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窒息事故に気をつけて!

イラスト:おじいさん

 食べ物による窒息事故は、一年を通して発生しています。
 特にお餅による窒息事故は、年始に多く発生する傾向があります。
 お正月に餅料理を食べるという食文化のためか、この時期多くの方がお餅をのどに詰まらせ、窒息するという事故が発生しています。
 下の表は、平成18年の年末から平成19年の年始にかけて、お餅に伴う窒息事故の発生件数を表したものです。26人が救急車で搬送されました。

月日 搬送人数
12月26日 3人
12月27日 1人
12月28日 0人
12月29日 2人
12月30日 1人
12月31日 0人
1月 1日 11人
1月 2日 5人
1月 3日 3人

 下のグラフは年代別に傷病者発生率を表したものです。
 噛む力や飲み込む力が弱くなり、詰まりかけたときにむせる反応が弱くなってきた高齢者の方に多く発生しています。

年代別傷病者発生率

グラフ:年代別傷病者発生率
20代8パーセント、50代4パーセント、60代19パーセント、70代46パーセント、80代19パーセント、90代4パーセント


 下の表は、初診時程度を表したものです。

窒息事故の初診時程度

グラフ:窒息事故の初診時程度

死 亡・・・初診時死亡が確認されたもの
重 篤・・・生命の危険が切迫しているもの
重 症・・・生命の危険が強いと認められるもの
中等症・・・生命の危険はないが入院を要するもの
軽 症・・・軽易で入院を要しないもの

 死亡、重篤、重症が12人で、救急車で搬送された方の約半数を占めています。
 これらのことからも、お餅など食べ物をのどにつまらせてしまう窒息事故が、どれだけ危険なものかがわかります。
 また、お餅ばかりでなく、肉、コンニャクなど様々な食べ物による窒息事故が発生しており、注意が必要です。

それでは、お餅などの食べ物による事故をどのように防いだらよいのでしょうか?


窒息事故を防ぐためのポイント

イラスト:もちつき
  • 餅や肉片は、小さく切って食べやすい大きさにしましょう。
  • 食事の際は、お茶や水を飲んで喉を湿らせるなど水分と一緒に食べるようにしましょう。
  • 急いで飲み込むことなく、ゆっくり噛んで食べるようにしましょう。
  • 食事は一人でなく、なるべく家族の方等と一緒に摂るようにしましょう。

もし、のどに詰まらせてしまったら・・・

 チョークサインを出しているとき、声が出せないとき、顔色が急に真っ青になったときなどは、異物(食物など)による気道閉塞が疑われます。
 そのような時は、

1

 まず咳をすることが可能であれば、咳をさせます。

2

 咳もできずに窒息しているときは、
 背部叩打法(はいぶこうだほう)を行いましょう。

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意識の有無・年齢・性別に関係なく実施可能な方法です。

イラスト:チョークサイン
チョークサイン
 窒息を起こし、呼吸ができなくなったことを他の人に知らせる世界共通のサイン

【背部叩打法の実施手順】

イラスト:実施手順イラスト:実施手順
イラスト:実施手順


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