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東京消防庁 広報テーマ(10月号) テーマ1 火災から尊い生命を守ろう
  平成30年秋の火災予防運動
  平成30年上半期の火災状況
  平成29年中の住宅火災の概要
  住宅火災の主な出火原因と防ぐポイント
  住宅用防災機器の普及促進
  家具類の転倒・落下・移動防止対策
テーマ2 119番の通報は落ち着いて
  平成29年中の119番受付件数
  東京消防庁の119番通報システム
  正しい通報要領
  携帯電話、PHSからの通報
  119番自動通報
  緊急ネット通報、119番ファクシミリ通報

火災から尊い生命を守ろう

画像:火災から尊い生命を守ろう

平成30年秋の火災予防運動

画像:平成30年度東京消防庁防火標語「火の用心 一人一人の 心掛け」作者:向井洋平さん(葛飾区在住)

火災予防運動の目的

都民の皆様に防火防災に関する意識や防災行動力を高めていただくことにより、火災の発生を防ぎ、万一発生した場合にも被害を最小限にとどめ、火災から尊い命と貴重な財産を守ることを目的としています。

実施期間

119日(金)から1115日(木)まで

平成30年上半期の火災状況(東京消防庁管内)

◆火災件数

平成30年上半期に発生した火災は2,109件で、前年同期と比べて234件減少しました。
 火災種別ごとの件数では、「建物火災」は1,434件(前年同期比93件減少)、「その他の火災」は544件(同148件減少)、「車両火災」は127件(同7件増加)、「林野火災」は2件(同1件減少)、「船舶火災」は1件(同1件増加)、「航空機火災」は0件(増減なし)、「治外法権火災」は1件(増減なし)となっています。
 焼損床面積は10,482m2で前年同期と比べて2,542m2減少しています。

◆火災による死傷者

火災による死者は53人で、前年同期と比べて4人増加しています。このうち自殺等による死者を除いた死者は45人で、前年同期と比べて4人増加しています。
 また、火災による負傷者は410人で、前年同期と比べて5人減少しており、最近5年間では最も少なくなっています。

◆主な出火原因

出火原因の上位5位をみてみると、第1位は「放火(疑い含む)」で388件、第2位は「たばこ」で375件、第3位は「ガステーブル等」で159件、第4位は「大型ガスこんろ」で53件、第5位は「電気ストーブ」で48件となっています。最近5年間の上位第3位までに変動はありません。

◆住宅火災の発生状況

平成30年上半期に発生した住宅火災は801件で、前年同時期と比べ89件減少しています。また、住宅火災による死者(自損を除く)は44人(前年同時期比7増加)で、このうち高齢者が36人(同8人増加)と8割以上を占めています。

◆前年同時期の住宅火災による死者数

平成30年上半期と平成29年上半期の死者数を月別に比較すると、平成30年の1月から2月にかけて前年より10人増加している。(図1)平成30年上半期の死者が発生した火災を出火原因別にみると、たばことストーブが原因で亡くなっている方が最も多く、死者に占める高齢者の割合が8割となっています。


画像:図1 前年同時期の住宅火災による月別死者数(自損を除く)

図1 前年同時期の住宅火災による月別死者数(自損を除く)


※平成30年上半期の火災状況の数値は速報値です

平成29年中の住宅火災の概要(東京消防庁管内)

◆住宅火災の発生状況

平成29年中に発生した住宅火災は1,597件で、前年に比べ100件増加しています。(図1)

画像:図1 最近10年間の住宅火災件数等の推移

図1 最近10年間の住宅火災件数等の推移

◆住宅火災による死者発生状況

平成29年の住宅火災による死者は59人(以下、住宅火災による死者・負傷者はすべて自損を除く)で前年に比べ2人減少しています。火災の死者に占める割合は、約9割と高い割合を占めています。(図2)

画像:図2 最近10年間の住宅火災による死者数等

図2 最近10年間の住宅火災による死者数等

 このうち、高齢者の死者は42人となっており、前年に比べ2人減少していますが、全体の約71.2%を占めています。住宅火災による死者に占める高齢者の割合は近年、7割前後と高い割合で推移しています。(図3)

画像:図3 最近5年間の住宅火災による死者数と高齢者の割合

図3 最近5年間の住宅火災による死者数と高齢者の割合

高齢者と高齢者以外の住宅火災による死者発生率をそれぞれ比較すると、65歳未満の死者は10万人あたり0.16人発生しているのに対し、65歳以上75歳未満の死者は10万人あたり0.85人と約5倍に、さらに75歳以上の死者は10万人あたり1.96人と約12倍となります。(図4)
 高齢者は火災による被害を受けるリスクが高いことから、より積極的な高齢者への被害低減対策を行う必要があります。

画像:図4 住宅火災による人口10万人あたりの住宅火災による死者発生数の内訳

図4 住宅火災による人口10万人あたりの住宅火災による死者発生数の内訳

また、住宅火災による死者の家族構成を、一人暮らし、高齢者を含む家族、高齢者夫婦のみ、高齢者一人暮らしに分類すると、高齢者のみの世帯の割合が全体の約半数を占めていることがわかります。高齢者のみの世帯において、火災が発生した際、身体状況等により火災の発見や避難が遅れてしまい、高齢者以外と比較して生命の危険が増すことが死者発生割合の高さに表れていると考えられます。(図5)

画像:図5 過去5年間の住宅火災における死者の世帯状況別

図5 過去5年間の住宅火災における死者の世帯状況別

住宅火災の主な出火原因と防ぐポイント

たばこ

死者が発生した住宅火災で一番多い出火原因は「たばこ」です。(図6)
「火源の落下」、「寝たばこ」、「火種の残ったたばこを吸い殻でいっぱいの灰皿等へ捨てることや、ごみ箱やごみ袋へ捨てる等の不始末」がほとんどを占めており、適切な方法で喫煙し、始末をしていれば、火災の発生を未然に防止できたと思われるものが大半であることから、正しい吸い殻の処理や喫煙者の防火意識の高揚が重要になります。
 また、たばこ火災の着火物では、布団類がもっとも多く、高齢者に比較的多くみられ、出火時に就寝中や泥酔状態で死亡するケースが目立ちます。
 喫煙習慣のある方のためには、「寝たばこを絶対にしない」ということを徹底することはもちろんですが、防炎品のシーツや掛け布団カバーの使用をお勧めします。

画像:図6 平成29年中の住宅火災における出火原因別死者数
図6 平成29年中の住宅火災における出火原因別死者数

★ポイント★

  • 寝たばこは絶対にやめましょう
  • 飲酒→喫煙→うたた寝に注意しましょう
  • 吸殻を灰皿にためないようにしましょう
  • 吸殻は水で完全に消してから捨てましょう
  • 火種を落とさないよう安全な場所で喫煙しましょう

画像:寝たばこは絶対にやめましょう

ストーブ

平成29年中にストーブを原因として発生した住宅火災は112件で、8人の方が亡くなっています。また、亡くなった方の8人のうち全ての方が、電気ストーブで亡くなっています。(図7)
 死者が発生した要因を見ると、多くがストーブに可燃物が接触することによるものです。(図8)
 就寝時に何らかの弾みで寝具が使用中のストーブに触れたり、ストーブで洗濯物の乾燥や調理をする等、暖房以外の目的で使用したことが原因で火災になる場合もあります。ストーブの周りには、衣類や寝具類、紙等の可燃物を置かないようにしましょう。ストーブを使用中に、近くに置いてあったエアゾール缶(スプレー缶)が高温になり破裂して、漏れたLPガスに着火するといった火災も発生しています。

画像:図7 平成29年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の内訳

図7 平成29年中の住宅火災における
死者が発生したストーブ火災の内訳

画像:図8 平成29年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の要因

図8 平成29年中の住宅火災における
死者が発生したストーブ火災の要因

★ポイント★

  • 就寝時や外出時は必ずストーブを消しましょう
  • ストーブのまわりに可燃物を置かないようにしましょう
  • ストーブの近くで洗濯物を乾かさないようにしましょう
  • 給油は必ず消してから行いましょう
  • ストーブを布団やカーテンの近くに置かないようにしましょう

画像:周囲に燃えやすいものを置かない

こんろ

住宅火災の出火原因と負傷者の発生原因で一番多いのは「こんろ」です。(図9、図10)
「こんろ」による火災の一例として、揚げ物の調理の際に、火をつけたままその場を離れてしまうことで油が過熱され発火し、火災となること等が挙げられます。
 また、最近ではIHクッキングヒーターを利用する人も増えてきましたが、IH専用鍋などを使用しなかったために過熱し火災になるケースや、少量の油しか入れずに揚げ物をしようとしたため急激に加熱されて火災になるケース等、不適切な使用により火災になることがあります。
 「こんろ」による死者や負傷者は、こんろの周囲にある可燃物に着火し出火する火災、調理中に着衣に着火した火災、エアゾール缶のガスに引火する火災等で発生しています。こんろの周囲は整理整頓し、可燃物は置かないようにしましょう。また、着衣着火の予防には、調理中に身につけるエプロンやアームカバーを防炎品にする等の対策が効果的です。

画像:図9 平成29年中の住宅火災における出火原因別件数

図9 平成29年中の住宅火災における
出火原因別件数

画像:図10 平成29年中の住宅火災における出火原因別負傷者数

図10 平成29年中の住宅火災における
出火原因別負傷者数

★ポイント★

  • 調理中にこんろから離れないようにしましょう
  • 周囲に燃えやすいものを置かないようにしましょう
  • 防炎製品のエプロンやアームカバーを使用しましょう
  • 火が鍋底からはみ出さないように調節しましょう
  • 安全機能(Siセンサー)付きこんろを使用しましょう

画像:周囲に燃えやすいものを置かない

電気コード等

電気火災のうち漏電・電線の短絡(ショート)・スパーク・半断線・トラッキング※等を原因とした発熱によって起こる火災(以下「電気コード火災等」という。)は、火の気のない場所から出火するため注意が必要です。電気コード火災等は、昨年は266件発生し、死者が3人発生しています。(図12)
 これらの火災の出火原因は「コード」、「差し込みプラグ」が多くなっています。(図13)
 火災に至った理由をみると、「金属の接触部が過熱する」、「電線が短絡(ショート)する」、「トラッキング」の順に多く発生しています。(図14)
 コード等は物に踏まれたり折れ曲がった状態で使用されていたためにコードの被覆が損傷したり、長年使用したことによる経年劣化により、短絡(ショート)や半断線が発生して火災に至るケースがあります。差し込みプラグは、差し刃間のトラッキング現象による火災が多く発生しています。

トラッキングとは、コンセントに差し込んだプラグの差し刃間に付着した綿ほこり等が湿気を帯びて微小なスパークを繰り返し、やがて差し刃間に電気回路が形成され出火することを言います。

画像:図12 過去5年間の住宅火災における「電気コード火災等」の件数・死者数

図12 過去5年間の住宅火災における「電気コード火災等」の件数・死者数

画像:図13 過去5年間の主な「電気コード火災等」による死者数

図13 過去5年間の主な「電気コード火災等」による死者数

画像:図14 過去5年間の「電気コード火災等」における主な経過

図14 過去5年間の「電気コード火災等」における主な経過

★ポイント★

  • ほこりがたまらないように、特に隠れているところに注意し定期的に掃除しましょう
  • 差し込みプラグを抜くときは、コードではなくプラグ本体を持って抜きましょう
  • コードの折れ曲がり、家具等の下敷きに注意する。束ねての使用はしないようにしましょう
  • テーブルタップは、決められた容量内で使用しましょう
  • 外出時や就寝時などは、使わないプラグはコンセントから抜いておきましょう

住宅用防災機器の普及促進

住宅用火災警報器

◆住宅用火災警報器の設置効果

住宅用火災警報器は、火災や煙などを感知して、音声や警報音で知らせてくれるので、火災の早期発見に大変有効です。
 平成29年中の住宅火災による死傷者614人の死傷程度を、住警器等(住宅用火災警報器と自動火災報知設備を言います。以下同じ。)の設置有無別に比較すると、設置なしの方が重症以上の割合は高くなっています(図15)。

住警器等設置あり
画像:図15 平成29年中 住宅火災による死傷者の死傷程度1

住警器等設置なし
画像:図15 平成29年中 住宅火災による死傷者の死傷程度2

図15 平成29年中 住宅火災による死傷者の死傷程度

また、平成29年中における住宅用火災警報器の奏効事例は216件で、このうち火災に至らなかった事例が118件(54.6%)あり、住宅用火災警報器による早期発見の効果が見られます。火災になってしまった事例の中でも、ぼやが67件と約3割を占めており、被害が大きくなる前に消し止められています。(図16)
 住宅用火災警報器の奏効事例を発生箇所別で見ると、台所が138件(63.9%)と約6割を占め、次いで居室となっています。

画像:図16 平成29年中 住宅用火災警報器の奏効事例1

画像:図16 平成29年中 住宅用火災警報器の奏効事例2

図16 平成29年中 住宅用火災警報器の奏効事例

◆住宅用火災警報器の設置と維持管理について

○ 条例に適合した設置

住宅用火災警報器は、全ての居室、台所、階段に設置しましょう。
東京都では火災予防条例により、平成16年10月1日から新築の住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられ、既存の住宅には、平成22年4月1日から義務付けられています。

○ 適正な維持管理・点検・お手入れについて

住宅用火災警報器は適切に作動するか定期的に作動確認しましょう。
 作動確認は、本体のテストボタンを押すかひも付きのものは、ひもを引くことで行うことができます。音が鳴らない場合は、電池切れか機器の故障が考えられます。詳しくは取扱説明書をご確認ください。
 住宅用火災警報器にホコリ等の汚れがつくと、火災を感知しなくなる危険性があります。
 汚れが目立ったら乾いた布でふき取りましょう。台所に設置してある住宅用火災警報器で油汚れがひどいものは、せっけん水に浸した布を十分絞ってからふき取りましょう。

○ 交換時期について

住宅用火災警報器は、故障警報や電池切れ警報により異常を知らせてくれる機能が付いているので、警報が鳴った場合は取扱説明書を確認し、故障の場合は本体を交換、電池切れの場合は新しい電池に交換するか、設置から年数が経過したものは、機器の機能低下も考えられることから本体の交換も検討しましょう。
 また、住宅用火災警報器の耐用年数を過ぎているものは、電子部品の寿命等による故障や電池切れにより、火災を感知できなくなる可能性が高まるため、ご自宅の住宅用火災警報器の設置時期を、設置するときに記入した設置年月か、本体に記載されている製造年を確認しましょう。

★ポイント★

  • 全ての居室、台所、階段に設置しましょう。
  • 定期的に作動状態の確認、機器本体の清掃をしましょう。
  • 電池切れの時は、新しい電池に交換するか、本体を交換しましょう。
  • 設置から10年を経過したものは交換を検討しましょう。
    (設置時期は、本体に記入した設置年月か、本体に記載してある製造年で確認できます。)

画像:住宅用火災警報器の設置と維持管理

防炎品

焼損面積が少ない火災で怪我をされた方の中には、「調理中に衣服の裾に火が触れて着火した」「仏壇のろうそくに衣服の袖が触れて着火した」事例などが多くあります。
 「着衣」に着火した場合は重症化することが多いですが、エプロンやアームカバーを燃えにくい「防炎品」にすることにより、着衣着火による被害は軽減されます。
 寝たばこは絶対にしてはいけないのですが、万が一に備え、シーツやまくらカバー、掛け布団カバーなどを防炎品にすることによって、火災の被害を軽減することができます。
 家庭の身近にある防炎品の品目は、カーテン、寝具類、エプロン、アームカバー、テント・シート・幕類、非常持出袋、防災頭巾、衣服、布張家具、自動車・オートバイ等のボディーカバー、障子紙、祭壇・祭壇用白布・祭壇マット、防護用ネットなどがあります。購入は、インターネットや池袋・本所・立川の各防災館でも一部商品を取扱いしています。基準を満たした商品には、(公財)日本防炎協会の認定マークが貼付されています。

画像:エプロン
エプロン

画像:アームカバー
アームカバー

画像:(公財)日本防炎協会 認定マーク(例)
(公財)日本防炎協会 認定マーク(例)

消火器

火災による被害の抑制に非常に効果的です。もしもの火災に備えて、火を使う場所には消火器を備えましょう。
 また、一般住宅向けの小型で軽量な住宅用消火器や、片手でも使用できるエアゾール式消火具もあります。
 いざという時のために、地域の防火防災訓練などに参加し、適切な消火器の使い方を覚えましょう。

画像:消火器・住宅用消火器・エアゾール式消火具(例)

消火器・住宅用消火器・エアゾール式消火具(例)

★注意★

  • 消火器は使用期限を守り、劣化に注意しましょう
  • 悪質な訪問販売、点検に注意しましょう
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