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東京消防庁  広報テーマ (6月号) テーマ1 身の回りの危険物品の安全な取扱いを再確認しよう
テーマ2 要配慮者を守ろう
テーマ3 夏祭りや花火大会での火災を防ぎましょう

要配慮者を守ろう

要配慮者を守ろう

高齢者や障害者を災害から守るために

平成28年1月1日現在、東京消防庁管内(稲城市及び島しょ地域を除く、東京都全域)における65歳以上の方(以下「高 齢者」という。)は2,972,426人で、東京消防庁管内人口13,301,128人の22.3%を占めています。高齢者人口は今後も急速に増加し、超高齢化社会がさらに進展することが予想されており、高齢者に関する防火防災対策の強化がますます重要になっています。また、障害者においても、災害からの自力避難が困難なため、高齢者と同様に防火防災上の支援が不可欠です。

こうした状況の中、東京消防庁では、高齢者や障害者等のうち災害への対応力が弱く、災害時に支援を必要とする方々の安全対策に係る各種取組を推進しています。

※参考資料:住民基本台帳による東京都の世帯と人口(区市町村別・年齢別)平成28年1月

総合的な防火防災診断

平成27年中に東京消防庁管内で発生した火災での死者79人のうち、高齢者は53人(67.1%)と前年に比べて11人減少しましたが、依然として高い割合を占めており、高齢者の居住環境の安全化を図ることが、火災による犠牲者を減らすために必要不可欠であると言えます。

高齢者に対する総合的な防火防災診断の様子
高齢者に対する総合的な防火防災診断の様子

東京消防庁では、火災や震災などの災害発生時に配慮や支援が必要となる高齢者や障害者等のお宅を消防署の職員が個別に訪問し、住宅の防火防災対策、家庭内事故防止対策や住宅用防災機器等の普及促進など、暮らしの安全・安心に係る事項を総合的に確認し、アドバイス等を行う総合的な防火防災診断を推進しています。本事業は、消防だけではなく、高齢者や障害者等と日頃から接点のある地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生児童委員等の福祉関係機関や区市町村、町会自治会等と連携して実施しており、地域が一体となって安全・安心を確保していくことを目的としています。

安否確認や避難支援を取り入れた防火防災訓練

大地震等の大規模災害が発生した時の行動として、自分の身は自分で守る「自助」及び地域の中でご近所同士が助け合う「共助」の考え方に基づく地域の防災力の向上を、各種訓練等を通じて積極的に推進しています。

そうした中、支援や配慮が必要となる高齢者や障害者等の方々を大規模災害から守るためには、平時の訓練の中に安否確認要領や避難支援要領などの対応訓練を取り入れることが重要です。

各消防署では、管内にある障害者団体や町会自治会等に積極的に訓練実施の働きかけを行い、互いが互いの存在を認識し、有事の際には、支援が必要な方々の避難を地域住民が支援や救護をするなど、地域の防災行動力の向上を推進しています。

啓発資料「地震から命を守る『7つの問いかけ』」

防火防災訓練、防災講話等で各消防署が配布しているリーフレット「地震から命を守る『7つの問いかけ』」は、災害時に支援や配慮が必要となる方々への防災行動力向上を目的として、災害発生時に想定されるリスクや対応策(備えと行動)について、時系列に沿って設定した7区分ごとに、その要点を整理し、本人及びその支援者に分かり易く表現された資料です。問いかけ方式で気づきと自主的な取り組みを促しています。当庁ホームページの「安全・安心情報」⇒「トピックス」⇒「地震による被害を防ぐために」の中に、「地震から命を守る『7つの問いかけ』」の詳細を掲載しています。

リンク先:http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/bou_topic/7_toi/

地震から命を守る「7つの問いかけ」
地震から命を守る「7つの問いかけ」 「地震への備え チェックリスト」

東京消防庁では今後も積極的に、災害時に支援や配慮が必要となる方々に対する安全対策を推進していきます。今回紹介した、総合的な防火防災診断、安否確認や避難支援等の対応を取り入れた防火防災訓練、啓発資料「地震から命を守る『7つの問いかけ』」についての詳しい内容は、お近くの消防署にお問合わせください。

高齢者の熱中症を防ごう

東京消防庁管内では平成27年6月から9月までの間に4,408人が熱中症(疑いを含む)で救急搬送されました。そのうち高齢者(65歳以上)は2,207人で、全体の50.1%と高い割合を占めています。さらに65歳以上のうち、後期高齢者(75歳以上)の割合は70.6%と非常に高い割合となっています。また、熱中症で救急搬送された高齢者のうち5割以上の方が、入院が必要とされる中等症以上と診断されています。高齢者本人の熱中症予防対策とともに家族など周囲による熱中症予防対策が必要です。

※ 人員は暫定値のため、変更となる場合があります

熱中症における高齢者の特徴

◆皮膚の温度感受性の鈍化

熱中症における高齢者の特徴高齢者は冷房温度の使用時間が短く、使用した際でも設定温度が高い傾向があります。高齢者の冷房使用頻度が少ないのには、体の冷えを嫌がったり、節電意識を理由として挙げる人もいますが、老化に伴い皮膚の温度センサーの感度が鈍くなり、暑さを感知しにくくなるのも一因です。

◆熱放射能力の低下

脳が暑いと判断すると、自律性体温調節として皮膚血流量や発汗量を増加して熱放散を促進します。老化が進むと皮膚血流量と発汗量の増加が遅れ、その後の体温の上昇に伴う増加の程度も小さくなります。そのため、高齢者は若年者より熱放散能力が低く、体に熱がたまりやすくなり、深部体温がより上昇しやすくなります。

暑くなると、皮膚への血流量が増加するため、心臓に戻ってくる血液量が減少します。それを補うために心拍数が増加し循環系への負担が大きくなります。このような状態になると、循環器系に基礎疾患があったり、疾患はなくとも機能的に低下している高齢者は、熱中症にかかりやすくなります。

◆体液量の低下

高齢者は若年者より体液量及び血液量が少なく、この減少も老化に伴う熱放散反応の低下につながります。高齢者が若年者と同程度に発汗した場合、脱水状態に陥りやすく、回復しにくいことも報告されており、これは高齢者がのどの渇きを感じにくいことや、腎機能が低下していることに起因しています。高齢者がのどの渇きを感じにくくなっているのは、脳での察知能力が低下するために起こるようです。

熱中症の予防のために

◆暑さを避けましょう

行動の工夫
  • ▶ 日陰を選んで歩く
  • ▶ 涼しい場所に避難する
  • ▶ 適宜休憩する
  • ▶ 天気予報を参考にして外出を検討する
衣服の工夫
  • ▶ 吸汗・速乾素材等を活用する
  • ▶ 襟元はゆるめて通気する
  • ▶ 日傘や帽子を使う
住まいの工夫
  • ▶ 外部の熱を断熱する(ブラインドやすだれ、日射遮断フィルム等)
  • ▶ 風通しを利用する(網戸・吹き抜け等)
  • ▶ 空調設備を利用する(我慢せずに冷房を入れる)

◆こまめに水分補給をしましょう

  • ▶ のどが渇く前あるいは暑いところに出る前から水分を補給する

熱中症の兆候を見逃さない

高齢者は若年者に比べ、熱中症を起こしやすくなっています。熱中症の危険信号を見逃さず、すぐに涼しい場所へ移動し体を冷やし、水分補給を行うことが重要です。

◆熱中症の危険信号

  • ▶ 高い体温
  • ▶ ズキンズキンとする頭痛
  • ▶ 意識の障害
  • ▶ 赤い・熱い・渇いた皮膚
  • ▶ めまい、吐き気

熱中症が疑われる人を見かけたら

◆涼しい環境への避難

風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内などに避難させましょう。

◆脱衣と冷却

衣服を脱がせて風通しを良くし、体から熱の放散を助けます。

◆水分・塩分の補給

冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらいます。大量の発汗があった場合は、経口補水液やスポーツドリンク等で塩分も補給します。

自力で水が飲めない場合や症状が改善しない場合は、医療機関へ搬送しましょう。
意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

※参考資料:熱中症環境保健マニュアル2014(環境省)