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東京消防庁  広報テーマ (2月号) テーマ1 火災から尊い生命を守ろう
テーマ2 地震に備え室内安全対策をしよう
   

地震に備え室内安全対策をしよう

地震に備え室内安全対策をしよう

○家具類の転倒・落下・移動防止対策

家具転対策って何?

「家具転対策(かぐてんたいさく)」とは、地震の揺れでケガ等をしないために、家具や家電などを固定したり、落下防止措置をしたりする、「家具類の転倒・落下・移動防止対策」の略称です。

家具転対策をしていないと、地震の時に家具類が転倒して、ケガや火災、避難障害など様々な危険につながる可能性が高くなります。

それらを防ぐ家具転対策は、地震による室内の被害からご自身やご家族、職場における従業員や顧客を守るために必要な対策であり、地震発生時にご自分を守る「自助」だけでなく、「共助」として、ご家族や近隣住民の助け合いへとつながる重要な対策です。

地震から大切な「命」を守るために、家具転対策を積極的に実施しましょう。

家具類の転倒・落下・移動でどんな被害があるの?

●ケガ

近年、発生した地震でケガをした原因を調べると、約30%〜50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものでした(図1参照)。

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

●火災

地震が起こると、家具類の転倒・落下・移動によって火災が発生することがあります。ストーブや水槽ヒーターなど、熱を発する器具に家具類が転倒等をした場合だけでなくストーブ等に家具類の収容物(本棚の本など)が落下することでも、火災が発生する危険があります。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、都内で32件の火災が発生しましたが、その多くが家具類の転倒・落下・移動によるものでした。また、東京都が公表した首都直下地震の被害想定では、都内で最大約800件もの火災が発生すると想定されています。

平成27年4月の第21期火災予防審議会(地震対策部会)では「地震火災による人的被害の軽減方策」として、家具転対策が地震時の出火防止としても有効であり、火災による死者数の減少に大きく寄与すことが示されました。火災による被害を減らすためにも、家具転対策は絶対に欠かせません。

<東日本大震災での出火例>

○ 本棚が倒れ、本が電気ストーブに落下し出火

○ 電気スタンドが倒れ、布団に接触し出火

○ 落下物が、家電製品のスイッチに接触し、スイッチが入ることにより出火 など

●避難障害

出入口付近に家具転対策を実施していない家具を配置してしまうと、地震により、転倒した家具が扉や窓を塞ぎ、逃げられなくなることがあります。

首都直下地震等の大規模地震が発生した場合、こうして室内に閉じ込められてしまうと、そのまま長時間救出されない可能性があります。避難できない状況で、自宅や、近隣の住宅等で火災が発生すると、火災に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。

避難障害を起こさないためには、出入口や避難経路に家具を置かないことや、家具を置く向きを工夫したりする家具等のレイアウトも非常に大切です。

東日本大震災を受けて(高層階における室内危険)

東日本大震災の発生後、東京都内で行ったアンケート調査では、高層階になるほど転倒・落下・移動している割合が高くなることが分かりました(図2参照)。これは、揺れの周期が長い長周期地震動の影響と考えられます。

図2 都内における階層別の家具類の転倒・落下・移動発生割合

図2 都内における階層別の家具類の転倒・落下・移動発生割合

高層階では、従来の転倒・落下防止対策に加えて、移動防止対策も行うことが重要です。例えば、壁面から離して配置しているテーブルやイスなどの家具類も移動する可能性があるため、これらについても移動防止対策を講じる必要があります。

また、長周期地震動は大きくゆっくり揺れるという特徴があります。吊り下げ式の照明が大きく揺れて落下したり、水槽内の水が大きく揺れることで転倒しやすくなるなどの危険性があります。

長周期地震動の特徴

長周期地震動の特徴

地震時の高層建物の動き

地震時の高層建物の動き

どうやって家具転対策をしたらいいの?

一言で家具転対策といっても、その方法は様々です。

家具転対策と聞いてすぐ頭に浮かぶのは、金具などを使用し、家具と壁をネジ留めするようなものかもしれませんが、ネジ留めが不要な対策器具を組み合わせて固定する方法もおすすめです。例えば、棚などの場合は、つっぱり棒とストッパー式(もしくはマット式)を組み合わせて設置することでL型金具と同等の効果が得られます。

どうやって家具転対策をしたらいいの?

キャスター付きの家具類に家具転対策を行う場合、頻繁に移動するものはキャスターをロックし、着脱式ベルトなどで壁と連結しましょう。あまり移動しないものについては、キャスターに下皿を敷き、さらに転倒防止対策をしましょう。 特に高層階では、家具類の移動の割合が高くなるので注意が必要です。

どうやって家具転対策をしたらいいの?

このほかにも、大きなホームセンターなどには、穴を開けたりすることなく設置し、固定できる器具も多く販売されています。対策を行う家具の形状や重さに合った器具を選び、器具の効果が十分に発揮できるよう、正しく設置することが重要です。

家具転についてもっと知りたい

詳しい実施方法を知りたい方は、東京消防庁ホームページ「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をご覧いただくか、最寄の消防署までお問合せください。

○従業員等を守る「事業所防災計画」を作成しましょう!

事業者は、東京都や区市町村が作成する地域防災計画を基準とした事業所防災計画を作成し、首都直下地震等に備えるようにしましょう。

◆ 事業所防災計画とは?

事業所防災計画とは、東京都震災対策条例に基づき地震の被害を軽減するために事業所単位で作成する防災計画です。
都内の事業者は、
@震災に備えての事前計画
A震災時の活動計画
B施設再開までの復旧計画

について定めることとされています。

「帰宅困難者対策」の推進

事業所防災計画に定める内容は「東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示」に示されています。

平成23年3月に発生した東日本大震災では、地震の影響で交通機関が停止し、多くの帰宅困難者が発生し、歩いて帰宅する人が道路上あふれるなど首都圏を中心に大きな混乱が生じました。これらへの対策として、事業者は、帰宅困難者対策のために次の事項についての対策を立て、事業所防災計画に定めておく必要があります。

一斉帰宅の抑制

  •  帰宅困難者等の発生による混乱を防止するために「むやみに移動を開始しない」ことを従業員等に徹底することが重要です。
  •  会社で待機する従業員等のための安全な待機場所や必要な水、食料、寝具等の備品を準備しておく必要があります。
  •  一斉帰宅を抑制した従業員等が、事業所内で留まるための安全な待機場所を確保します。

家族等の安否確認

  •  東京都のアンケート調査では、東日本大震災時に帰宅行動を開始した理由として、「家族と連絡が取れず、安否が気になったため」と回答した人が多く見られました。
  •  従業員等が安心して施設内に待機できるように複数の安否確認手段を周知しておくことが必要です。

「事業所防災計画」の見直し

事業所防災計画に帰宅困難者対策を追加していない事業所は、事業所防災計画の見直しを行ってください。また、東京都から公表されている避難場所や周辺の一時滞在施設の確認をしましょう。

事業所防災計画の作成及び届出

東京都内のすべての事業所は、その用途や規模にかかわらず事業所ごとに事業所防災計画を作成しなければなりません。なお、消防計画または予防規程に事業所防災計画の内容を定める場合は、消防署への届出等が必要となります。

事業所の形態 事業所防災計画の作成要領 消防署への届出等
一般
事業所
消防法第36条に定める、防災管理者の選任が必要な事業所 防災管理に係る消防計画の中に必要な事項を定めます。 必要
消防法第8条及び火災予防条例第55条の3に定める、防火管理者の選任が必要な事業所 防火管理に係る消防計画の中に事業所防災計画に規定すべき事項を定めます。 必要
上記以外の事業所(小規模事業所) 単独に事業所防災計画を作成します。 不要
危険物施設
を有する
事業所
消防法第14条の2に定める、予防規程の作成が必要な危険物施設 予防規程の中に事業所防災計画に規定すべき事項を定めます。 必要
上記以外の危険物施設 単独に事業所防災計画を作成します。 不要

事業所防災計画を作成する上での参考冊子のご案内

東京消防庁のホームページに冊子「職場の地震対策」(PDFファイル)を掲載していますのでご活用下さい。

東京消防庁ホームページ http//www.tfd.metro.tokyo.jp
(ホームページ内を以下のメニューに沿って進んでください。)
トップページ⇒「安全・安心」⇒「事業所向けアドバイス」⇒「職場の地震対策」