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東京消防庁  広報テーマ (4月号) テーマ1 首都東京を守る消防団
テーマ2 新年度スタート!正しい救急車の利用方法と応急手当を知ろう
テーマ3 新年度に合わせて家具類の転倒・落下・移動防止対策をしよう!
テーマ4 新年度・新生活スタート!調理器具の火災に注意しよう!
テーマ5 防火・防災教育を実施しよう

新年度に合わせて家具類の転倒・落下・移動防止対策をしよう!

新年度に合わせて家具類の転倒・落下・移動防止対策をしよう!

就職、進学、転居などで新生活が始まるこの季節。「今すぐに」起こるかもしれない地震に備えるためにも、身の回りの家具類に家具転対策を実施しましょう。

キュータが右手の人差指を立て、左手は開いたポーズで微笑んでいる

キュータが右上を見て考えている様子家具転対策って何?

「家具転対策(かぐてんたいさく)」とは、地震の揺れでケガ等をしないために、家具や家電などを固定したり、落下防止措置を行う「家具類の転倒・落下・移動防止対策」の略称です。

家具転対策をしていないと、地震の時に家具類が転倒して、ケガや火災、避難障害など様々な危険につながる可能性が高くなります。

それらを防ぐ家具転対策は、地震による室内の被害からご自身やご家族、職場における従業員や顧客を守るために必要な対策であり、地震発生時にご自分を守る「自助」だけでなく、「共助」として、ご家族や近隣住民の助け合いへとつながる重要な対策です。

地震から大切な「命」を守るために、家具転対策を積極的に実施しましょう。

地震が起きて毛布で頭を守っている男性のイラスト

キュータが右上を見て考えている様子家具類の転倒・落下・移動でどんな被害があるの?

●ケガ

近年、発生した地震でケガをした原因を調べると、約30%〜50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものでした(図1参照)。

岩手・宮城内陸地震 44.6% 新潟県中越地震 40.7% 能登半島地震 29.4% 福岡県西方沖地震 36% 新潟県中越地震 41.2% 十勝沖地震 36.3% 宮城県北部地震 49.4%

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

●火災

地震が起こると、家具類の転倒・落下・移動によって火災が発生することがあります。ストーブや水槽ヒーターなど、熱を発する器具に家具類が転倒等をした場合だけでなくストーブ等に家具類の収容物(本棚の本など)が落下することでも、火災が発生する危険があります。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、都内で32件の火災が発生しましたが、その多くが家具類の転倒・落下・移動によるものでした。また、東京都が公表した首都直下地震の被害想定では、都内で最大約800件もの火災が発生すると想定されています。

平成27年4月の第21期火災予防審議会(地震対策部会)では「地震火災による人的被害の軽減方策」として、家具転対策が地震時の出火防止としても有効であり、火災による死者数の減少に大きく寄与すことが示されました。火災による被害を減らすためにも、家具転対策は絶対に欠かせません。

<東日本大震災での出火例>

  • 本棚が倒れ、本が電気ストーブに落下し出火
  • 電気スタンドが倒れ、布団に接触し出火
  • 落下物が、家電製品のスイッチに接触し、スイッチが入ることにより出火 など
ストーブから紙類に引火しているイラスト

●避難障害

出入口付近に家具転対策を実施していない家具を配置してしまうと、地震により、転倒した家具が扉や窓を塞ぎ、逃げられなくなることがあります。

首都直下地震等の大規模地震が発生した場合、こうして室内に閉じ込められてしまうと、そのまま長時間救出されない可能性があります。避難できない状況で、自宅や、近隣の住宅等で火災が発生すると、火災に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。

避難障害を起こさないためには、出入口や避難経路に家具を置かないことや、家具を置く向きを工夫したりする家具等のレイアウトも非常に大切です。

避難障害 ドアの近くにおいている倒れる可能性のあるものがあると、地震の際にドアが開かない場合がある 面が広い方をベッドに向けていると、地震があった際にベッドの上に点灯してしまう場合がある。

キュータが右上を見て考えている様子東日本大震災を受けて(高層階における室内危険)

東日本大震災の発生後、東京都内で行ったアンケート調査では、高層階になるほど家具類が転倒・落下・移動している割合が高くなることが分かりました(図2参照)。

これは、揺れの周期が長い長周期地震動の影響と考えられます。

地震により建物が揺れているイラスト
転倒・落下・移動の割合 11階以上:47.2% 6~10階:31.9% 3~5階:23.8% 1又は2階:16.8%

高層階になるほど、転倒・落下・移動している割合が高くなっています。

これは、長周期地震動が一因と考えられます。

※「移動」とは、家具類が転倒せずに概ね60cm動いた場合をいいます。

図2 都内における階層別の家具類の転倒・落下・移動発生割合

高層階では、従来の転倒・落下防止対策に加えて、移動防止対策も行うことが重要です。例えば、壁面から離して配置しているテーブルやイスなどの家具類も移動する可能性があるため、これらについても移動防止対策を講じる必要があります。

また、長周期地震動は大きくゆっくり揺れるという特徴があります。吊り下げ式の照明が大きく揺れて落下したり、水槽内の水が大きく揺れることで転倒しやすくなるなどの危険性があります。

  1. 海の波のように遠くまで伝わります。
  2. 地震動が終息した後も、建物が数分に渡って揺れることがあります。
  3. 東海・東南海・南海地震などのM8クラスの地震が起こると、都内の50階ビルでは片振幅2mに達する揺れが10分以上継続する可能性があります。
  4. 高い建物の高層階が被害を受けやすい特徴があります(建物や地域によって異なる)。

長周期地震動の特徴

中高層:上に行くほど激しく揺れる 超高層:全体でゆらゆらゆれる

地震時の高層建物の動き

キュータが右上を見て考えている様子どうやって家具転対策をしたらいいの?

一言で家具転対策といっても、その方法は様々です。

家具転対策と聞いてすぐ頭に浮かぶのは、金具などを使用し、家具と壁をネジ留めするようなものかもしれませんが、ネジ留めが不要な対策器具を組み合わせて固定する方法もおすすめです。例えば、棚などの場合は、つっぱり棒とストッパー式(もしくはマット式)を組み合わせて設置することでL型金具と同等の効果が得られます。

L字金具 ポール式器具 扉開閉防止器具 ガラス飛散防止フィルム ストッパー式突っ張り棒を使用するときに併用する。

キャスター付きの家具類に家具転対策を行う場合、頻繁に移動するものはキャスターをロックし、着脱式ベルトなどで壁と連結しましょう。あまり移動しないものについては、キャスターに下皿を敷き、さらに転倒防止対策をしましょう。 特に高層階では、家具類の移動の割合が高くなるので注意が必要です。

頻繁に移動するものについては、着脱式ベルトとキャスターロック。あまり移動しないものは下皿を敷く。

このほかにも、大きなホームセンターなどには、穴を開けたりすることなく設置し、固定できる器具も多く販売されています。対策を行う家具の形状や重さに合った器具を選び、器具の効果が十分に発揮できるよう、正しく設置することが重要です。

家具転対策についてもっと知りたい

詳しい実施方法を知りたい方は、東京消防庁ホームページ「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をご覧いただくか、最寄の消防署にお問い合せください。