東京消防庁  広報テーマ (04月号) テーマ1 首都東京を守る消防団に入団しよう
テーマ2 総合防災教育を実施しよう
テーマ3 新居で安全対策をしよう

テーマ 3 新居で安全対策をしよう

地震に備えて

近年発生した地震被害における負傷者の3〜5割の方が屋内における家具類の転倒・落下によって負傷していることが判明しています。地震時にはテレビ、電子レンジなどの家電製品や、本棚やタンス、食器棚などの大きな家具が転倒・落下・移動(以下「転倒等」という。)することがあります。

家具類が地震により転倒等すると、転倒等した家具類の下敷きや、移動した家具で負傷したり、転倒等した家具類が出入口を塞いで避難障害を発生させる危険性があります。

また、家具などがストーブなどに転倒等して出火するなど、二次的な被害も引き起こします。

しかし、家具の転倒等防止対策は、重いタンスを動かすなどの手間がかかり、なかなか手を付けられないという方も多いのではないでしょうか。

3月は転勤や入社、入学があり引っ越しの多い季節です。そこでこの機会をとらえ、家具類の転倒等防止対策をしましょう

家具類の転倒等防止対策は、大切な家族を守るために今日からできる地震対策です。

家具類の転倒・落下・移動防止対策

転倒等防止対策を行う際、まず室内になるべく物を置かない、廊下などに家具類を置かないなどのレイアウトの工夫を検討した上で、家具に転倒防止対策を行うことが基本です。

@ 集中収納(居住収納分離)・家具類のレイアウト上の留意点

納戸やクローゼット、据え付け収納家具への集中収納により、努めて生活空間に家具類を置かないようにしましょう。

次に、負傷や避難障害を発生させにくいレイアウト上の工夫を行うことが重要です。負傷や避難障害を発生させにくいレイアウト上の工夫を行うために、避難通路、出入口周辺に転倒、移動しやすい家具類を置かないようにしましょう。

また、引き出しが飛び出すことで、つまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあるので、家具類を置く方向にも注意しましょう。特に、「寝る場所」や「座る場所」にはなるべく家具を置かないようにし、置く場合には背の低い家具にするか、家具の置き方を工夫しましょう。

集中収納(居住収納分離)・家具類のレイアウト上の留意点
A 家具類の転倒・落下防止対策

レイアウト上の対策をしたうえで、適切な転倒等防止対策を行いましょう。

転倒等防止対策の基本は、ネジによる固定です。その場合、家具を固定する対象は、壁下地の柱、間柱、胴縁等としましょう。下地材の位置は、下地探知用センサー等の機器、市販の専用プッシュピンといった器具、音による打診により判断できます。家具の天板の後ろ側にしっかりとした桟の入っていないものは、家具の幅全体に板を取り付けてから金具を取り付けましょう。その際、木ネジは長めのものを使用し、ネジ頭までしっかりねじ込む。上下2段式の家具など、やむを得ず積み重ねる場合は平型金具などで連結しましょう。

家具類の転倒・落下防止対策
B キャスター付き家具類への移動防止対策

キャスター付きの家具には日常的に移動することを求められるものと日常的な移動は求められないものがあります。日常的に移動が求められないものとは、引っ越しや部屋の模様替えの時だけ移動するような家具です。

キャスター付き家具類への移動防止対策
C キャスターなし家具類への移動防止対策

長周期地震動では、テーブルやイスなど、必ずしも壁面に接して配置することがない背の低い家具類も移動する可能性があるため、これらの家具類の移動防止対策をする必要があります。

キャスターなし家具類への移動防止対策

詳しい対策は、東京消防庁ホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)に、掲載しています。

家具類の転倒・落下・移動防止対策チェックリスト
  • □ 寝室やリビングなど、長い時間居る場所にある家具には、転倒等防止対策をしている。
  • □ ポール式(つっぱり棒)で固定している家具には、家具の下側にストッパー式器具(くさび型で、家具を壁側に傾斜させる器具)や粘着マットを併用している。
  • □ ポール式(つっぱり棒)を使用する際、天井に強度がない場合は、器具上部と天井との間に当て板を入れて補強をしている。
  • □ L型金具で家具を固定する場合は、壁内の間柱など、強度がある部分にネジ止めをしている。
  • □ 家電製品は、取扱説明書に従い転倒防止を行っている。
  • □ テレビや電子レンジなどは本体を台に固定するとともに、台も壁や床などに固定している。
  • □ 家具や冷蔵庫の上に落下しやすい物を置いていない。
  • □ 重い物はできるだけ下に収納している。
  • □ 家具が転倒等しても逃げ道を塞がない置き方をしている。
  • □ 窓ガラスの近くに大型の家具や家電製品を置いていない。
  • □ ガラス扉のある家具には、収納物が飛び出さないよう、扉に開放防止器具をつけたり、割れたガラスが飛散しないようフィルムを張っている。
  • □ キャスター付きの家具類に移動防止対策をしている。

事故に備えて〜救急車の適正な利用について〜

◆増え続ける救急出場(表1)

東京消防庁における救急出場件数は、平成21年から増加し続けており、平成25年中の救急出場件数は749,060件と過去最高の件数となり、今後さらに増え続けると予想されます。

表1

◆その救急車本当に必要ですか?

平成25年中に救急隊が医療機関に搬送した人数は655,714人で、そのうち、自分で医療機関にと思われる軽症者の割合は50%以上を占めています。この割合は年々低下していますが、依然として多くを占めています(表2)。救急隊は、本当に救急車が必要な救急要請に迅速に対応する体制を確保するため、傷病者に緊急性が認められないと判断された人に自力での受診をお願いしています(図1)。

表2
図1 救急搬送トリアージ

◆救急車の数には限りがあります

救急車は、救急車が必要な場所に最も近く、出場が可能な救急車が向います。救急出場件数が増加すると、本来救急車がいるはずの場所より遠くから駆けつけるため、救急車が出場してから現場に駆け付けるまでに時間がかかってしまいます(表3)。また、近くに救急車がいない場合は、応急手当を行うために近くにいる消防車が現場に向かうことがありますが、消防車は、救急隊がつくまでの応急手当しかできないため、結果的に医療機関に到着するまでに時間がかかってしまいます。

表3

「あなたやあなたの大切な人の生命に危険が迫り、一秒でも早く医療機関で治療を受けなければならない・・・」そんなとき、もし、救急車がすぐに駆けつけられないとしたらどうしますか?救急車は都民が共有する貴重な財産です。その限りある貴重な財産を、本当に必要な人が必要なときに利用できるよう、救急車の適正な利用に心がけましょう。

病院?救急車?迷ったら

◆東京消防庁救急相談センター

急な病気やケガをした場合に、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、東京消防庁救急相談センターを開設しています。

東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に、相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間・年中無休で対応しています。

受付番号#7119は携帯電話、PHS、プッシュ回線からご利用いただけます。その他の電話、またはつながらない場合は、23区は03(3212)2323、多摩地区は042(521)2323からご利用いただけます。

救急相談センター業務内容(平成19年6月1日運用開始)

◆その他の医療機関案内について

医療機関案内については、前記の救急相談センターのほかに、下記の機関でも同様のサービスを行っています。

他にも、区市町村によっては、独自に夜間・休日診療体制を実施している区域もあります。自治体の広報紙又はそのホームページ等でお知らせしていますので、あらかじめ休日診療病院等の所在地・道順・電話番号などを確認しておきましょう。

◆東京版 救急受診ガイド(ウェブ版)について


※ つながらない場合は、23区は03(3212)2323
多摩地区は042(521)2323

東京消防庁救急相談センターでの電話による救急相談に加え、平成24年4月1日より、東京消防庁ホームページ上で東京版救急受診ガイド(ウェブ版)の提供を開始しました。

これは、主な19の症状について、利用者が自ら症状をチェックしていくことで、傷病の緊急度などに関するアドバイスが得られるサービスになります。

いつでもご利用できるように右のQRコードを携帯電話またはスマートフォンで読み取り、アドレスを登録しましょう。

応急手当を学びましょう

救急出場の増加等に伴い、年々救急車の到着時間が延びている状況です(表3)。突然心停止した方を救命するためには、救急車が到着するまでの間にバイスタンダー(その場に居合わせた人)による心肺蘇生が重要になります。

◆バイスタンダーによるAED(自動体外式除細動器)

平成16年から医療従事者以外の方によるAEDの使用が認められました。平成17年からは、AEDの使用方法が救命講習の内容に組み込まれ、バイスタンダーによるAEDの使用及び脈拍の回復事案も毎年増加しています。AEDは、駅、空港や市・区役所、コンビニエンスストアや自動販売機に至るまで、様々な場所への設置が進んでおり、また、いろいろな種類があります。必要になった場合に慌てることのないよう、日頃から身近に設置されているAEDの位置や形を確認しておき、ひとりでも多くの尊い命を救うために役立てることが必要です。

◆救命講習について

尊い命を救うため、救命講習を受けたことのない方は救命講習を受講し、また、前回の講習修了後から2年以上(3年以内)経過されている方は再講習を受講して、応急手当に関する知識と技術を身につけましょう(表4)。

表4 主な講習会の種別
講習の種別 講習内容
応急救護講習
(希望する時間)
AEDを含む心肺蘇生、止血法及び外傷の応急手当要領等について学ぶコース(受講者の希望に応じて任意の時間で行う)
救命入門コース
(90分)
3時間の普通救命講習の受講が困難な都民及び小学校高学年を対象にした、胸骨圧迫とAEDの使用方法を中心に学ぶコース
普通救命講習
(3時間)
心肺蘇生(AEDを含む成人に対する方法)を中心に学ぶコース
普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習
(4時間)
普通救命講習の内容にAEDの知識確認と実技評価が加わったコース
(AEDを一定頻度で使用する可能性のある方は、このコースを受講してください。)
普通救命再講習
(2時間20分)
前回の普通救命受講日から3年以内に再度受講するためのコース
普通救命
ステップアップ講習
(2時間)
救命入門コースを受講してから1年以内に受講することで、普通救命講習の認定証が交付されるコース
上級救命講習
(8時間)
AEDを含む救命処置のほかに、小児・乳児の心肺蘇生、けがの手当や搬送方法などを学ぶコース
上級救命再講習
(3時間)
前回の上級救命受講日から3年以内に再度受講するためのコース
上級救命
ステップアップ講習
(5時間)
普通救命講習または普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習を受講してから1年以内に受講することで、上級救命講習の認定証が交付されるコース
応急手当普及員講習
(24時間)
普通救命講習、普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習の指導要領を学ぶためのコース
応急手当普及員再講習
(3時間)
前回の応急手当普及員講習受講日から3年以内に再度受講するためのコース
○ 講習内容修了者には、認定証を交付します(応急救護講習では認定証等の交付はされませんが、救命入門コースは受講証が配布されます)。
○ 講習に関する問合せ先
  • 東京消防庁管内の消防署、消防分署、消防出張所
  • 公益財団法人東京防災救急協会 救急事業本部
講習受付  03(5276)0995(平日 午前9時〜午後4時)
インターネットでの受付は http://www.tokyo-bousai.or.jp(午前6時〜深夜2時)
  • 東京消防庁ホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)
(ホームページ内を以下のメニューに沿って進んでください。)
⇒「試験・講習」⇒「応急手当講習」
心肺蘇生の手順
心肺蘇生の手順

◆応急手当奨励制度について

さまざまな人が集まる事業所、商店街及び町会等では、目の前で人が倒れた際に速やかに応急手当が実施される応急救護体制作りが必要です。地域全体での応急手当の普及に対する認識を高めてもらい、救護力の強化を図るため、東京消防庁では、救命講習に対する積極的な取り組みを行っている団体を奨励しています。

救命講習受講優良証及び優良マークの交付要件
  • @ 事業所、商店街及び町会等で、救命講習の普及を推進する人(応急手当普及員など)が養成され、救命講習の普及に活用されていること。
  • A 事業所、商店街及び町会等の交付を希望する団体ごとに、有効期限内にある救命講習修了者が、総数(従業員数や店舗数等)の30パーセント以上いること。
救命講習受講優良証及び優良マーク