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老人施設における救急要請時に備えた事前対応要領及び救急車の適正利用について

○救急出場件数の増加と救急隊の現場到着時間


東京消防庁管内の救急出場件数は、平成17年をピークに一旦減少傾向にありましたが、平成22年から再び増え続けています。
 その要因としては、様々なものが考えられますが、人口の高齢化を背景とした高齢者搬送人員の増加が考えられます。
 また、東京消防庁では、119番通報により救急車の要請を受けると、要請を受けた場所から最も近くの対応可能な救急車を出場させますが、救急出場件数の増加に伴い、救急隊の出場から現場到着までの所要時間は、平成21年中6分18秒であったものが、平成25年中7分54秒1分36秒延びています。
 それは即ち、救命のチャンスを低下させ、「救える命が救えない」ということにもなりかねません。(図2参照)

救命曲線(図2)
救命曲線(図2)
『応急手当講習テキスト』
改訂4版から引用
東京消防庁
出場から現場到着平均時分
平成23年 ⇒ 7分10秒
平成24年 ⇒⇒ 7分35秒
平成25年 ⇒⇒⇒ 7分54秒

○老人施設からの救急搬送人員の増加と救急隊の現場活動時間


人口の高齢化に伴い、老人施設からの救急搬送人員も毎年増加を続けており、平成25年中における搬送人員は、24,432人(図1参照)と、対前年比で1,699人が増加し、増加率は7.5%となっています。全救急搬送人員の増加率1.0%と比較すると、大きく増加していることがわかります。

施設別搬送人員推移(図1)
施設別搬送人員推移(図1)

老人施設では、入所者が入院治療を必要とした場合に備え、あらかじめ協力病院を定めることになっています。しかし、救急隊が老人施設から入所者の方を搬送する際、協力病院との連携がないために搬送先病院がなかなか決まらないケースがあります。
 また、入所者の容体が悪化した場合に施設側がどのように対応するかを事前にご家族と取り決めていない場合、救急要請を行うことについて、施設側は緊急にご家族に確認をとる必要があると思われます。しかし、そのような確認なしに救急要請がなされた場合、ご家族への連絡、確認に時間を要するケースもあります。
 この結果、老人施設における救急隊の平均活動時間は、全体の平均活動時間と比較すると長く、かつ、年々延伸しています。


○救急活動時間延伸の具体的な例と事前対応要領


老人施設における救急隊の活動時間が延伸している具体的な例としては、

 協力病院との連携体制が図られていないこと。
 特に休日及び夜間帯に勤務する職員間において、入所者台帳の配置場所が共有されていないなど、入所者の情報が周知されていないこと。
 入所者の容体が変化し、緊急を要する場合のご家族への連絡体制が確保されていないこと。
 入所者への延命処置の実施の要否について、ご家族と事前に取り決めていないこと。

などのケースが挙げられます。
 このことから東京消防庁では、都内各老人施設に対して、救急要請がなされた場合に救急隊が必要とする情報を円滑に引き継いでいただくとともに、早期に搬送先病院を決定するため、別添えの対応要領について協力をお願いしています。
 既に、東京都八王子市では、救急隊への引継ぎを円滑に行うための「救急医療情報シート」(別紙参照)を作成するとともに、協力病院を含む医療機関との連携体制の構築に取り組んでいます。

 

○救急車の適正利用について


救急車は、緊急の際に生命を救うための都民共有の貴重な医療資源です。本当に救急車を必要とする傷病者に対応できるよう、「救急車の適正利用」について、御理解と御協力をお願い致します。





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