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防火管理の重要性・意義

 東京消防庁管内では、毎年おおよそ6千件から7千件の火災が発生し、多くの尊い生命と貴重な財産が失われています。
 過去の火災事例をみると、不適切な火気管理などから出火し、消防用設備等の不備や不適切な維持管理、さらには、火災を発見したときの初動対応の不手際、教育訓練の不足による不適切な対応により火災を拡大させ、被害を大きくしています。
 これらの根本原因は、防火管理に対する意識の低い管理権原者や防火管理者が火災の危険性を軽視し、その重要性を認識しないまま防火管理業務を怠ったことにあり、管理権原者や防火管理者に対しては、防火管理業務の不履行が糾弾され、防火管理が不十分であるとして刑事責任を問われる事例も発生しています。
 尊い生命と財産を守るためには、防火管理の重要性を十分に認識し、防火管理を徹底していくことがきわめて重要なことなのです。

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【管理権原者】

 管理権原者とは、次の要件を満たし、防火管理業務上の正当な権限をもつ者をいいます。

  1. 事業所の社長など事業所を代表することができる。
  2. 建築物の増・改築、避難・消防用設備の設置と維持管理の権限を持つ。
  3. 事業所の社員・従業員の人事や労務上の権限を持つ。

防火管理とは

 防火管理とは、火災の発生の防止と火災の被害を最小限に食い止めることを目的として、「普段、誰が何をしたらよいのか」、「万一火災が発生した場合にどうしたらよいのか」を消防計画にしっかりと定め、日常の火気管理の徹底、消防用設備等の維持管理、火災に備えた消火訓練や避難訓練などを行うことです。
 建物所有者や各テナントの社長さんなど(管理権原者)は、消防法により、防火管理者を定め、防火管理業務を実施させなければなりません。

【防火管理の目的】

  • 火災の発生の防止
  • 火災の被害を最小限にくいとめる
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【防火管理者の仕事】

  • 消防計画の作成
  • 消火、通報及び避難訓練の実施
  • 消防用設備等の点検及び整備
  • 火気の使用又は取扱いに関する監督
  • 避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
  • 収容人員の管理
  • その他防火管理上必要な業務

防火管理の体系

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【防火管理者】

 防火管理者には、一定の資格が必要です。

【消防計画】

 防火管理は人の行う業務であり、多くの人々が組織的に動くもので、人々の行動規範を明確にしておく必要があります。
 そこで、この行動規範を文書にして、日常の予防管理や万一の場合に円滑な行動ができるよう定期的に教育や訓練を実施することが必要となります。この行動規範を文書にしたものが消防計画です。

防火管理者の選任が必要な防火対象物

 防火管理者の選任が必要な防火対象物は、次のとおり病院や工場、百貨店などの用途に応じ建物内に勤務する人や出入りする人の数(収容人員)によって、定められています(法第8条 政令第1条の2)。

収容人員が30人以上

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―特定防火対象物―

 劇場や百貨店、旅館、ホテル、病院など、不特定多数の人が出入りする特定防火対象物は、火災発生の際の危険も大きいため、収容人員が30人以上の場合に防火管理者を選任しなければなりません。

収容人員が50人以上

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―非特定防火対象物―

 図書館や工場、駐車場、倉庫など特定防火対象物以外の防火対象物(非特定防火対象物)は、収容人員が50人以上の場合に防火管理者を選任しなければなりません。

共同防火管理とは

 さまざまな事業所がテナントとして入居している雑居ビルなどでは、複数の管理権原者が共同で防火管理に当たらなければなりません。これを共同防火管理といいます。
 共同防火管理については、「火災発生時の混乱と災害の発生を防ぐため、各管理権原者の相互の連絡協力と建物全体としての一体的な防火管理が必要不可欠であり、各管理権原者が予め防火管理上必要なことがらを協議し、共同して防火管理をすすめていくこと」を、法第8条の2で義務づけています。

【共同防火管理の目的】

  • 複数の管理権原者の相互の連絡・協力を徹底する。
  • 共用部分も含めた建物全体の一体的な防火管理を行う。
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共同防火管理が必要な防火対象物

 共同防火管理を行わなければならない防火対象物は、次の防火対象物で、その管理について権原が分かれているものです(法第8条の2・政令第4条の2)。

複合用途防火対象物

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左  ―複合イ―
飲食店、ホテル、遊技場などの特定用途を含む、地上階が3階以上の複合用途防火対象物で、収容人員が30人以上のもの
右  ―複合ロ―
共同住宅、倉庫、事務所などの特定用途以外の用途で構成される、地上階が5階以上の複合用途防火対象物で、収容人員が50人以上のもの

高さ31mを超える建築物

指定地下街、準地下街

特定防火対象物

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飲食店ビル、店舗ビルなど、特定防火対象物で、
地上階が3階以上かつ、収容人員が30人以上のもの

共同防火管理の体系

体系図

共同防火管理協議事項と消防計画

 一般に雑居ビルといわれる建物のことを、複合用途防火対象物といいます。こうしたビルでは、ビルの所有者を代表とし、各テナントの社長等(管理権原者)によって構成された共同防火管理協議会を設置し、ビル全体の防火管理を共同で進めるための協議事項を定め、消防署へ届出しなければなりません。
 また、統括防火管理者は、共同防火管理協議事項に定めるビル全体の消防計画を作成し、各テナントの防火管理者は全体の消防計画に基づいて個々のテナントの役割に応じた消防計画を作成することになります。

【共同防火管理協議事項】

協議会の設置と運用

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代表者の選任

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統括防火管理者の選任と権限の付与

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避難施設などの維持管理

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ビル全体の消防計画作成

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消防隊への情報提供と誘導

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火災発生時の自衛消防活動

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自衛消防隊

 自衛消防隊とは、防火対象物及びその存する敷地等において、火災、地震その他の災害等による人的又は物的な被害を最小限に止めるために、防火対象物において編成された組織です。
 事業所が複数ある防火対象物においては、事業所ごとの自衛消防隊の組織である事業所自衛消防隊と、この事業所自衛消防隊を地区隊とする防火対象物全体にわたる自衛消防隊の組織である防火対象物自衛消防隊を編成します。

事業所自衛消防隊

 事業所自衛消防隊の組織は、事業所自衛消防隊長と班から構成する事業所本部隊により編成されます。大規模な事業所では必要に応じて事業所地区隊を設けます。
 事業所自衛消防隊長には防火管理者等を充て、営業時間や就業時間中に自衛消防の活動能力が低下しないよう事業所自衛消防隊長に代行者を定めるなどの措置を講じます。
 営業時間や就業時間中に従業員が交代する、又は大幅に減少する場合は、事業所自衛消防隊の組織を別に編成します。

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防火対象物自衛消防隊

 事業所が複数ある防火対象物における防火対象物自衛消防隊の組織は、防火対象物自衛消防隊長と班から構成する防火対象物本部隊と各事業所の事業所自衛消防隊から構成する防火対象物地区隊により編成されます。
 防火対象物自衛消防隊長には統括防火管理者等を充て、営業時間や就業時間中に自衛消防の活動能力が低下しないよう防火対象物自衛消防隊長に代行者を定めるなどの措置を講じます。

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