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東京消防庁  広報テーマ (11月号) テーマ1 エアゾール缶等による火災・事故をなくそう
  エアゾール缶等に関わる火災及び事故の発生状況
  近年発生したエアゾール缶等に起因する火災・事故事例
  カセットボンベ・エアゾール缶の火災・事故を防ぐために
テーマ2 階段・廊下に物を置かないようにしましょう!
テーマ3 電気ストーブ火災を防ごう
  電気ストーブ火災の実態
  平成29年に発生した電気ストーブの火災事例
  電気ストーブ火災の特徴
  電気ストーブ火災を防ぐポイント

エアゾール缶等による火災・事故をなくそう

エアゾール缶等による火災・事故をなくそう

エアゾール缶等に関わる火災及び事故の発生状況

(1)火災の発生状況

エアゾール缶及び簡易型ガスこんろ燃料ボンベ(以下「エアゾール缶等」という。)による火災は過去10年間で1,516件発生しています。平成21年に207件の最多件数を記録しましたが、平成22年から年々減少し、平成24年からは、ほぼ横ばいで推移しています(図1)。

最多は平成21年の207件 最少は平成28年の112件
図1 エアゾール缶等による火災発生件数の推移(過去10年間)

平成28年中のエアゾール缶等により、火災に至った主な原因で最も多いのは「穴開け」で36件発生し、過去10年間で256件となっています(表1)。

「穴開け」とは、エアゾール缶等を廃棄する目的で、缶に穴を開けることをいい、近くで使用していたガスこんろの炎等が、噴出した残存ガスに引火し出火します。

表1 エアゾール缶等による過去10年間の火災発生状況

火災発生要因 平成
19年
平成
20年
平成
21年
平成
22年
平成
23年
平成
24年
平成
25年
平成
26年
平成
27年
平成
28年
合計
清掃車 119 134 127 104 77 52 51 45 41 32 782
穴あけ 17 26 21 23 23 26 30 29 25 36 256
その他(廃棄) 2 6 13 15 11 6 8 3 8 3 75
厨房器具近接 9 8 16 6 3 7 8 10 2 3 72
暖房器具近接 7 9 5 6 7 6 7 5 5 3 60
装着不良 1 5 3 3 9 4 7 8 5 4 49
その他
(取扱不適含む)
25 18 22 19 25 17 18 21 26 31 222
合計 180 206 207 176 155 118 129 121 112 112 1,516

次に、平成28年の「穴開け」36件に着目し、火災を発生させた行為者を、男女別の年代をみると、30歳代では男性、40歳代では女性が多くなっています(図2)。

特に、40歳代女性の7件は、全てが台所のシンクで穴開けをしており、そのうち6件はガステーブル使用中に穴開けをしています。ガステーブルを使用中に、エアゾール缶等の穴開けをすると、噴出した残存ガスにガステーブルの炎が引火し出火する危険があります。

男性は30代の6件、女性は40代の7件が最多
図2 男女別年代別火災発生状況

また、過去10年間のエアゾール缶等に起因する火災による死傷者は608人で、死者が2人、負傷者が606人発生しています。このうち中等症(生命の危険はないが入院を要するもの)以上のけがを負った人(死亡を除く。)が4割以上を占め、顔や気道などにやけどを負っています(表2、表3)。

表2 エアゾール缶等による火災の死傷者発生状況(過去10年間)

年別 火災件数
(件)
負傷者数(人) 死亡 中等症以上
(死亡を除く。)
(人)
中等症以上の割合
(死亡を除く。)
(%)
合計 軽症 中等症 重症 重篤
平成19年 180 65 38 18 9 - - 27 41.5
平成20年 206 74 46 20 6 2 1 28 37.8
平成21年 207 53 32 15 5 1 - 21 39.6
平成22年 176 64 38 19 6 1 - 26 40.6
平成23年 155 62 38 14 9 1 - 24 38.7
平成24年 118 41 17 16 8 - - 24 58.5
平成25年 129 55 29 17 6 3 - 26 47.3
平成26年 121 60 31 21 7 1 1 29 48.3
平成27年 112 59 35 17 6 1 - 24 40.7
平成28年 112 73 41 27 4 1 - 32 43.8
合計 1,516 606 345 184 66 11 2 261 43.7
軽症 ・・・ 軽易で入院を要しないもの
中等症 ・・・ 生命の危険はないが入院を要するもの
重症 ・・・ 生命の危険が強いと認められたもの
重篤 ・・・ 生命の危険が切迫しているもの

表3 エアゾール缶等による火災の受傷部位別負傷者数(過去10年間合計)

受傷部位 熱(火)傷 気道炎 挫傷(創) 切創 咽喉炎 一酸化炭素中毒 擦過傷(創) 打撲傷 骨折 その他 合計
顔部 191 - 1 1 - - - - - 3 196
気道 79 10 - - 6 - - - - 6 101
手部(手のひら) 65 - 3 4 - - 3 - - 1 76
前腕部(肘から先) 62 - - - - - - - - 1 63
上腕部(肘から上) 32 - - - - - - 1 - - 33
全身 25 - - - - 4 - - - 4 33
上半身 32 - - - - - - - - - 32
頭部 16 - - 1 - - - 1 - 2 20
足部 10 - 2 2 - - - - 1 - 15
下腿部(膝から足首) 9 - 3 - - - - - 1 - 13
その他 20 - 1 - - - - 1 - 2 24
合計 541 10 10 8 6 4 3 3 2 19 606

(2)事故の発生状況

エアゾール缶等による事故※は過去10年間で196件発生しています。平成28年は前年に比べ10件増加し、14件となりました。その他を除く過去10年間の事故原因を見ると、最も多いのは廃棄するためにエアゾール缶等に穴をあけた際に噴出した残存ガスに、ガスコンロ等の炎が引火してやけどを負うなどの事案で、58件発生しています(表4)。

(※「事故」とは、火災に至らず、やけど等のケガを負ったものです。)

表4 過去10年間のエアゾール缶等による主な原因別事故件数

主な原因 平成
18年
平成
19年
平成
20年
平成
21年
平成
22年
平成
23年
平成
24年
平成
25年
平成
26年
平成
27年
平成
28年
合計 割合(%)
清掃車 - - - - - - - - - - - - 0.0%
穴あけ 9 7 7 6 8 2 10 1 3 - 5 58 29.6%
その他(廃棄) 1 - 1 - 1 - - 2 2 1 2 10 5.1%
厨房器具近接 4 5 6 2 1 3 2 3 1 - - 27 13.8%
暖房器具近接 - 2 - 6 - - - - - - - 8 4.1%
装着不良 - - - - - - 2 - - - - 2 1.0%
その他
(取扱不適含む)
1 8 26 17 9 4 6 4 6 3 7 91 46.4%
事故合計
(件)
15 22 40 31 19 9 20 10 12 4 14 196 100.0%

近年発生したエアゾール缶等に起因する火災・事故事例

(1)火災の事例

事例1(火災)

石油ファンヒータの温風吹出口付近に殺虫剤(エアゾール缶)を置いていたため、エアゾール缶が熱せられて内圧が上昇し破裂、石油ファンヒータの炎が漏れたガスに引火し出火したもの。(建物ぼや)

(平成28年2月 50歳代男性 軽症)

事例2(火災)

浴室に害虫が出たので殺虫剤(エアゾール缶)を噴射し、直後に風呂のバランス釜を点火したところ、点火火花が殺虫剤の残存ガスに引火し出火したもの。(建物ぼや)

(平成28年6月 男子幼児 中等症、30歳代女性 軽症)

事例3(火災)

使用済みカセットボンベ3缶に穴を開けた後、簡易型ガスこんろに新しいカセットボンベを装着して点火したところ、穴を開けたカセットボンベから漏れた残存ガスが、室内に滞留していたため、簡易型ガスこんろの炎で引火したもの。(建物部分焼)

(平成28年11月 60歳代男性 中等症)

(2)事故の事例

事例1(事故)

台所でガステーブルを使用中に、千枚通しで消臭スプレー缶に穴をあけていたところ、ガステーブルの炎が漏れたガスが引火したもの

(平成28年3月 60歳代女性 中等症)

事例2(事故)

ガスコンロを使用中、付近で殺虫剤のスプレーを噴射したところ、ガスコンロの炎に引火し、炎が燃え上がり、自分の髪の毛が少し燃え息苦しさを訴えたもの。

(平成28年6月 50歳代男性 軽症)

事例3(事故)

給湯室でヘアスプレーのガス抜きを行ったあと、給湯器のスイッチを入れて手を洗っていたところ、給湯器の炎がガスに引火したもの。

(平成28年8月 30歳代女性 軽症)

カセットボンベ・エアゾール缶の火災・事故を防ぐために

① エアゾール缶には、LPGなどの可燃性ガスが噴射剤として使われている製品が多いので、使用前に必ず製品に記載されている注意書きを確認する。
(エアゾール製品は、本来の用途以外に使用しない。)

② やむを得ず使い切らずに捨てる時には、火気のない通気性の良い屋外で残存ガスがなくなるまで噴射し廃棄する。

③ エアゾール缶等を廃棄する場合は、必ず中身を使い切り、各区市町村が指定するごみの分別を守って捨てる。

④ エアゾール缶等は、厨房器具や暖房器具付近の高温となる場所や、直射日光と湿気を避けて保管し、厨房器具や暖房器具等の付近では使用しない。

⑤ カセットボンベは、カセットこんろ本体に正しく装着されていることを確認してから使用する。

⑥ カセットこんろを複数並べて鉄板をのせたり、カセットボンベカバーを覆うような大きな鍋等の使用や、練炭等の炭おこしは、燃料ボンベが過熱され、破裂する危険があるので絶対に行わない。