東京消防庁  広報テーマ (07月号) テーマ1 夏に多発する事故から尊い命を守ろう
テーマ2 日常生活における火災や事故を防止しよう
   

テーマ 1 夏に多発する事故から尊い命を守ろう

夏に多発する事故から尊い命を守ろう〜夏の事故防止〜

梅雨が明け、本格的な夏の暑さがやってくるこれからの季節は、熱中症が増える時期です。また、水に接する機会が多くなり、海・河川・プールなどでの水による事故が増える時期でもあります。熱中症は屋外だけでなく室内でも発生しているため、室内温度を確認するなど熱中症にならないような注意が必要です。熱中症や水の事故を防ぐために、次のような点に注意して、楽しい夏を過ごしましょう。

熱中症?

平成26年東京消防庁熱中症予防ポスター

熱中症を防ごう

  1. 熱中症の発生状況(平成25年6月から9月まで)
    1. ⑴月別救急搬送人員

東京消防庁管内1)で、平成25年6月から9月までの4か月間に、救急搬送された方のうち、熱中症(疑い含む)と診断された方は、4,463人2)となっています。平成24年中同期間の 3,491人と比較して972人も増加しました。昨年は、一昨年よりも猛暑日が多く、特に梅雨明け後と8月の猛暑日が連続した時期に多く発生しました。

また、月別の搬送人員から、本格的な夏の前から熱中症は発生し始め、暑さの和らいでくる9月まで続いていることが分かります(図1)。

図1 熱中症の月別救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
図1 熱中症の月別救急搬送人員(平成25年6月〜9月)

1)東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
2)平成25年中の熱中症(熱中症疑いを含む)による救急搬送人員は暫定値です。

    1. ⑵気温別発生状況

救急要請時の気温と救急搬送人員では、気温28℃を境に、救急搬送人員が300人以上と多くなっています(図2)。

図2 気温別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
図2 気温別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
    1. ⑶年齢区分別の救急搬送状況

年齢区分別の救急搬送状況は、65歳以上が2,019人で全体の45.2%と最も多く、65歳以上の2,019人のうち1,378人(65歳以上の68.3%)が75歳以上の後期高齢者となっていました。

そのほかの年齢区分では、乳幼児(5歳以下)は28人が救急搬送され、6歳から18歳までの小学生から高校生までの世代は、合計で448人が救急搬送されています(図3)。

年齢区分別の救急搬送人員と入院が必要とされる中等症以上の割合では、65歳以上は救急搬送された半数以上が、入院が必要とされる中等症以上と診断されています(図4)。

図3 年齢区分別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
図3 年齢区分別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
図4 年齢区分別の熱中症による救急搬送人員と中等症以上の割合(平成25年6月〜9月)
図4 年齢区分別の熱中症による救急搬送人員と中等症以上の割合(平成25年6月〜9月)
    1. ⑷場所別発生状況

救急要請時の発生場所では、住宅等居住場所が1,805人で、全体の40.4%を占め最も多く、次いで道路・交通施設が1,090人で、24.4%を占めていました。

また、学校・児童施設での発生は、197人で全体の4.4%でした(図5)。

図5 発生場所別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
図5 発生場所別の熱中症による救急搬送人員(平成25年6月〜9月)
  1. 熱中症での救急搬送事例

室内で熱中症になった事例

窓を閉め切った高温環境の自宅居室内に倒れていたところを訪ねて来た弟が発見し、救急要請したもの。
【平成25年7月 男性(85歳) 熱中症疑い(重篤) 気温34.0℃ 湿度47%】
一人暮らしの女性、10時30分頃、訪問看護師が訪問したところ、エアコンが付いておらず室温が34℃あった。昨日から頭痛があると訴え、発熱があったため、救急要請したもの。
【平成25年7月 女性(79歳) 熱中症(重症) 気温32.6℃ 湿度58%】
エアコン不使用の部屋で昼寝して、15時頃から脱力、嘔気、関節痛があり、熱が上がってきたため家族が救急要請したもの。
【平成25年7月 女性(31歳) 熱中症(軽症) 気温27.8℃ 湿度78%】
部屋のエアコンと扇風機が壊れている暑い部屋の中に朝からいて、10時頃から気持悪くなり10時半に下痢を認め、様子を見ていたが症状が改善しないため、救急要請となったもの。
【平成25年8月 男性(65歳) 熱中症疑い(中等症) 気温29.8℃ 湿度64%】

<予防のポイント>

気温が高くなくても、湿度が高いと救急搬送されています。

水分補給を計画的、かつ、こまめにしましょう。
窓を開け風通しを良くしたり、エアコンや扇風機等を活用し室内温度を調整する等、熱気を溜めないようにしましょう。

乳幼児が、車の中で熱中症になった事例

女児が、自宅駐車場停車中の乗用車内に一人でいたところ、自分で内鍵をかけて車内に閉じ込められたもの。
【平成25年8月 女児(2歳) 熱中症(中等症) 気温31.3℃ 湿度52%】
乗用車内に1歳の息子を乗せたままドアを閉めたところ、1歳の息子が乗用車のロックをかけてしまい30分程度閉じ込められたもの。
【平成25年8月 男児(1歳) 熱中症(中等症) 気温31.9℃ 湿度61%】

<予防のポイント>

夏場の車内の温度は、短時間で高温になります。

少しの間でも子どもを車内に残さないようにしましょう。
子どもが、自分で内鍵をかけたり、車の鍵で遊んでいて誤ってロックボタンを押してしまい、閉じ込められる事故が発生しています。車を降りる際は、鍵を持って降りましょう。

屋外で作業中に熱中症になった事例

母親が畑仕事から帰って来ないので心配になり見に行くと、畑で倒れていたため、救急要請したもの。
【平成25年7月 女性(80歳) 熱中症(重篤) 気温27.7℃ 湿度80%】
9時頃から屋外にて工事現場の誘導員の仕事をしていた男性が、14時20分頃にフラフラしてうずくまってしまったため、同僚が救急要請したもの。
【平成25年8月 男性(73歳) 熱中症(重篤) 気温36.9℃ 湿度52%】

屋外で並んでいて熱中症になった事例

朝8時30分頃から宝くじ売り場に並んでいて10時30分頃、胃のあたりの痛みと吐き気があったため、救急要請したもの。
【平成25年7月 女性(51歳) 熱中症(軽症) 気温32.9℃ 湿度59%】

運動中に熱中症になった事例

11時頃、ラクロスの競技中に、白目をむいて意識もうろうとなったため、救急要請したもの。
【平成25年8月 男性(24歳) 熱中症疑い(重篤) 気温35.8℃ 湿度52%】
駅伝大会中、かべに寄りかかって立っているのを大会スタッフが発見し、救急要請となったもの。
【平成25年8月 男性(32歳) 熱中症(重篤) 気温30.8℃ 湿度67%】

複数の熱中症患者が発生した事例

小学校校庭おいて、吹奏楽の演奏終了後に吹奏楽部員6名が体調不良を訴えたため、救急要請となったもの。
【平成25年7月 13歳〜15歳の女性6名 熱中症(軽症) 気温28.4℃ 湿度59%】
野球の試合中、頭痛・脱力・悪心を訴えたため、監督が熱中症を疑い、野球場管理人に依頼し救急要請したもの。
【平成25年8月 13歳、14歳の男性2名 熱中症(軽症) 気温36.9℃ 湿度52%】

<予防のポイント>

クラブ活動等では、複数の生徒が熱中症で救急搬送されています。指導者等は、無理のない活動に配意しましょう。

水分補給を計画的、かつ、こまめにしましょう。
屋外では帽子を使用しましょう。
襟元を緩めたり、ゆったりした服を着るなど服装を工夫しましょう。
指導者等が積極的、計画的に休憩をさせたり、体調の変化を見逃さないようにしましょう。
実施者は自分自身で体調管理を行い、体調不良の時は、無理をせず休憩しましょう。
  1. 熱中症の予防
    1. ⑴暑さに身体を慣らしていく。

平成25年中の救急搬送状況からも、熱中症は梅雨明け後の気温が高い日に多く発生しています。体がまだ暑さに慣れていないため、熱中症になったと考えられます。暑い日が続くと、体が次第に暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。

暑熱順化は、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で、毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を継続することで獲得できます。暑熱順化は、運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけて暑熱順化していれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。じっとしていれば汗をかかないような季節から、少し早足でウォーキングし、汗をかく機会を増やしていれば、夏の暑さに負けない体を、より早く準備できることができます。

<対策>

ウォーキングなどの運動をすることで汗をかく習慣を身に付けるなど、暑さに強い体をつくる。
冷房に頼りすぎない。
    1. ⑵高温・多湿・直射日光を避ける。

熱中症の原因の一つが、高温と多湿です。屋外では、強い日差しを避け、屋内では風通しを良くするなど、高温環境に長時間さらされないようにしましょう。

<対策例>

服装を工夫する。(襟元を緩める、ゆったりした服を着るなど通気を良くする。)
窓を開け、通気を保つ。
扇風機等を使用し、室内に熱気を溜めない。
すだれ・よしず等を使用する。
グリーンカーテンを作る。窓に遮光フィルムを貼る。
エアコンにより室内温度の調整をする。
屋外では、頭部を守るため、帽子や日傘を使用する。
日陰を選んで歩く。遊ぶ時は日陰を利用する。
温度計や湿度計を設置して、こまめに確認し、室内の温度の調整を行う。
熱中症計を活用する。
    1. ⑶水分補給は計画的、かつ、こまめにする。

特に高齢者は、のどの渇きを感じにくくなるため、早めに水分補給をしましょう。普段の水分補給は、健康管理上からもお茶や水がよいでしょう。水分補給のためにアルコールを摂取しても、尿の量を増やして体内の水分を排出してしまうため逆効果です。

なお、持病がある方や水分摂取を制限されている方は、夏場の水分補給等について、必ず医師に相談しましょう。

<対策>

のどが渇いてから水分補給をするのではなく、例えば、時間を決めて水分補給することや外出前に水分補給をするなど、意識的に水分補給を心がけましょう

    1. ⑷運動時などは計画的な休憩をする。

学校での体育祭の練習や、部活動での試合中などの集団スポーツ中に、熱中症が発生しています。実施する人はもちろんのこと、特に指導者等は熱中症について理解し、計画的な休憩や水分補給を行うなど、熱中症を予防するための配慮をしましょう。

汗などで失われた水分や塩分をできるだけ早く補給するためには、水だけでなく、スポーツドリンクなどを同時に摂取するのもよいでしょう。

また、試合の応援や観戦などでも熱中症が発生していることから、自分は体を動かしていないからといって注意を怠らないでください。

<対策>

指導者等が、積極的、計画的に休憩をさせる。
指導者等は、体調の変化を見逃さない。
実施者は自分自身で体調管理を行い、体調不良の時は無理をせず休憩する。
屋外での応援や観戦などでは、運動をしていなくても高温環境にいることを忘れず、水分補給を心がける。
    1. ⑸規則正しい生活をする。

夜更かし、深酒、食事を抜くなどの不規則な生活により体調不良な状態では、熱中症になる恐れがあります。

<対策>

規則正しい生活と十分な食事を心がける。
    1. ⑹乗用車等で子どもだけにしない。

車内の温度は短時間で高温になります。少しの間でも、子どもを車内に残さないようにしましょう。

<対策>

子どもを絶対に車内に残さない。
    1. ⑺子どもは大人よりも高温環境にさらされています。

一般的に、地面に近いほど地面からの輻射熱は高くなります。子どもは、大人に比べて身長が低いため、大人よりも地面から受ける輻射熱は高温となります。

<対策>

子どもは大人の想像以上に輻射熱等を受けていると考えましょう。
子どもの体調の変化に注意しましょう。
  1. 熱中症を疑う症状と応急措置
こんな症状は、「熱中症」を疑ってください。 重症度
めまい・立ちくらみ・筋肉痛・大量に汗をかく
頭痛・吐き気・体がだるい・力が入らない
けいれん・体温が高い・呼びかけても反応が悪い・まっすぐ走れない、歩けない・意識がない
熱中症と思われるときは応急措置

※ 参考文献:熱中症環境保健マニュアル2014(環境省)

河川やプール等での水の事故を防ごう

梅雨が明け、夏の暑さがやってくると、河川やプールなどに出かける機会が多くなりますが、おぼれて救急搬送される事故も、この時期に多くなります。

河川やプール等でおぼれる事故は、生命を脅かす事故となる可能性が高いことから、十分な注意が必要です。

事故を防ぐために、次のような点に注意して、楽しい夏を過ごしましょう。

河川やプール等での水の事故を防ごう
  1. 救急搬送人員の推移

東京消防庁管内1)では、平成21年から平成25年2)までの6月から9月に発生した河川やプール等でのおぼれる事故3)により、86人が救急搬送されています(図6)。

図6 おぼれる事故による年別救急搬送人員(6月〜9月)
図6 おぼれる事故による年別救急搬送人員(6月〜9月)

1)東京都のうち東久留米市、稲城市、島しょ地区を除く地域(東久留米市は平成22年4月1日より東京消防庁管内)
2)平成25年中は暫定値です。
3)事故発症時動作が「溺水・入水」のうち、「自損」、「浴槽での溺水」を除きます。

  1. 月別救急搬送人員(平成21年から平成25年まで)

月別にみると、7月に最も搬送人員が多くなっています(図7)。

図7 月別救急搬送人員
図7 月別救急搬送人員
  1. 年代別の救急搬送人員

年代別に見ると、9歳以下が最も多く、次いで10歳代、30歳代となっています(図8)。

図8 年代別救急搬送人員
図8 年代別救急搬送人員
  1. 事故発生場所別の救急搬送人員

おぼれる事故が発生している場所では、河川が51.0%、プールが38.4%と高い割合を占めています。ビニールプールでも4人が搬送されています(図9)。

図9 事故発生場所別の救急搬送人員
図9 事故発生場所別の救急搬送人員
  1. 年齢区分別による発生場所の割合

0歳から2歳では、ビニールプール、池での事故の割合が高くなっています。3歳から9歳では、プールでの事故が増え、6割を超えています。10歳代から40歳代では、河川や海での事故が多くを占めていますが、60歳代、70歳代では、プールでの事故が最も多く発生しています(図 10)。

図9 事故発生場所別の救急搬送人員
図10 年齢区分別による発生場所の割合
  1. 初診時程度別割合

初診時程度別割合では、入院の必要があるとされる中等症以上の割合が74.4%となっていま す(図11)。

図11 初診時程度別割合
軽 症:
軽易で入院の必要がないもの
中等症:
生命の危険はないが、入院の必要があるもの
重 症:
生命の危険があるもの
重 篤:
生命の危険が切迫しているもの
図11 初診時程度別割合
  1. 飲酒の有無と初診時程度

20歳以上で溺水により救急搬送された人のうち、バーベキューで飲酒した後水に入った等、飲酒に関係しているものが、30歳代で6人となっています。30歳代では、飲酒後の事故に特に注意する必要があります(表1)。

年齢区分 飲酒有 飲酒無 小計
20歳代
30歳代 15
40歳代
50歳代
60歳以上
合  計 10 29 39
表1 20歳以上の飲酒の有無別搬送人員(人)
  1. 乳幼児の事故

0歳から5歳の乳幼児では、3歳が最も多く救急搬送されています(図12)。活発な動きができるようになる時期ですが、水遊びをする子どもから目を離さないようにしましょう。

図12 乳幼児の救急搬送人員
図12 乳幼児の救急搬送人員
  1. 救急搬送事故事例
  事 故 概 要
(公園の池で発生した事故)
 2歳の男児が、公園の池で親が目を離している間に水没した。(2歳男児 重篤)
(プールで発生した事故)
 3歳の男児が、プール施設内で両親とはぐれ、プール内で意識がない状態で発見された。(3歳男児 中等症)
(河川で発生した事故)
 家族でバーベキューに来て河川で遊んでいたところ、急流に流され、岩にしがみつき助けを求めた。(10歳男性、18歳男性 軽症)
(飲酒後に河川で発生した事故)
 20歳男性が飲酒して火照った身体を冷やすために、河川に入り泳いでいたが、川の真ん中付近で溺れ姿が見えなくなった。(20歳男性 重篤)
 河川敷で友人たちと飲酒し、バーベキューの途中、川で遊んでいた際に水没した。 (38歳男性 重篤)

河川やプール等で、おぼれる事故を防ぐために

小さい子どもと一緒に水遊びをする際は、子どもから目を離さず、保護者や大人が必ず付き添って遊びましょう。
子どもが泳いでいる時は、プール等に監視員がいる場合でも、油断することなく目を離さないようにしましょう。
飲酒後や体調不良時には遊泳は行わず、もし遊泳しようとしている人がいたら、周りにいる人は遊泳を止めさせましょう。
海や河川では気象状況に注意を払い、荒天時や天候不良が予測される場合は、遊泳や川岸等でのレジャーは中止しましょう。
海や河川では、ライフジャケットを着用するなど、事故の未然防止に努めましょう。

心肺蘇生について

突然に心肺停止した方を救命するためには、救急車が到着するまでの間、バイスタンダー(その場に 居合わせた人)による心肺蘇生が重要です。(表2、図13参照)。

詳しい内容につきましては、東京消防庁ホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)をご 覧ください。

また、前回の応急手当講習修了後3年が経過されている方や応急手当講習を受けたことのない方は、これを機会に受講し、尊い命を救うために心肺蘇生の方法を身につけましょう(表3参照)

表2 年齢区分における心肺蘇生
  心肺蘇生 人工呼吸 胸骨圧迫
対  象 実施回数の比率 吹き込み量 吹き込み時間 吹き込み回数 圧迫位置 圧迫法 圧迫の強さ テンポ
成  人
(16歳以上)
胸骨圧迫
30回
人工呼吸
2回
胸の上がりが
見える程度の量
約1秒 2回 胸骨の下半分
目安:胸の真ん中
両手 少なくとも5p 少なくとも
100回/分
小  児
(1歳以上
16歳未満)
両手又は片手 胸の厚さの1/3
ただし、体型により5p
乳  児
(1歳未満)
乳頭間線の
やや足側
2指
備  考 心肺蘇生は、救急隊に引き継ぐか、何らかの応答や目的のある仕草(例、嫌がるなどの体動)が表われるか、また普段どおりの呼吸をしはじめるまで続けます。
図13 心肺蘇生の実施要領
反応がなく普段通りの呼吸がなければ、すぐに胸骨圧迫を!
表3 主な応急手当講習の種別
講習の種別 講習内容
普通救命講習
(3時間)
心肺蘇生(AEDを含む成人に対する方法)を中心に学ぶコース
普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習
(4時間)
普通救命講習の内容にAEDの知識の確認と実技の評価が加わったコース
上級救命講習
(8時間)
AEDを含む救命手当のほかに、けがの手当や搬送方法を学ぶコース
応急手当普及員講習
(24時間)
普通救命講習、普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習の指導要領を学ぶためのコースです。
講習内容をマスターした方には、認定証を交付します。
上記講習のほか、応急救護講習・救命入門コース・ステップアップ講習などがあります。詳しくは下記の問合せ先にお問い合わせください。
講習に関する問合せ先
東京消防庁管内の各消防署、消防分署、消防出張所
公益財団法人東京防災救急協会 救急事業本部
〒102−0083 千代田区麹町一丁目12番 麹町合同庁舎内
電   話
03(5216)9995
講習受付
03(5276)0995(平日午前9時〜午後4時)
東京消防庁ホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)
(ホームページ内を以下のメニューに沿って進んでください。)
⇒「試験・講習」⇒「応急手当講習会」

バイスタンダー(その場に居合わせた人)の奏効事例

実際にバイスタンダーが救命処置を行い、尊い命を救った事例を紹介します。

【事例1】

少年野球チームのコーチをしていた青年が、選手と一緒にダッシュしたあと突然倒れました。その異変に気づいた他のコーチとチーム関係者が駆け寄り、青年に呼びかけても反応がないことから、救急要請とAED搬送を依頼しました。コーチの一人が呼吸を確認したところ普段どおりの呼吸をしていないため心肺蘇生を開始、間もなく施設のAEDが到着し救急隊到着までに心肺蘇生と電気ショック2回実施しました。その後到着した救急隊は心肺蘇生を引継ぎ、さらに電気ショックを1回実施。救急車内収容後には呼吸と脈拍が再開しました。

【事例2】

夫(60歳代)が入浴しているはずの風呂場でシャワーの音だけがするため、妻が浴室内を覗いたところ夫が倒れているのを発見しました。妻は以前習った普通救命講習を思い出し、反応を確認後、娘に救急車を呼ぶように指示をし、普段どおりの呼吸をしていないため心肺蘇生を開始しました。その後、助けを聞きつけた通行人と協力し救急隊到着まで心肺蘇生を継続しました。到着した救急隊は、心肺蘇生を引継ぎ、除細動器で電気ショックを2回実施、さらに救急救命士が薬剤投与をしたところ、現場において呼吸と脈拍が再開し、搬送途上には意識までも回復しました。

このように緊急の事態に遭遇した場合、適切な応急手当が実施できるように、日頃から応急手当に関する知識、技術を身につけておくことが大切です。また、事例2のように家族のバイスタンダーから救急隊へ連携して尊い命を救った事例もありました。

病院へ行く?救急車を呼ぶ?急な病気やけがで迷ったら

  1. 東京消防庁救急相談センター

急な病気やけがをした場合に、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、東京消防庁救急相談センターを開設しています。

東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に、相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間・年中無休で対応しています。

受付番号#7119は携帯電話、PHS、プッシュ回線からご利用いただけます。その他の電話、または繋がらない場合、23区は03(3212)2323、多摩地区は042(521)2323からご利用ください。

救急相談センター業務内容
  1. 東京版 救急受診ガイドについて

東京消防庁救急相談センターでの電話による救急相談に加え、東京版救急受診ガイド(冊子版・ウェブ版)を提供しております。

これは、主な19の症状について、利用者の方自らが症状をチェックしていくことで、病気やけがの緊急度などに関するアドバイスが得られるサービスです。

いつでも利用できるように、下のQRコードを携帯電話またはスマートフォンで読み取り、アドレスを登録しましょう。

東京版 救急受診ガイド
ウェブ版の利用方法・サービス内容

携帯電話・スマートフォンやパソコンから東京消防庁ホームページにアクセスして『東京版救急受診ガイド』をご利用ください。

<3つのアドバイスを提供>
けがや病気の緊急性
受診する時期
受診する科目
リンクから受診可能な病院検索もできます。

※緊急性があると思われる場合は、ためらわず救急車(119番)をお呼びください。

救急車の適正な利用について

  1. 増加する救急出場と救急隊の現場到着時間

東京消防庁における救急出場件数は平成21年から増加し続けており、平成25年中の救急出場件数は749,060件と過去最高の件数となり、今後さらに増え続けると予想されます(図14)。

東京消防庁では、119番通報で救急車の要請を受けると、対応可能な最も近くの救急車を出場させていますが、救急要請が増加すると近くの救急車が全て出場中となり、遠くから救急車が駆け付けることで、到着までに時間がかかることになります。

このため、平成25年中に救急車が出場してから要請場所に到着するまでの平均時間は7分55秒と年々延びており(図15)、傷病者への影響が危惧されています。

一方、救急車が搬送した方のうち、入院を必要としない軽症の割合は50%以上を占めており、また、アンケート調査の結果では、救急車を要請する理由として、「生命の危険があると思った」など、緊急性がある理由が多い反面、「交通手段がなかった」など緊急ではない理由も見受けられました。このような状況が進むと、救急車の到着が更に延び、救えるはずの命が救えなくなる危険性が高まります。

図14
図14
図15
図15
  1. あなたは本当に救急患者ですか?

救えるはずの命を救うためには、一刻も早い「応急手当」と「医療機関での治療」が重要です。そのため、救急車を呼ぶと、救急車を必要とする場所に最も近い救急車が駆けつけます。しかし、「救急車で行けば病院で待たずに受診できる」「病院までの交通手段がない」など、緊急性のない救急車の利用が増えると、本来近くから駆けつけるはずの救急車がいなくなってしまいます。

急病人?

「あなたやあなたの大切な人の生命に危険が迫り、一秒でも早く医療機関で治療を受けなければならない・・・」そんなとき、もし、救急車がすぐに駆けつけられないとしたらどうしますか?

救急車は、救えるはずの命を救うためにみなさんが共有する貴重な財産です。真に救急車を必要とする人のために、救急車の適正な利用を心がけてください。

  1. 救急搬送トリアージについて

これらの状況から東京消防庁では、増大する救急需要対策の一環として出場した救急隊の容態観察により、緊急性が認められないと判断した方には、同意を得て自らの受診をお願いする「救急搬送トリアージ」を実施しています。救急隊が緊急性の高い傷病者に対して、迅速かつ的確に対応していくため御理解と御協力をお願いします。

救急搬送トリアージ

救急搬送トリアージ