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東京消防庁  広報テーマ (7月号) テーマ1 夏に多発する事故から尊い命を守ろう
テーマ1 水の事故を防ごう
テーマ2 日常生活における火災や事故を防止しよう

日常生活における火災や事故を防止しよう

日常生活における火災や事故を防止しよう

子供の火遊び火災を防止しよう

平成22年から平成26年1)の5年間で、東京消防庁管内2)では、12歳以下の子供の火遊びに起因する火災が212件発生しました(図1)。

また、火遊びによる火災で4人の子供が亡くなっています。痛ましい事故が起きないよう、子供の火遊びを事前に防止しましょう。

(1) 過去5年間の発生状況

火遊び火災の発生件数は、平成22年から徐々に減少し、平成26年中は39件発生しました(図1)。

図1 過去5年間の発生件数
図1 過去5年間の発生件数

(2) 年齢別・男女別の発生状況

行為者を年齢別にみると、12歳の46件が最も多く発生しています。また、212件のうち行為者が男児であった火災件数は193件、女児が19件で性別では男児が大部分を占めています(図2)。


1)平成26年の子供の火遊び火災の件数は暫定値です。
2)東京都のうち東久留米市、稲城市、島しょ地区を除く地域(東久留米市は平成22年4月1日より東京消防庁管内)

図2 年齢・男女別の発生状況
図2 年齢・男女別の発生状況

(3) どこで火遊びをしているのか

出火場所は、屋外が最も多く107件、次いで自宅が68件となっています(図3)。

屋外では、公園、河川敷や空き地などで発生しており、自宅では居室内、台所やベランダなど様々な場所で発生しています。

図3 発生場所別火災発生状況
図3 発生場所別火災発生状況

(4) 1日の中で発生の多い時間帯3)

就学年齢にあたる6歳以上の子供の火遊びによる火災は、15時、16時、17時台に多く発生しています。5歳以下では、13時台に8件、15時台に6件発生しました (図4)。


3)出火時が不明のものは除く

図4 就学・未就学別の発生時間帯の火災発生状況
図4 就学・未就学別の発生時間帯の火災発生状況

(5) 火遊びに使用したもの

火遊びに使用したもので、最も多いのはライターで121件でした(図5)。ライターだけで子供の火遊び火災の半数を超えています。

図5 発火源別の火災発生件数
図5 発火源別の火災発生件数

(6) ライターが発火源となった火災件数

ライターが発火源となった件数は、平成22年から減少傾向にあり、平成26年は、過去5年間で最も少なくなりました。また、平成26年中に5歳以下のライターによる火遊び火災は発生していません(図6)。

図6 ライターが発火源となった火災発生件数
図6 ライターが発火源となった火災発生件数

4)チャイルドレジスタンスの略。4歳3ヵ月未満の幼児による点火操作を困難とする機能

(7) 子供の火遊び火災による死者

子供の火遊びに起因する火災のうち、死者が発生した火災は、過去5年間で2件発生し、4人の12歳以下の子供が死亡しています(表1)。

発生年 出火場所 年齢(行為者) 性別(行為者) 発火源 死者数
平成22年 自宅 3歳 ライター 2人
平成23年 死者の発生なし
平成24年 自宅 5歳 ライター 2人
平成25年 死者の発生なし
平成26年 死者の発生なし

表1 死者が発生した火遊びに起因する火災

火遊び火災の事例

「ライターの火遊びにより出火した火災」

この火災は、火元者の次男(5歳)が自宅にあったライターで火遊びをしている際に、2階の居室内にあった布団に着火し出火したものです。

自宅1階にいた母親が次男を含む子供4人を屋外へ避難させましたが、母親と次男が重傷を負っています。

「火遊びにより57平方メートルが焼損した火災」

この火災は、共同住宅の1階居室から出火したものです。

出火時は小学生が一人で留守番をしていました。

出火原因は、子供がライターで折り紙に火を点けて遊んでいて、室内の衣類等に着火し出火したものです。

出火建物の3階に居住する住民1人が避難中に煙を吸い、負傷しました。

火遊び火災を防ぐために

  • ◆ ライター等は、子供の目に触れない場所や手の届かない場所で厳重に管理する。
  • ◆ 子供には幼児期から火災の怖さや火遊びの危険性を教える。
  • ◆ 幼い子供だけを残して外出しない。
  • ◆ 子供の安全を守るため、子供が簡単に操作できないチャイルド・レジスタンス・ライター(CRライター)を使用する。
  • ◆ ライターを廃棄する際は、中のガスを使い切ってから、各自治体が定める分別方法に従い廃棄する。
  • ◆ 小学生になると、公園など屋外で火遊びをする子供が増えることから、保護者、学校、地域が連携して、子供の火遊び火災を防ぐ。

ライターの規制導入について

ライターの規制導入について

消費生活用製品安全法施行令の一部が改正され、規制対象製品にライターが追加されました。(平成22年11月10日交付)

平成22年12月27日に施行され、施行後9ヶ月間の経過措置を経て平成23年の9月27日からCR(チャイルド・レジスタンス)機能を施した安全対策済みライターなどが市場で販売されています。販売できるライターは、以下の3つの要件を備えたものです。

  • ライターの基本性能の要件を定めたJIS規格を採用したもの
  • 子供が簡単に操作できないCR機能を備えたもの
  • 子供が興味を持ちやすい玩具(ノベルティー)型でないもの

なお、規制対象になることにより、製造または輸入事業に係る国への届出、技術基準適合義務、PSCマークの表示が義務付けられます。

PSCマーク

※ 規制の対象外となるライターもあります(例:燃料タンクが金属製のもの)。

主なライター

2動作以上を同時に操作するタイプ
2動作以上を同時に操作するタイプ
レバー操作に強い力を必要とするタイプ
レバー操作に強い力を必要とするタイプ

ディスポーザブルライター5)のガスの抜き方

ディスポーザブルライターのガスの抜き方

  • 周囲に火の気のないことを確認する。
  • 操作レバーを押し下げる。着火した場合はすぐに吹き消す。
  • 輪ゴムや粘着力の強いテープで、押し下げたままのレバーを固定する。

※ 「シュー」という音が聞こえれば、ガスが噴出している (聞こえない場合は炎調整レバーをプラス方向にいっぱいに動かす)。

  • この状態のまま付近に火の気の無い、風通しのよい屋外に半日から1日放置する。
  • 念のために着火操作をして、火が着かなければ、ガス抜きは完了です。



5)燃料の再充填やフリント交換できない、ディスポーザブル(Disposable=使い捨て)式のライター

花火による火災を防止しよう

夏の楽しい遊びのひとつとして、おもちゃ花火が親しまれています。おもちゃ花火は、技術の向上とともに、炎の色や吹き出し方など変化に富み、その取扱いも年々多様化しています。

しかし、「おもちゃ」といっても原料は火薬であり危険が伴います。毎年、誤った取扱い方法による事故が絶えません。おもちゃ花火は小型ですが、火薬類取締法等の法令によって、「おもちゃ」として取り扱える火薬の種類・量などが定められています。

花火による事故をなくすために、種類や火薬量に応じて作られた「使用上の説明書」をよく読んで正しく取り扱いましょう。

更に夏祭りなどで打ち上げる大型の花火(専門花火)での火災も2年連続で発生しています。観客がいるようなイベントなどで使用する際は大きな災害につながる可能性があり、さらなる注意が必要です。

平成26年中の東京消防庁管内の花火による火災は25件で(表2)、過去5年間の花火による月別の火災発生状況は、夏休み時期の7〜8月に多く発生していることがわかります(図7)。

時間別の火災発生状況では、19時から23時にかけて多く発生しています(表3)。

平成26年中の花火による火災の行為者を年齢別にみると、20歳以上が45%と多く、半数近くを占めています(図8)。

年別 花火による火災件数 焼損床面積m2 損害額
(千円)
死者 負傷者
合計 建物火災 車両 船舶 林野 その他
小計 全焼 半焼 部分焼 ぼや
平成26年 25(1) 2 - - - 2 - - - 23(1) - 48 - 4
平成25年 21(2) - - - - - - 1 - 20 - 3 - 4
平成24年 26 2 - - - 2 - - 1 23 - 80 - -
平成23年 25 1 - - - 1 - - - 24 - 69 - 3
平成22年 26 4 - - - 4 - - - 22 - 71 - 1

※( )は専門花火の件数を内数で表示しています。

表2 過去5年間の花火による火災の発生状況

図7 花火による火災の月別発生状況
図7 花火による火災の月別発生状況
時間別 合計 0時〜6時 7時〜10時 11時〜14時 15時〜18時 19時〜23時 時間不明
平成26年中 25 - 15
5年間累計 123 10 - 12 31 67 1

表3 平成26年中及び過去5年間の花火による火災の時間別発生状況

図8 平成26年中の花火による火災の行為者の年齢別状況
図8 平成26年中の花火による火災の行為者の年齢別状況

花火による火災を防ぐ10のポイント

  • 花火に書いてある注意事項をよく読んで必ず守りましょう。
  • 花火を人や家に向けたり、燃えやすい物のある場所で使用しないようにしましょう。
  • 風の強いときは、花火で遊ばないようにしましょう。
  • 必ず水の入ったバケツを用意しましょう。
  • 遊び終わった花火は、必ずバケツの水につけて、残り火を完全に消しましょう。
  • 子供達だけでなく、大人と一緒に遊びましょう。
  • 一度にたくさんの花火に火をつけないようにしましょう。
  • 正しい位置に、正しい方法で点火しましょう。
  • 吹出し、打上げ等の筒もの花火は、途中で火が消えても筒をのぞいてはいけません。
  • 花火をほぐして遊ぶことは、絶対にしないようにしましょう。

花火による火災事例

事例1 打ち上げ花火が倒れた状態で発射され出火した火災(平成26年8月)
出火時分 21時頃 出火場所 競技場
被害状況 着衣若干

出火原因は、河川敷にて男女20名ほどで花火を打ち上げるなどしていたところ、点火した直後に打ち上げ花火が風にあおられて倒れ、倒れた状態で花火が発射されて女性に当たり出火したものです。

花火は女性の左胸に当たり、着衣の一部が焼損しました。女性は火の粉を手で払うなどして初期消火しましたが、呼吸苦と胸の痛みを感じたため救急要請し、到着した消防隊が火災を確認しました。

教訓等

この火災は、打ち上げ花火を固定せずに芝生上で使用していたため風にあおられたことにより発生したものです。

打ち上げ花火が人に当たるなどすると大けがをする可能性もあり、更に樹木や枯草などの可燃物に着火すれば延焼拡大することもあります。打ち上げ花火は、周囲に可燃物のない場所に倒れないように固定し、点火後は速やかに離れましょう。また、花火を行う際には、消火用の水バケツなどを用意することが必要です。

倒れた打ち上げ花火の状況
倒れた打ち上げ花火の状況
焼損した着衣の状況
焼損した着衣の状況
事例2 専門花火の火の粉が立木に着火し出火した火災(平成26年7月)
出火時分 19時頃 出火場所 小学校敷地内
被害状況 立木若干焼損

出火原因は、小学校校庭で行われていた夏祭りで使用されていた専門花火(ナイアガラ花火)の火の粉が校庭内に植えられていた立木に着火し出火したものです。

「ナイアガラ花火」とは速火線(導火線)で連結した焔管(火薬を詰めた管)を一列に吊るし、点火すると焔管から火の粉が一斉に流れ落ちる形式の花火です。今回は小学校の校舎の外壁に速火線を渡らせて使用していました。

立木は焔管の直下ではありませんでしたが、点火した直後に風が吹いたことにより火の粉が周囲に舞い散ったと思われます。

防火対策として事前に専門花火を使用する箇所周辺に散水をしていましたが、効果はありませんでした。

教訓等

花火は思わぬ方向へ飛ぶことがあり、状況によっては延焼拡大する危険性があります。今回は事前に散水を講じていましたが、散水を行ったのは花火が開始される3時間以上前であり、有効な防火措置とは言えませんでした。

専門花火は夏祭りなどの催しもので行われることが多く、延焼拡大した場合、多数の傷者等が発生する恐れがあります。火の粉が散るような花火や専門花火を使用する場合は使用する場所をよく検討し、万一のことを考えて対策を立てることが大切です。

専門花火の設営状況と立木の位置
専門花火の設営状況と立木の位置
専門花火点火直後の状況(ナイアガラ花火)
専門花火点火直後の状況(ナイアガラ花火)