東京消防庁インフォメーション

火災予防条例及び同施行規則の一部改正の概要


1 趣旨

 昨年2月、韓国大邱市において地下鉄火災が発生し、死者192名、負傷者148名にのぼる史上稀にみる大惨事となった。
東京には、全国の地下駅舎の半数が集中し、大型売店等の増加、駅勤務員の減少、大都市特有の傾向である深層化・重層化が進んでいる。地下空間という特殊性から「火災性状・煙流動性状の特異性」、「避難困難性」、「消防活動困難性」等さまざまな問題点があります。
 利用者の安全を確保するためには、平素からの防火管理の徹底、有事の際の自衛消防活動体制の確保、併せて、スプリンクラー設備の設置など自動消火による火災の初期拡大抑制、駅舎の構造に合わせた安全な避難路の確保、さらには消防隊の無線通信補助設備の設置が最も重要です。
 これらの観点から、今般、火災予防条例が改正され安全基準の強化が図られたものです。

2 改正条例の骨子

(1) 消防用設備等の強化

スプリンクラー設備(条例第39条関係)
全ての地下駅舎の地階部分に、スプリンクラー設備を設置するよう規定
(第1項第4号の4)
駅事務室、倉庫、コンビニエンスストアー、飲食店等にスプリンクラーヘッドを設置することにより、火災発生時における初期消火対策や延焼拡大の抑制等の充実強化を図る。

無線通信補助設備(条例第46条関係)
全ての地下駅舎の地階部分に、無線通信補助設備を設置するよう規定
深層化した地下駅舎の無線交信困難部分の解消を図る。
自衛消防活動に必要な装備を備えるよう規定(第2項)
深層化した地下駅舎の無線交信困難部分の解消を図る。

(2) 防火管理体制の強化

地下駅舎に係る管理規定創設(条例第50条の3関係)
防災管理室等を自衛消防活動の拠点として活用できるようその構造、機能等、その他必要な管理を行うよう規定(第1項)
消防用設備等や遠隔監視カメラなどの機器が集中管理されている駅事務室等を防災管理室と位置づけ、日常の火災予防はもとより、火災等有事の際に自衛消防活動の中枢的な活動拠点となるように、管理の強化を図る。
自衛消防活動に必要な装備を備えるよう規定(第2項)
自衛消防活動に必要な資機材(ヘルメット、警笛、携帯用照明器具等)の整備充実を図ることにより、効果的な自衛消防活動の充実強化を図る。
自衛消防技術認定証を有する者のうちから、自衛消防組織の長又はこれに準ずるものを定めるよう規定(第3項)
実効性のある自衛消防活動を展開するため、知識・技術を有した指揮者を置くことにより、火災発生時における自衛消防活動能力の充実強化を図る。
消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施するよう規定(第4項)
定期的かつ実践的な訓練により、自衛消防組織一人ひとりの活動能力の向上を図る。
訓練実施の際は、あらかじめ消防機関に通報するよう規定(第5項)
避難方向が認識できるよう、避難口、廊下、階段、避難通路などの床面や床面から1m以下の壁面等に、避難口である旨及び避難の方向を示す明示物を設置するよう規定(第6項)
火災進展後における煙の滞留等による誘導灯視認困難、駅員の減少に伴う避難誘導の遅れ等を補うため、避難対策の充実を図る。
避難施設又はエスカレーター近傍の防煙壁及び二段降下シャッターは、容易な避難の確保及び煙の拡散防止を図るため、作動又は降下する機能を有効に保持するとともにその付近に作動又は降下に支障となる施設を設けないよう規定(第7項)
プラットホーム、コンコース等に設置されている防煙壁や二段降下シャッターについて、多数乗降客の避難経路確保や火災初期における煙拡散防止等に有効となるよう、その機能の保持等の管理を行わせ避難対策の充実を図る。

3 公布日及び施行日

(1) 公布日 平成16年10月14日
(2) 施行日 平成17年4月1日
(3) 経過措置 平成22年3月31日(5年間)

ア スプリンクラー設備及び無線通信補助設備
(条例第39条第1項第4号の4、第46条の3第1項第2号)

イ 自衛消防の組織の活動に必要な装備及び自衛消防技術認定証
(条例第50条の3第2項・第3項)

ウ 避難の方向等の明示
(条例第50条の3第6項)

火災予防条例施行規則(新旧対照表)(PDF/14KB)

火災予防条例(新旧対照表)(PDF/22KB)



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