者の割合は約48%と半数近くを占めていました。
受傷原因をみると、地震による落下・転倒物による受傷が最も多く発生しています。次いで、転倒による受傷です。




これまでみてきたように、不慮の事故で救急搬送される高齢者は増加の一途をたどっています。また、不慮の事故全体に占める高齢者の割合も増加しています。さらに、高齢になるほど救急搬送される割合も高くなってきます。
そして、事故の発生場所は、一番身近で、安心と思われている住宅内での発生です。まず、各家庭で対策を立てるために、事故の実態を把握することに加え、以下のような視点が大切になってきます。
加齢とともに身体機能は変化していきます(前述<豆知識1>)。
生活環境(特に生活動線)を定期的に点検・見直しする。
段差の解消(スロープ、ミニスロープ)
十分な明るさ(足下灯、人感センサー、照明器具の設置)
滑り止め(階段、廊下、玄関先)
入浴は思いのほか身体に負担をかけるということを知りましょう。
入浴時には家族に声をかけ、家族は定期に声かけをしましょう。
長湯・高温浴は避けましょう。(浴室時計の設置、温度計の設置)
飲酒後の入浴はやめましょう。
浴室や脱衣所、他の部屋との温度差を少なくしましょう。(暖房器具の設置)
小さく切って、よく噛む
お茶など水分をとりながら食事をする。
食事中に急に上を向いたり、食べ物を口に入れたまましゃべらない。
| 問合せ先 |
| 防災部防災安全課防災安全係 |