<お知らせ>
公園・広場等の遊具に起因する子どもの事故の発生状況

遊具別事故要因別救急搬送人員の詳細

(1) 中等症以上の割合の高い遊具
 遊具別に中等症以上の割合の高い事故をみると、ジャングルジム、複合遊具、鉄棒が他に比べて高い割合を示しています(表1)。事故件数は滑り台やぶらんこに比べて多くはないものの、初診時に中等症以上と診断される割合が高いことから注意が必要な遊具といえます。
 鉄棒で中等症以上となった28人のうち、78.6%が転落によるもので、このうち、50.0%が上肢の骨折となっています(表3)。
 雲梯で中等症以上となった49人のうち、87.8%が転落によるもので、このうち、51.2%が上肢の骨折となっています(表4)。
 複合遊具で中等症以上となった23人のうち、91.3%が転落によるもので、このうち、47.6%が上肢の骨折となっています(表5)。

表3 鉄棒における中等症以上の救急搬送人員と受傷部位、傷病名区分






表4 雲梯における中等症以上の救急搬送人員と受傷部位、傷病名区分






表5 複合遊具における中等症以上の救急搬送人員と受傷部位、傷病名区分






(2) 事故件数の多い遊具
 事故件数の最も多い滑り台での転落事故は、転落地点の明らかな158人でみると、滑り台の登行部(階段部)からの転落が73件(46.2%)と最も多く発生しています。登行部を登っている途中で足を滑らせて、転落する事故が多く発生しています。次いで、出発部(踊り場)付近や滑降部から転落する事故が続いています。数は少ないですが、滑り台の出発部の落下防止柵の外側にぶら下がり、手を滑らせて転落する事例もあります(図5)。また、滑り台においては地上部分から出発部へ向かって、滑走部を逆走して事故に至る事例があります。
 ぶらんこでの衝突について、受傷した状況が明らかな106人でみると、72件(67.9%)が他人がこいでいたり、揺れているぶらんこに近づいた・ぶらんこの前後を横切ったりしたことでぶらんこの着座部等が身体に衝突する事故となっています(図6)。また、特異な例として、親が子どもを抱いたままぶらんこをこぎながら、バランスを崩して転倒する例もあります。このことから、ぶらんこをこいでいる人のそばに行かないことや危険な乗り方をしないように注意する必要があります。


図5 滑り台からの転落地点(平成19年から平成22年までのデータ、平成22年は速報値)


図6 ぶらんこでの衝突の詳細(平成19年から平成22年までのデータ、平成22年は速報値)
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