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東京消防庁安全・安心情報事業所向けアドバイス>自衛消防組織の設置

平成21年6月1日施行 自衛消防組織の設置

自衛消防組織とは

自衛消防組織は、火災及び地震等の災害時の初期活動や応急対策を円滑に行い、建築物の利用者の安全を確保するため、消防法第8条の2の5に基づき設置されるものです。

→ 自衛消防組織設置対象物については、こちら

自衛消防組織を置かなければならない者

自衛消防組織を設置しなければならないのは、自衛消防組織の設置を要する防火対象物の管理権原者です。1つの建築物に複数の事業所が入っている場合は、各事業所の管理権原者にも設置の義務があります。この場合は、共同して自衛消防組織を設置します。

図:自衛消防組織を置かなければならない者

自衛消防組織の業務と消防計画における業務の定め

管理権原者は、防災管理者(=防火管理者)が定めた消防計画において自衛消防業務に関する事項を定めなければなりません。そして、その事項の定めに従い、「火災の初期の段階における消火活動」「消防機関への通報」「在館者が避難する際の誘導」「火災や地震、特殊災害等の被害の軽減のために必要な業務」を行うこととされています。

自衛消防組織の編成

自衛消防組織は、組織を統括する統括管理者及び自衛消防業務を行う自衛消防要員で構成します。自衛消防要員は、次に示す自衛消防業務ごとにおおむね2名以上配置します。

図:自衛消防組織の編成

<統括管理者>

自衛消防組織の全体を統括する者で、有資格者を充てます。

図:統括管理者

<告示班長>

統括管理者の直近下位の初期消火班、通報連絡(情報)班、避難誘導班、応急救護班の班長です。

図:告示班長

<建物・自衛消防組織の役割による必要資格>

図:建物・自衛消防組織の役割による必要資格

<自衛消防組織(防火対象物自衛消防隊)の基本的な編成例>

図:自衛消防組織(防火対象物自衛消防隊)の基本的な編成例

自衛消防組織の業務に関する講習(=自衛消防業務講習)

統括管理者の資格取得や告示班長の教育として行われる講習です。講習種別等は、次表のとおりです。東京では、一般社団法人東京防災設備保守協会が、従来行っていた防災センター要員講習の内容を拡大し、財団法人日本消防設備安全センターの自衛消防業務講習と併せて実施しています。修了後には、「防災センター要員講習修了証」と「自衛消防業務講習修了証」が交付されます。

講習種別 受講対象者 東京の講習
自衛消防業務新規講習 新たに自衛消防組織の業務に関する講習を受講する方 ○ 防災センター技術講習
○ 自衛消防業務新規講習
   を併せて実施
自衛消防業務再講習 自衛消防業務新規(再)講習を終了した日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに受講する方 ○ 防災センター実務講習
○ 自衛消防業務再講習
図:講習の流れ

自衛消防組織の設置(変更)届出

管理権原者は、自衛消防組織を設置(又は変更)したときは、遅滞なく自衛消防組織設置(変更)届出書を管轄消防署長に届け出なければなりません。

図:自衛消防組織の設置(変更)届出の流れ

届出は、消防法施行規則に定められる「自衛消防組織設置(変更)届出書」に、必要な書類を添付します。

添付書類
1統括管理者の資格を証する書面
2防火対象物自衛消防隊編成表及び任務表
3事業所自衛消防隊編成表及び任務表(複数管理権原者の場合)
4防火対象物自衛消防隊資格管理表
5事業所自衛消防隊資格管理表(複数管理権原者の場合)
6営業時間外等の防火対象物自衛消防隊編成表
7自衛消防協議会構成員一覧表(複数管理権原者の場合)

自衛消防組織設置(変更)届出書の記載事項で消防計画等に具体的記載がある場合は、その記載箇所を示すことによることができます。なお、自衛消防組織(変更)届出書の記載事項で変更に該当しない事項には、変更ない旨を明記します。

図:自衛消防組織設置(変更)届出書の記載事項

複数の管理権原者が共同して自衛消防組織を設置する場合の届出は、次のいずれかの要領で届出をしてください。

図:複数の管理権原者が共同して自衛消防組織を設置する場合の届出

自衛消防訓練の実施

防災管理者(=防火管理者)には、定期的な自衛消防訓練の実施が義務付けられています。

イラスト
防火管理者 消防計画に基づいた消火・通報・避難訓練の実施
不特定多数の人が出入りする病院や百貨店、飲食店等は、年2回以上の消火・避難訓練の実施
防災管理者 消防計画に基づいた避難訓練の年1回以上の実施

※ 防災管理者の行う避難訓練は、地震及び特殊な災害を想定した訓練となります。

また、防災管理者(=防火管理者)の作成する消防計画の中に、自衛消防組織の要員に対する教育及び訓練に関することを定めることが必要です。

自衛消防組織が設置される建築物は、大規模であるため、高度な自衛消防活動が要求されます。災害時の自衛消防活動において建築物の利用者の安全を確保するためにも、自衛消防組織を中心とした訓練は重要です。

図:訓練の実地要領

自衛消防組織設置の流れ

図:自衛消防組織設置の流れ