このページの本文へ移動
東京消防庁 広報テーマ(10月号) テーマ1 火災から尊い生命を守ろう
  平成29年秋の火災予防運動
  平成29年上半期の火災状況
  平成28年中の住宅火災の概要
  住宅火災の主な出火原因と防ぐポイント
  住宅用防災機器の普及促進
  家具類の転倒・落下・移動防止対策
テーマ2 119番の通報は落ち着いて
  平成28年中の119番受付件数
  東京消防庁の119番通報システム
  正しい通報要領
  携帯電話、PHSからの通報
  119番自動通報
  緊急ネット通報、119番ファクシミリ通報

火災から尊い生命を守ろう

火災から尊い生命を守ろう

6.家具類の転倒・落下・移動防止対策

家具転対策

キュータ はじめに

「家具転対策(かぐてんたいさく)」とは、地震の揺れでケガ等をしないために、家具や家電などを固定したり、落下防止措置を行う「家具類の転倒・落下・移動防止対策」の略称です。
 家具転対策をしていないと、地震の時に家具類が転倒して、ケガや火災、避難障害など様々な危険につながる可能性が高くなります。
 近年、発生した地震でケガをした原因を調べると、約3割~5割の人が、倒れた家具の下敷きになるなどの「家具類の転倒・落下・移動(以下「家具類の転倒等」という。)」によるものでした。

地震の揺れでケガ等をしないために

キュータ 平成28年熊本地震の室内被害実態調査

昨年発生した熊本地震において、東京消防庁では、熊本市内を中心とした一般住宅及び高層マンションに居住する住民に対して、室内被害アンケートを実施しました。主な結果は、次のとおりです。

1.家具類の転倒等によるけが人の発生状況

熊本地震でけがをした原因のうち、家具類の転倒等によるものは、一般住宅では29.2%、高層マンションでは40.0%でした。(図1)
 この値は、近年発生した地震における同割合(約3~5割)と同程度ですが、高層マンションでは、一般住宅より10%以上も高い値となっています。これは、この地震での長周期地震動※1が最高レベルの階級4であったことが影響していると推測されます。
 首都直下地震や南海トラフ巨大地震では、長周期地震動の被害が懸念されています。高層マンションに住んでいる方は、長周期地震動に備えて、一層の家具転対策を実施しましょう。

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

※1 長周期地震動について

【長周期地震動の特徴】

  1. 海の波のように遠くまで伝わります。
  2. 地震動が終息した後も、建物が数分に渡って揺れることがあります。
  3. 東海・東南海・南海地震などのM8クラスの地震が起こると、都内の50階ビルでは片振幅2mに達する揺れが10分以上継続する可能性があります。
  4. 高い建物の高層階が被害を受けやすい特徴があります(建物や地域によって異なる)。

長周期地震動の特徴

2.高層階における室内危険と家具転対策

東日本大震災(平成23年)の発生後、東京都内で行ったアンケート調査では、高層階になるほど家具類が転倒・落下・移動※2している割合が高くなることが分かりました。
(詳しくは、「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」を参照してください。)

(※2「移動」とは、家具類が転倒せずに概ね60ソ動いた場合をいいます。)

熊本地震についても、免震機能を有しないマンションでは、高層階になるほど転倒等の発生する割合が高くなる傾向が見られました(図2)。
 これらはいずれも、長周期地震動が一因と考えられます。
 なお、マンションにより転倒等の発生割合が異なるのは、建物構造や立地場所の地盤等により、揺れの大きさが異なったためと思われます。

図2 家具転対策未実施家具のマンション階層別の転倒等が発生した割合

図2 家具転対策未実施家具のマンション階層別の転倒等が発生した割合

高層階では、従来の転倒・落下防止対策に加えて、移動防止対策も行うことが重要です。例えば、壁面から離して配置しているテーブルやイスなどの家具類も移動する可能性があるため、これらについても移動防止対策を講じる必要があります。
 また、長周期地震動は大きくゆっくり揺れるという特徴があります。吊り下げ式の照明が大きく揺れて落下したり、水槽内の水が大きく揺れることで転倒しやすくなるなどの危険性がありますので、これらについても対策を講じる必要があります。

3.家具転対策の効果

熊本地震における、家具転対策を実施した家具類と実施していなかった家具類での転倒等が発生した割合を示したのが、図3です。家具転対策をしていた家具類は、同対策をしていなかった家具類に比べ転倒等の発生した割合が、一般住宅では1/2程度、高層マンション(免震機能なし)では1/3程度に減少しています。
 このことから、地震時に家具転対策が有効だということが改めて分かります。

図3 家具類の転倒等が発生した割合

図3 家具類の転倒等が発生した割合

キュータ どうやって家具転対策をしたらいいの?

一言で家具転対策といっても、その方法は様々です。
 L型金具などを使用し、家具と壁をネジ留めする方法が、最も効果の高い方法ですが、壁に穴を空けられないご家庭などには、ネジ留めが不要な対策器具を組み合わせて固定する方法もあります。例えば、本棚などの場合は、ポール式とストッパー式(もしくはマット式)を組み合わせて設置することでL型金具と同等の効果が得られます。

家具転対策

このほかにも、大きなホームセンターなどには、穴を空けたりすることなく設置し、固定できる器具も多く販売されています。対策を行う家具の形状や重さに合った器具を選び、器具の効果が十分に発揮できるよう、正しく設置することが重要です。

キュータ 家具転対策についてもっと知りたい

詳しい実施方法を知りたい方は、東京消防庁ホームページ「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をご覧いただくか、最寄の消防署にお問い合せください。

東京消防庁ホームページ「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」