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4 測定手法及び延焼シミュレーションの概要

地域の延焼危険度等測定手法の概要

1 前提条件

2 出火点の設定

各250mメッシュをさらに9分割し、各分割の中心に最も近い木造建物または防火造建物に出火点を設定しました。各分割の中心付近に木造建物と防火造建物のいずれも無い場合には、準耐火造建物または耐火造建物に出火点を設定しました(図1)。

図-1 出火点の設定例

図-1 出火点の設定例

3 延焼シミュレーションの実施

前2で設定した各出火点について延焼シミュレーションを実施し、出火から6時間後の延焼面積及び焼失面積を記録しました。

4 測定単位ごとの延焼(焼失)面積の算出

5 延焼(焼失)危険度ランクへの区分

前4で算出した延焼(焼失)面積から、表3により10ランクに区分しました。

表3 危険度ランク区分

ランク延焼面積または焼失面積
9150,000平方メートル以上
8100,000平方メートル 〜 150,000平方メートル未満
7 60,000平方メートル 〜 100,000平方メートル未満
6 30,000平方メートル 〜 60,000平方メートル未満
5 15,000平方メートル 〜 30,000平方メートル未満
4 5,000平方メートル 〜 15,000平方メートル未満
3 1,500平方メートル 〜 5,000平方メートル未満
2 300平方メートル 〜 1,500平方メートル未満
1 1平方メートル 〜 300平方メートル未満
00平方メートル

延焼シミュレーションの概要

【延焼シミュレーションを作成した経緯】

地震動の強さや気象条件に応じた、地震火災の燃え広がりの推移や消火に必要な消防隊数を事前に予測できれば、最終的な延焼被害を軽減するために、より効率的な消防部隊の運用が可能と考えられます。

東京消防庁では、市街地の状況をコンピュータ上に再現して地震火災の推移や消火に必要な消防隊数を予測する延焼シミュレーションシステムを開発し、平成4年から全庁的に運用しています。現在の延焼シミュレーションシステムは平成13年3月火災予防審議会答申「地震火災に関する地域の防災性能評価手法の開発と活用方策」に基づく「東消式2001」を採用し、耐火造建物を媒介して延焼拡大する危険性についても評価することができます。

【使用しているデータ】

基礎調査として実施した市街地状況調査の結果を使用しています。 建物の形状、階数、構造、空地の形状、道路の形状の情報を組み込んだ市街地データを作成しました(図2)。

図-2 市街地データ

図-2 市街地データ

【シミュレーションの手法】

出火建物から隣接建物への延焼については、建物の構造、階数、隣棟間隔、風向・風速のデータから着火時間を算定し、最短時間で着火する経路を辿って延焼するモデルを採用して います(図3)。

建物内の延焼速度や隣棟への着火時間については、通常火災の延焼状況や兵庫県南部地震の市街地火災の分析結果から構築した「東消式2001」を用いて計算しています。

図-3 シミュレーションのイメージ

図-3 シミュレーションのイメージ

【シミュレーションの計算モデル】

シミュレーションは次の計算モデルで構成されます。モデルの構成図は、図4のとおりです。

  • (1) 建物延焼モデル

    建物の延焼動態をモデル化したもので、「建物1棟ごとの延焼モデル」と「大規模建物の延焼モデル」で構成されます(図5、図6)。大規模建物は一定の大きさで分割してブロックごとで延焼させています。

  • (2) 延焼阻止要因評価モデル

    大規模空地や広幅員道路等による焼け止まりをモデル化したものです(図7)。

図-4 モデル構成図

図-4 モデル構成図

図-5 建物1棟ごとの延焼モデル
図-5 建物1棟ごとの延焼モデル
図-6 大規模建物の延焼モデル
図-6 大規模建物の延焼モデル
図-7 延焼阻止要因評価モデル
図-7 延焼阻止要因評価モデル
3 建築物の焼失危険度 5 震災時の消火活動困難度

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