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東京消防庁  広報テーマ (6月号) テーマ1 身の回りの危険物品の安全な使用、保管方法を再確認しよう
テーマ2 要配慮者を守ろう
テーマ3 夏祭りや花火大会での火災を防ぎましょう

身の回りの危険物品の安全な使用、保管方法を再確認しよう

身の回りの危険物品の安全な使用、保管方法を再確認しよう

6月第2週は危険物安全週間です!

東京消防庁管内の各消防署でも講習会、消防演習など様々な行事が行われ、一般の方にも参加いただけるイベントを計画している消防署もありますので、各消防署へお問合せの上、ご参加ください。

平成29年度東京消防庁危険物安全週間ポスター

平成29年度東京消防庁危険物安全週間ポスター

都民の皆様へ

私たちの身の回りには、危険物を含む製品がたくさんあります。そして、その危険性を意識せずに使用したことで火災が発生しています。
職場や家庭内で何気なく使っている危険物を含む製品を確認し、使用上の注意事項や正しい使用方法を十分に理解し、危険物に関する事故を防止しましょう。

危険物関係事業所の皆様へ

当庁管内における平成28年中の危険物施設等の事故件数は105件で、平成27年に比べ14件増加しました。
危険物施設等の事故を防止するためには、危険物関係事業所の皆様が法令を遵守することはもちろん、自社の施設の特性に応じた危険要因を把握し、最も適した安全対策を実践することが極めて重要となります。
自社の危険要因と安全対策を踏まえた自主保安対策を充実し、危険物に関する事故を防止しましょう。

1 危険物に関する知識を深めよう

身近にある危険物の危険性や、正しい使用・保管方法について知識を深めましょう。

ガソリン等の燃料を安全に使うために

「危険物」というと、ガソリン、軽油、灯油といった燃料を想像される方が多いと思います。ガソリン等は、自動車はもちろん震災時等に発電機の燃料としても使用されるものです。普段これらの燃料を使用しない方も、災害時に備えてガソリン等の燃料を使用する際の注意点を再確認しましょう。

●ガソリンを取り扱う時の注意点

① 火気のある場所では使用・保管をしない

ガソリンは非常に揮発しやすく、使用する際には可燃性の蒸気が発生し、近くに火気があると簡単に引火します。発電機などの機器に燃料を入れる際は、機器を停止してください。

② 換気の良い場所に保管する

ガソリンの蒸気は空気より重いため、低い位置に溜まります。ガソリンの蒸気が溜まらないよう換気を良くすることが重要です。

③ 冷暗所に保管する

ガソリンを入れた容器を気温の高い場所に置いていると、容器内の圧力が高まり、蓋を開けた際に噴き出すおそれがあります。ガソリンを入れた容器は冷暗所に保管しましょう。

④ 試験基準に適合する携行缶を使用する

落下試験など消防法令で定められた試験に合格したガソリン携行缶には、マーク(表1のいずれか又は両方)が付されているので、基準に適合する携行缶を購入する際のポイントとしてください。

表示の意味 マークデザイン
国内の試験基準に合格したことを示す
国連勧告のUN規格に合格したことを示す

写真1 温められた携行缶からガソリンが噴き出す様子

写真1 温められた携行缶からガソリンが噴き出す様子

写真2 代表的なガソリン携行缶

写真2 代表的なガソリン携行缶

事故事例

事例1【屋外の催し中の事故】

屋外の花火大会で、露店用に使用していた発電機にガソリンを入れようとしたところ、容器から噴き出したガソリンやその蒸気に引火し、火災となり死傷者が発生しました。

●灯油用ポリエチレン容器の注意点

灯油を運搬・保管するために灯油用ポリエチレン缶を使う際は、次の点に注意しましょう。

① 5年くらいを目安に交換する

灯油用ポリエチレン缶は紫外線などの影響を受けやすく、劣化が進みます。製造年月日が表示されていますので、確認してみてください。

灯油用ポリエチレン缶

2002年10月製造

② ガソリンを入れないようにしましょう!

ガソリンは、可燃性蒸気が多く発生するため、灯油用ポリエチレン缶のように気密性 の不十分な容器では漏れる危険性があります。また、灯油用ポリエチレン缶は、ガソリン自体に溜まる静電気を逃しにくく、移し替え等の際に静電気火花が発生するおそれがあり危険です。

灯油用ポリエチレン缶にガソリンは厳禁

③ 保管場所に注意しましょう!

風雨にさらされたり、日光に当たったりすると、性能は低下します。保管する際は、なるべく暗く涼しい場所で、雨風や直射日光が当たらないよう気を付けてください。

●危険物を基準量以上に使用・保管すると届出などが必要になります!

ガソリン、灯油などを基準量以上に使用・保管する場合は、消防署への届出などが必要となります。一定量以上の危険物の使用・保管を計画する際は、最寄りの消防署にご相談ください。

【届出が必要な危険物の例】
種類 届出が必要な量
ガソリン 40リットル以上
灯油、軽油 200リットル以上

身の回りの危険物品

日常生活で使用するものには、危険物の入った製品が多く存在します。特に第四類の危険物は、揮発しやすく、引火しやすい性質を利用し、様々な製品に使用されています。
また、これら流通している製品が危険物に該当するかどうかは、容器への表示で確認できます。危険物の容器に表示される内容は表3のとおりです。いずれも取扱いを誤ると事故発生の危険性が高まりますので、適切な取扱いを心掛けましょう。

写真3 身の回りの危険物の例

表示項目 表示例
危険物の品名 第四類第一石油類
危険等級 危険物等級?
化学名 トルエン
危険物の数量 1L
注意事項 火気厳禁

表3 危険物の容器に表示される内容

※最大容積が500ml以下のものには、簡易的に表示される場合があります。

消毒用エタノールの表示例

消毒用エタノールの表示例

消臭剤エアゾール缶の表示例

消臭剤エアゾール缶の表示例

事故事例

事例2【手指消毒用アルコールスプレーによる事故】

台所でガスコンロの付近に置いていた手指消毒用アルコールスプレーが熱せられ、溶けた容器にコンロの火が燃え移り、火災になりました。

2 危険物施設等における事故状況

平成28年中の危険物施設等の事故

東京消防庁管内の危険物施設等における過去5年間の事故発生件数を見ると、平成25年、平成26年と2年連続で増加した後、平成27年は91件と減少しましたが、平成28年は105件と14件増加しました。
平成28年中の危険物施設等において発生した事故は、火災42件、流出25件及びその他の事故38件となっており、火災及びその他の事故により傷者が17名発生しました。平成27年と比較しますと、事故件数は14件増加したものの、死者はゼロになり、傷者は9名減少しました。(図1参照)

図1 過去5年の危険物施設等に係る事故による死傷者数

図1 過去5年の危険物施設等に係る事故による死傷者数

事故の状況を施設別にみますと、給油取扱所が48件で最も多く半数近くを占め、次いで少量危険物貯蔵取扱所が20件、一般取扱所が18件、指定可燃物貯蔵取扱所が7件、移動タンク貯蔵所が4件、地下タンク貯蔵所が3件、運搬車両が2件、屋外タンク貯蔵所、無許可施設及び屋内貯蔵 所がそれぞれ1件となっています(図2参照)。
105件の事故を要因別にみますと、誤った操作や日常の維持管理が不十分であったなど人的要因による事故が32件、金属配管が腐食するなど設備の劣化等の物的要因による事故が51件、その他の要因による事故が22件となっています。(図3参照)

図2 平成28年中の施設別事故発生状況

図2 平成28年中の施設別事故発生状況

図3 平成28年中の事故要因の状況

図3 平成28年中の事故要因の状況

3 危険物施設等における自主保安対策の重要性を再確認しよう

自主保安対策の推進

自主保安対策を実効性のあるものとするためには、施設の経営者が重要性を正しく認識し、率先して取り組むこと、現場と管理部門が一体となって保安管理に当たることが重要です。また、担当者のみに任せることなく、危険物業務にかかわる全員で自主保安の重要性を再確認しましょう。
誤った操作などの人的要因による事故や設備の不良などの物的要因による事故を防止するため、次の自主保安対策を推進しましょう。

① 共通事項

  • 適正な貯蔵及び取扱いを心掛けましょう。
  • 法定点検及び日常点検を推進しましょう。

② 給油取扱所

  • セルフ式のガソリンスタンドでは、顧客に適切な給油方法を指示するとともに、顧客の給油等の作業を適切に確認しましょう。
  • 固定給油設備の近くや整備室など可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所では、火気設備を絶対に使用しないなど適切な火気管理をするとともに、静電気が発生するおそれがある場合には、有効に除去しましょう。
  • 車両の衝突等により固定給油設備、防火塀などの破損事故が増加しています。顧客に対して事故事例を引用しながら注意喚起しましょう。

③ 移動タンク貯蔵所

  • 余裕をもった移送計画など、安全な移送について再確認しましょう。

④ 製造所・一般取扱所

  • 作業工程や反応工程における危険要因を把握し、講じた安全対策を作業者全員に周知し、実践しましょう。

事故を起こすキーワード

◎「これくらいなら・・・」? 慣れ、油断

  • 危険物を扱っている近くで火気を使用した。
  • 容器を固定しないで運んでいてこぼした。

◎「つい、うっかり・・・」? 失念、不注意

  • 吐出口の閉鎖を確認しないままバルブを開けた。
  • 消したつもりのたばこの吸殻を、可燃ごみと一緒に捨てた。

◎「知らなかった・・・」? 未把握、無理解

  • 設備機器の点検を怠り、異常に気付かなかった。
  • 危険物等の危険性や機器の操作方法を十分に理解していなかった。

セルフスタンドにおける事故防止

セルフ式のガソリンスタンドでは、顧客による給油が安全に行われるよう危険物取扱者がモニターなどにより十分に監視等を行う必要があります。
顧客の様子から給油に戸惑っていたり、不安を感じているように見られる場合には、固定給油設備のインターホンを利用するよう促し、正しい給油方法(下記を参照)を説明しましょう。

●案内に従いながら駐車!エンジンOFF!

矢印などの誘導に従い、白線などで示された場所に停車し、必ずエンジンを停止しましょう。

●スタンド内は安全運転!急発進、急ハンドルは危険!

スタンド内は、様々な機器や他の車もあり、運転には十分な注意が必要です。急発進、急ハンドルは避けましょう。

●静電気除去シートにタッチ!

給油キャップを開ける前に、静電気除去シートに触れ、静電気を除去してから給油を始めましょう。

●正しい操作で給油を!

給油口の奥まで差し込み、レバーを確実に握って給油をしましょう。

●注ぎ足し給油をしないで!

満タンになると、給油は自動的に停止します。吹きこぼれをしないよう注ぎ足しはやめましょう。

●給油キャップの置き忘れ注意!

給油口からガソリン等の燃料やその可燃性蒸気が漏れないよう給油キャップは忘れずに締めましょう。

●ガソリン携行缶には入れられません!

セルフ式のガソリンスタンドでは、顧客自らがガソリン携行缶に燃料を入れる行為は禁止されています。

事故事例

事例4【運転操作ミスにより発生した事故】

ガソリンスタンドにおいて、運転操作ミス(ハンドル操作ミス及びアクセルとブレーキの踏み間違い)により車両が固定給油設備や防火塀に衝突し、破損させました。

給油取扱所の事故

給油取扱所の事故

事例5【誤発進したためガソリンが流出した事故】

ガソリンスタンドで給油を終えたと勘違いした運転手が、給油ノズルを給油口に差し込んだまま車両を発進させたため、ホースとノズル部分が外れ、ガソリン若干が流出しました。

誤発進防止の取り組み(サイドミラーに表示)

誤発進防止の取り組み
(サイドミラーに表示)

地震・津波対策を取り入れた訓練、演習の実施について

東日本大地震では、地震動や津波により危険物施設も大きな被害を受けました。
発生が危惧される首都直下地震においては、平成24年に東京都防災会議にて沿岸部に2m以上の津波が到達すると予測されています。また、区市町村によっては、独自に津波浸水予測区域図を作成しています。
各事業所にあっては、自社の自治体の津波浸水予測を確認し、これらの想定を踏まえた実践的な訓練を行いましょう。

① 地震・津波対策

津波が襲来する前に従業員が避難できるように訓練を実施しましょう。

反応工程を有する製造所、一般取扱所においては、予防規程に記載された緊急停止の手段に沿って、安全に停止できるように訓練を行いましょう。

津波が襲来する前に従業員が避難できるように訓練を実施しましょう。

夜間、休日等の人員が少ない場合の対応訓練を実施しましょう。

屋外タンク貯蔵所では、被害想定に応じた流出防止訓練や、流出危険物の拡散防止や回収などの対処訓練を実施しましょう。

② 帰宅困難者対策

従業員以外の来訪者の避難誘導訓練を実施しましょう。

帰宅困難者への対応訓練を実施しましょう。

具体的な対策を定める参考に、総務省消防庁のホームページでは「危険物施設等の震災等対策ガイドライン」を示していますので、震災により被害を受けた事業所の地震・津波対策事例を参考にし、各事業所の実情に合った対策を講じていきましょう。

URL
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kikenbutsu/guideline.html