お酒を飲みながら、同僚や友人と語り合うのは楽しいですよね。しかし、お酒の飲み方によっては、楽しいはずの時間が一転することも少なくありません。特に年末は、急性アルコール中毒が原因で救急搬送される人が激増します。「私は大丈夫!」と自信を持っていても、体調や環境により急性アルコール中毒の症状に陥ることもあります。
ここでは、令和元年中の東京消防庁管内での、急性アルコール中毒にまつわる救急活動の傾向とともに、安全で楽しいお酒を飲むための注意点や、万が一の事態に遭遇した時の応急処置方法などをご紹介します。
下のグラフは、東京消防庁管内で発生した、過去5年間の急性アルコール中毒による救急搬送人員の推移を表したものです。令和元年は18,212人であり、毎年1万人以上が救急車で病院に運ばれています。
平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 9,973人 | 10,337人 | 10,686人 | 11,107人 | 11,351人 |
女性 | 5,501人 | 5,801人 | 6,225人 | 6,648人 | 6,861人 |
合計 | 15,474人 | 16,138人 | 16,911人 | 17,755人 | 18,212人 |
また、月別の推移を見てみると、12月の搬送人員が2,055人と多いことがわかります。グループで盛り上がって飲酒する機会が多いことが、一つの要因であると考えられます。(表1)。
急性アルコール中毒で搬送された人を年代別に見てみると、男女ともに20歳代の人数が抜きんでて多いことが分かります(表2)。理由として、経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうことなどが考えられます。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。
アルコールは、摂取量によっては死亡することもあります。たかがお酒、されどお酒です。昨年は、55人の方が重症(生命の危険が強いと認められるもの)以上でした(表3)。
重症以上 | 中等症 | 軽症 | |
---|---|---|---|
搬送人員 | 55 | 5,733 | 12,424 |
アルコール中毒にならないためには、どのようなことを注意すればよいでしょうか。
過度の飲酒による事故を予防することが第一ですが、
もし身近で事故が起こってしまった場合には・・・
倒れている人をみたら(応急手当の手順) |