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東京消防庁  広報テーマ (12月号) テーマ1 年末年始の救急事故をなくそう
テーマ2 住宅火災から高齢者などの要配慮者を守ろう
テーマ3 ガソリンスタンドは安全に利用しよう
テーマ4 大掃除の機会に転倒防止をしよう

年末年始の救急事故をなくそう

年末年始の救急事故をなくそう

師走ともなると何かと慌ただしく、気がつけば新年はもうそこまで、という時の流れの早さに驚かされます。特にこの頃は、救急車の出場が一年の中で最も多くなる時期のひとつです。救急事故の発生を未然に防止するために、救急事故の傾向や注意点を知り、事前に対策をたてておくことが大切です。

年末年始は救急出場件数が急増します!〜平成26年中の救急出場件数〜

東京消防庁における、平成26年中の救急出場件数は757,554件であり、このうち救急隊により医療機関へ搬送された人は664,629人でした。月別の出場件数をみると、7月、8月の夏季に増加し、穏やかな気候の秋にはいったん減少するものの、12月、1月の冬季に再び増加しています(グラフ1)。

冬季に救急要請が急増する原因としては、以下のような急病・事故が多発するためと考えられています。

 

年末年始は救急出場件数が急増します!
  • ・風邪やインフルエンザなどの冬季に流行する病気の発生
  • ・忘年会、新年会などにおける急性アルコール中毒
  • ・餅を喉につまらせたことによる窒息事故
グラフ1 月別出場件数(平成26年中) グラフ1 月別出場件数(平成26年中)

風邪やインフルエンザに注意しよう

平成26年中の風邪及びインフルエンザによる月別搬送人員は次のとおりです(グラフ2)。

グラフ2 【月別】風邪及びインフルエンザ搬送人員(平成26年中) グラフ2 【月別】風邪及びインフルエンザ搬送人員(平成26年中)

12月から2月の冬季、風邪やインフルエンザの流行と時を同じくして、救急車で病院に搬送された方が急増していることが分かります。

グラフ3は、平成26年中の風邪及びインフルエンザによる程度別搬送人員です。

グラフ3 【程度別】風邪及びインフルエンザ搬送人員(平成26年中) グラフ3 【程度別】風邪及びインフルエンザ搬送人員(平成26年中)

大半が軽症ですが、重症以上が46名も発生していることから、軽視することはできません。抵抗力の弱い乳幼児や基礎疾患のある高齢者は重症化しやすいため、十分な予防対策と体調の管理が大切です。

インフルエンザについて

季節性インフルエンザは、毎年冬に流行を繰り返す国内最大の感染症の一つです。したがって、これからインフルエンザ流行の季節を迎える中、感染予防に対する取り組みは非常に重要です。

インフルエンザは、かかった人の咳、くしゃみなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入したり、手指等を介して口から感染する経路があります。ウイルスの侵入を防止するためには、手洗いやうがいのほか、十分な休養とバランスよく栄養をとることにより抵抗力をつけておくことが大切です。

風邪やインフルエンザ予防のポイントキュータ画像

  1. ① 外から帰ったら、丁寧に手洗いとうがいをしましょう。
  2. ② 人ごみを避けましょう。(止むを得ず人ごみに行く時はマスクをしましょう。)
  3. ③ 咳やくしゃみをするときは、マスクやティッシュペーパーなどで口と鼻を覆いましょう。
  4. ④ バランスの良い食事をしましょう。
  5. ⑤ 十分な睡眠をとりましょう。

飲酒による事故をなくそう

平成26年中の急性アルコール中毒による月別搬送人員は次のとおりです(グラフ4)。

グラフ4 【月別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中) グラフ4 【月別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中)

月別に比較すると、12月に最も多く搬送されています。これは忘年会やパーティーなど、飲酒の機会が多いためと思われます。

グラフ5及び6は、平成26年中の急性アルコール中毒による年代別、男女別搬送人員と程度別搬送人員です。

グラフ5 【年代別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中) グラフ5 【年代別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中)

男女ともに20歳代に搬送人員が集中しており、次いで30歳代となっています。グループで飲酒する場合は、一緒に飲んでいる周囲の方も節度ある飲酒について注意を払うことが大切です。

また、20歳未満の若年層にも少なからず発生しているため、保護者や指導者が飲酒しないように教育していくことが必要です。

グラフ6 【程度別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中) グラフ6 【程度別】急性アルコール中毒搬送人員(平成26年中)

大半が軽症ですが、アルコールの摂取量によっては重症以上となることもあります。昨年は79名の方が重症以上でした。

飲酒事故を防ぐポイント キュータ画像 アルコール画像

  1. ① 自分の適量を知り、その日の体調にも注意しましょう。
  2. ② 短時間のうちに多量の飲酒(一気飲み)はやめましょう。
  3. ③ 飲酒の無理強いはしないようにしましょう。
  4. ④ 周囲の人は、酔った人に付き添って一人にしないようにしましょう。
  5. ⑤ 酔った人が吐いた場合、のどに詰まらないように注意してあげましょう。

餅などによる窒息事故に注意!

餅などによる窒息事故に注意!
毎年12月から1月にかけて餅などによる窒息事故が多くなります。

東京消防庁管内1)では、平成22年から平成26年までの5年間に、餅など2)をのどにつまらせて、571人が救急搬送されています。

特に高齢者(65歳以上)の事故が多く、約9割を占めています。

年末年始には、餅料理を食べる機会が増えるので、注意が必要です。

1)東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域(東久留米市は平成22年4月1日より東京消防庁管内)
2) 餅以外に団子等も含みます。

餅などによる事故を防ぐポイント キュータ画像

  1. ① 餅は小さく切って、食べやすい大きさにしましょう。
  2. ② 急いで飲み込まず、ゆっくりと噛んでから飲み込みましょう。
  3. ③ 乳幼児や高齢者と一緒に食事をする際は、適時食事の様子を見るなど注意を払うよう心がけましょう。
  4. ④ いざという時に備え、応急手当の方法をよく理解しておきましょう

年別の救急搬送人員

餅などをのどに詰まらせて、年間平均約114人が救急搬送されています(図1)。

図1 年別の救急搬送人員<
図1 年別の救急搬送人員

月別の救急搬送人員

月別にみると、最も多いのは1月で221人、次いで12月が76人となっています。12月と1月だけで、全体の半数を超えています(図2)。

図2 月別の救急搬送人員(過去5年間餅などをのどに詰まらせたもの)
図2 月別の救急搬送人員(過去5年間餅などをのどに詰まらせたもの)

性別年齢層別の救急搬送人員

救急搬送された人の年齢層(5歳単位)、性別を見ると、60歳以上の年代に多く発生していることが分かります。また、男女別では、男性が多くなっています(図3)。

図3 性別年齢層別の救急搬送人員(過去5年間餅などをのどに詰まらせたもの)
図3 性別年齢層別の救急搬送人員(過去5年間餅などをのどに詰まらせたもの)

初診時程度別割合

餅などによる事故では、救急搬送人員の約7割が中等症以上と診断されています(図4)。

図4 初診時程度別割合
図4 初診時程度別割合

事故事例

事例1

自宅にて雑煮を食事中、餅をのどに詰まらせ卒倒したため、息子が救急要請した。

【86歳・男性・重篤】
事例2

屋台でお汁粉を飲食中に餅を詰まらせ、苦しがって倒れたため、救急要請となった。

【73歳・女性・重症】
事例3

町内会の餅つき大会中に餅をのどに詰まらせたため、町内会会員が救急要請した。

【73歳・女性・重症】
応急手当の方法
応急手当の方法 チョークサイン
窒息を起こし、呼吸ができなくなったことを他の人に知らせる世界共通のサイン

チョークサインを出しているとき、声を出せないとき、顔色が急に真っ青になったときなどは、食べ物などにより気道が塞がれていることが疑われます。そのようなときは大きな声で助けを呼び、119番通報とAEDの搬送を依頼し、直ちに気道異物除去を始めます。

呼びかけて反応があれば・・・
  • 1 まず咳をすることが可能であれば、できる限り咳をさせます。
  • 2 咳もできずに窒息しているときは、年齢・性別に関係なく実施可能な背部叩打法(はいぶこうだほう)を行いましょう。

【背部叩打法の実施手順】

  • 1 食べ物を詰まらせた人(以下「傷病者」といいます。)が立っているか座っている場合は、やや後方から片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせます。
    (傷病者が倒れている場合は、傷病者を手前に引き起こして横向きにし、自分の足で傷病者の胸を支えます。片手で傷病者の顔を支えます。)
  • 2 もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と肩甲骨の間を強く4〜5回、迅速に叩きます。
  • 3 回数にとらわれず、異物が取れるか、反応がなくなるまで続けます。
背部叩打法の実施手順
呼びかけに反応がない場合又は、反応がなくなった場合は・・・
ただちに心肺蘇生を開始してください。

病院へ行く?救急車を呼ぶ?急な病気やけがで迷ったら

(1)東京消防庁救急相談センター

急な病気やけがをした場合に、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、東京消防庁救急相談センターを開設しています。東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に、相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間・年中無休で対応しています。受付番号#7119は携帯電話、PHS、プッシュ回線からご利用いただけます。

その他の電話、またはつながらない場合は、23区は、03(3212)2323多摩地区は042(521)2323からご利用ください。

救急相談センター業務内容

(2) 東京版 救急受診ガイドについて

救急受診ガイド

東京消防庁救急相談センターでの電話による救急相談に加え、東京版救急受診ガイド(冊子版・ウェブ版)を提供しています。 

これは、主な19の症状について、利用者の方自らが症状をチェックしていくことで、病気やけがの緊急度などに関するアドバイスが得られるサービスです。

いつでも利用できるように、下のQRコードを携帯電話またはスマートフォンで読み取り、アドレスを登録しましょう。

ウェブ版の利用方法・サービス内容

携帯電話・スマートフォンやパソコンから東京消防庁ホームページにアクセスして『東京版救急受診ガイド』をご利用ください。

ウェブ版の利用方法・サービス内容
<3つのアドバイスを提供>
  • ●けがや病気の緊急性
  • ●受診する時期
  • ●受診する科目
※リンクから受診可能な病院検索もできます。
ウェブ版の利用方法・サービス内容

※緊急性があると思われる場合は、ためらわず救急車(119番)をお呼びください。

救急車の適正な利用について

増加する救急出場と救急隊の現場到着時間

東京消防庁における救急出場件数は平成22年から増加し続けており、平成26年中の救急出場件数は757,554件と過去最高の件数となり、今後さらに増え続けると予想されます(図1)。

東京消防庁では、119番通報で救急車の要請を受けると、対応可能な最も近くの救急車を出場させていますが、救急要請が増加すると近くの救急車が全て出場中となり、遠くから救急車が駆け付けることで、到着までに時間がかかることになります。

平成25、26年中に救急車が出場してから要請場所に到着するまでの平均時間は7分54秒となり(図2)、傷病者への影響が危惧されています。

一方、救急車が搬送した方のうち、入院を必要としない軽症の割合は50%以上を占めており、また、アンケート調査の結果では、救急車を要請する理由として、「生命の危険があると思った」など、緊急性がある理由が多い反面、「救急車で行けば病院で待たずに受診できる」など緊急ではない理由も見受けられました。このような状況が進むと、救急車の到着が更に延び、救えるはずの命が救えなくなる危険性が高まります。

図1
図1
図2
図2

あなたは本当に救急患者ですか?

あなたは本当に救急患者ですか?

救えるはずの命を救うためには、一刻も早い「応急手当」と「医療機関での治療」が重要です。そのため、救急車を呼ぶと、救急車を必要とする場所に最も近い救急車が駆けつけます。しかし、「救急車で行けば病院で待たずに受診できる」など、緊急性のない救急車の利用が増えると、本来近くから駆けつけるはずの救急車がいなくなってしまいます。

あなたは本当に救急患者ですか?

「あなたやあなたの大切な人の生命に危険が迫り、一秒でも早く医療機関で治療を受けなければならない・・・」そんなとき、もし、救急車がすぐに駆けつけられないとしたらどうしますか?

救急車は、救えるはずの命を救うためにみなさんが共有する貴重な財産です。真に救急車を必要とする人のために、救急車の適正な利用を心がけてください。

救急医療の東京ルール

東京都では、迅速・適切な救急医療の確保に向け、「救急医療の東京ルール」を定めており、東京消防庁では、東京都福祉保健局や東京都医師会等と協力・協働して、この取組みを進めています。

救急医療機関や救急車の不足、夜間対応病院の混雑など、救急医療の現場には、さまざまな問題が生じています。

あなたの家族、そしてあなた自身の「もしも」のときに、救急医療の現場が混雑していたら・・・

この状況を改善し、より大きな安心を実現するために決められたのが、「救急医療の東京ルール」です。

救急患者の迅速な受け入れ

救急患者の迅速な受け入れ

救急患者が迅速に医療を受けられるよう、地域の救急医療機関がお互いに協力・連携して救急患者を受け入れます。

都内の医療圏域ごとに「地域救急医療センター」を整備し東京消防庁に「救急患者受入コーディネーター」を配置して います。

「地域救急医療センター」

救急隊の医療機関選定において搬送先が決定しない場合に、救急隊と並行して、地域内の救急医療機関の連携体制を基盤として、受入先の調整を行う医療機関です。


「救急患者受入コーディネーター」

地域救急医療センターが行う地域内の調整では患者受入が困難な場合、東京都全域で調整を行います。


「トリアージ」の実施

「トリアージ」の実施

緊急性の高い患者の生命を守るため、救急医療の要否や診療の順番を判断する「トリアージ」を、救急のさまざまな場面で実施しています。

「トリアージ」

一般的には、災害発生時など多数の傷病者が一度に発生する特殊な状況下において、効率的に搬送や治療を行うため、傷病者の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決定することを指します。

東京ルールでは、平常時の救急医療提供において、一定の基準に基づいて、救急医療の要否や診療の順番を判断することを指しています。


都民の理解と参画

都民の理解と参画

都民の大切な「社会資源」である救急医療を守るために都民一人ひとりが適切な利用を心がけます。救急車、医療機関、医師や看護師などの数は、決して無限ではありません。医療は、「限られた資源」であることをご理解の上、助け合う気持ちをもって適切な利用をお願いします。

救急医療の東京ルールについての詳しいお問い合わせは、東京都福祉保健局医療政策部救急災害医療課におたずねください。