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バイスタンダー応急手当救命実例

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〜助けてくれてありがとう Part2〜


 尊い命を救うためには、「救命の連鎖」(心停止の予防・早い119番通報・早い心肺蘇生と除細動・救急隊、病院での処置」がとても重要です。
 ここでは、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)として応急手当をしてくださった方の活躍の一部をご紹介します。
 バイスタンダーの勇気と情熱ある救護活動に対し、深く感謝申し上げます。

★事例1
公衆浴場で倒れた方を居合わせた人が応急手当を行い救命した事例です。

 公衆浴場の浴槽で女性が突然意識を失いました。居合わせた入浴客と従業員が協力して洗い場に引き上げたところ、呼吸と脈がありませんでした。救急隊は現場に向かいながらPHSを使用し、入浴客と従業員に対して心肺蘇生(人工呼吸と胸骨圧迫)を実施するように伝えました。しばらくすると傷病者の体動があらわれたため、心肺蘇生を中止しました。救急隊が到着したときには傷病者の呼吸と脈は回復していました。

★事例2
駅のホームで倒れた方を駅員が協力して応急手当を行い救命した事例です。

  男性がホームで倒れたとの連絡が改札に入りました。そこで、駅員のうち1名が119番通報を、もう1名がホームへ向かいました。傷病者を観察したところ呼吸と脈がなかったので、駅員2名(うち1名は救命講習修了者)により心肺蘇生を実施しました。その後、救急隊が到着するまで、心肺蘇生が続けられました。救急隊の到着後、除細動(※)が実施され、救急車内で傷病者の呼吸と脈が回復しました。

★事例3
レストランで倒れた方に客が応急手当を行い救命した事例です。

 飲食店内で女性がパンをのどに詰まらせて倒れました。目撃した客(医師)がすぐに背部叩打法(背中を叩く方法)を行ったところ、口の中にパンのかけらが出てきました。女性を観察すると、脈はあるものの呼吸が感じられなかったため、人工呼吸を実施しました。その後、しばらくすると呼吸と意識が回復し、救急隊が到着した時には話せるようになりました。

★事例4
会社で倒れた方に同僚が応急手当を行い救命した事例です。

 会議中に男性が呼吸困難になって倒れました。しばらくして呼吸が停止し脈も感じられなくなったため、すぐに周囲の同僚2名(救命講習修了者)が心肺蘇生を実施しました。
 到着した救急隊が除細動を実施したところ、救急車内で呼吸と脈が回復しました。

★事例5
スケートリンクで倒れた方に友人が応急手当を行い救命した事例です。

 アイスホッケーの練習中に男性が突然倒れました。すぐにスケートリンクの外へ移動し、チームメイト2名(うち1名は医師)が協力して男性を観察すると、呼吸と脈が感じられなかったため心肺蘇生を実施しました。
 到着した救急隊が除細動を実施したところ、その場で呼吸と脈が回復しました。

★事例6
自転車で怪我した方に通行人が応急手当を行った事例です。

 二人乗りをしていた自転車の後ろに乗っていた女性の足が、後輪に挟まれ怪我をしました。通行人が119番通報すると同時に、消防署で受けた救命講習を思い出し、持っていたビニール袋を手袋替わりにタオルを使い、直接圧迫止血を実施しました。
 救急隊が到着した頃には、出血はほぼ止まっていました。

★事例7
プールサイドで倒れた方に東京都職員が応急手当を行い救命した事例です。

 水泳後、プールサイドで「気分が悪い」といって男性が倒れました。近くにいた人が観察したところ、呼吸と脈が感じられませんでした。駆けつけた都職員2名(救命講習修了者)がすぐに心肺蘇生を行いました。到着した救急隊が除細動を実施したところ、救急車内で呼吸と脈が回復しました。

★事例8
飲食店で倒れた方に居合わせた人が応急手当を行い救命した事例です。

 ビル内の飲食店で、男性が倒れました。居合わせた人が観察したところ、呼吸と脈が感じられませんでした。知らせを受け駆けつけたビル警備員(救命講習修了者)と共に3人で心肺蘇生を行いました。救急車より先に到着したポンプ隊が心肺蘇生を引き継ぎ、その後、救急隊が除細動を実施したところ、救急車内で呼吸と脈が回復しました。

★事例9
路上で倒れた方にビル警備員が応急手当を行い救命した事例です。

 出勤途中の男性が、歩道で突然倒れました。近くのビルの警備員2名(救命講習修了者)が駆けつけて観察すると、呼吸と脈が感じられませんでした。すぐに心肺蘇生を行い、救急隊到着まで続けました。到着した救急隊が除細動を実施したところ、その場で呼吸と脈が回復しました。

★事例10
意識不明となった妻に夫が応急手当を行い救命した事例です。

 自宅で寝ていた妻が突然唸り声を上げた後、呼吸と脈がなくなりました。現場に向かう途中の救急隊はPHSを使って夫と連絡をとり、心肺蘇生を実施するように伝えました。夫は胸骨圧迫を救急隊到着まで続けました。到着した救急隊が除細動を実施したところ、その場で呼吸と脈が回復しました。

★事例11
窒息した乳児に対して母親が応急手当を行い救命した事例です。

 自宅の台所で、乳児が誤ってミニトマトをのどに詰まらせました。子供の顔色が紫色なのに気がついた母親がすぐに背部叩打法を行い、119番通報しました。救急隊が救急車内からPHSを使って傷病者宅に電話したところ、母親が出て「ミニトマトはとれた。」との回答がありました。救急隊が到着する前に、乳児の呼吸は回復していました。

★事例12
意識不明となった父親に息子が応急手当を行い救命した事例です。

 父親が夜中に胸の苦しさを訴えた後、意識を失いました。まもなく呼吸と脈がなくなり、様子を見に駆けつけた息子が、救急隊到着までTVで見たことがある胸骨圧迫を続けました。到着した救急隊が除細動を実施したところ、その場で呼吸と脈が回復しました。

※ 除細動とは・・・

 心臓がケイレンしたように細かくふるえて血液が拍出できない致死的不整脈(心室細動)を電気ショックにかけることにより、そのふるえを取り除く処置。


以前ご紹介した事例についてはこちらをご覧下さい。

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