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天窓・ガラス屋根からの墜落事故に注意

12歳以下の子どもが墜落する救急事故が発生しています。

平成17年4月から平成22年9月までに、東京消防庁管内(東京都のうち東久留米市※、稲城市、島しょ地区を除く地域)で明り取り用の網入りガラスや天窓を踏み抜いたり、墜落したりするなどの事故により12歳以下の子ども21人が救急搬送されており、今年だけでも、3人が搬送されています。発生状況については次のとおりです。
※ 東久留米市は、平成22年4月1日から東京消防庁管内となっています。


1 初診時程度別・年齢別発生状況

初診時程度別では「中等症(入院を要するもの)」以上が16人で、天窓等からの墜落事故の76.2%を占めています。

(単位:人)
  死亡 重篤 重症 中等症 軽症 合計
0歳 0 (0.0%)
1歳 1 1 (4.8%)
2歳 0 (0.0%)
3歳 0 (0.0%)
4歳 1 1 (4.8%)
5歳 0 (0.0%)
6歳 1 1 (4.8%)
7歳 1 1 (4.8%)
8歳 3 2 5 (23.8%)
9歳 1 1 1 3 (14.3%)
10歳 1 2 3 (14.3%)
11歳 1 3 4 (19.0%)
12歳 2 2 (9.5%)
合計 0 1 3 12 5 21 (100.0%)
(0.0%) (4.8%) (14.3%) (57.1%) (23.8%)
図1 初診時程度別事故人数
図1 初診時程度別事故人数
(凡例) ・重篤
・重症
・中等症
・軽症
: 生命の危険が切迫しているもの
: 生命の危険が強いと認められたもの
: 生命の危険はないが入院を要するもの
: 軽易で入院を要さないもの
図2 年齢別事故人員
図2 年齢別事故人員

2 場所別・年齢別発生状況

発生場所別では、「マンション・アパート」の天窓等からの墜落事故が14人と最も多く、天窓等からの墜落事故の66.7%を占めています。

年齢別では、8歳から11歳までが15人で、天窓等からの墜落事故の71.4%を占めています。

(単位:人)
  マンション
・アパート
公園内の
公衆トイレ
学校 その他 合計
0歳 0 (0.0%)
1歳 1 1 (4.8%)
2歳 0 (0.0%)
3歳 0 (0.0%)
4歳 1 1 (4.8%)
5歳 0 (0.0%)
6歳 1 1 (4.8%)
7歳 1 1 (4.8%)
8歳 4 1 0 5 (23.8%)
9歳 2 1 3 (14.3%)
10歳 1 1 1 3 (14.3%)
11歳 4 4 (19.0%)
12歳 2 2 (9.5%)
合 計 14 2 2 3 21 (100.0%)
(66.7%) (9.5%) (9.5%) (14.3%)
※その他:機械室、駐輪場、事務室
図3 場所別事故人数
図3 場所別事故人数

3 動作別人員

事故発生時動作を、「遊ぶ」、「歩く・乗る」、「坐る」、「不明」に分類すると、天窓上で「遊ぶ」が最も多く、52.3%を占めています。

図4 動作別人数
図4 動作別人数

4 天窓・ガラス屋根からの墜落などの主な事例

  • (1) 9歳男児が、マンション内でボール遊びをしていたところ、連絡通路の屋根にボールが上がってしまったので、建物内の手摺りをよじ登り、連絡通路の屋根にあがった。その際に、男児が通路の屋根に設置されている天窓(網入りガラス、厚さ3.5mm)の上で飛び跳ねたため、網入りガラスが割れ、墜落(高さ約4m)した。【中等症】
  • (2) 10歳男児が、マンション内で友達と鬼ごっこしている時、エントランスの天窓に乗ったため、その天窓が割れ、1階部分に墜落(高さ約3m)した。【中等症】
  • (3) 8歳の男児が、公園内の公衆トイレの屋根に登り、明かりとり用の天窓部分(ガラス製)に乗ったところ、天窓が割れて墜落(高さ約3m)した。【中等症】
  • (4) 9歳男児が、アパートの地下1階機械室内のガラス製天窓上で遊んでいたところ、踏み抜いて墜落(高さ不明)し、右上肢を受傷した。【重篤】
  • (5) 11歳の男児が、マンションの1階ロビーの屋根に落ちた物を取ろうとして、2階部分から屋根に飛び移ったところ、天窓部分(ガラス製)に着地したため、ガラスが割れ、1階ロビーに墜落(高さ約3m)した。【中等症】

5 事故事例写真

事故事例写真

6 天窓・ガラス屋根に係る事故防止のポイント

  • (1) 天窓・ガラス屋根を有する施設の管理者等は、子どもが天窓・ガラス屋根に至る足場となりそうなものを取り除く、天窓の周囲に柵を設けるなど、容易に天窓・ガラス屋根に近づくことができない環境をつくる。
  • (2) 天窓・ガラス屋根からの墜落事故では、動作別にみると「遊ぶ」が最も多く、さらに入院が必要となる中等症以上の負傷者が76.2%を占め、重大な事故となっていることから、保護者は天窓やガラス屋根に乗ると破損し、墜落する危険があることを子どもに教え、十分に理解させる。

東京消防庁救急相談センター #7119

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