東京消防庁  広報テーマ (03月号) テーマ1 安心・安全なまち東京
テーマ2 地震に備えよう

テーマ 2 地震に備えよう

津波等に対する確かな避難

東日本大震災では、津波により多くの犠牲者が出ました。避難が遅れたり、本来の避難場所ではない場所に避難したことにより多くの犠牲者が発生しています。

沿岸部では、大きな揺れを感じたり、津波警報が出されたら、自治体が指定した避難場所や高台などの安全な場所に素早く避難しましょう。一人では避難が困難な人がいる場合は、周囲にいる人が協力しあって避難しましょう。

津波警報は、昨年3月より発表内容が変わりました。マグニチュード8を超える巨大地震の場合、正しい地震の規模をすぐには把握できないため、最初の津波警報では、予想される津波の高さを「巨大」、「高い」という言葉で発表し、非常事態であることが伝えられます。正確な地震の規模がわかった場合は、予想される津波の高さが1から3mの場合は津波警報が、3mを超える場合は大津波警報が発表されます。予想される津波の高さは海岸線での平均的な値であり、予想よりも高い津波が押し寄せる場合もあります。また、海岸から内陸へ津波がかけ上がる高さである「遡上高」は、予想される津波の高さと同じ程度か、場合によっては4倍程度にまでなります。

「地震 その時10のポイント」・「地震に対する10の備え」

東京消防庁では、過去の震災の教訓を踏まえ、地震時にとるべき行動を「地震 その時10のポイント」としてまとめています。

「地震 その時10のポイント」は、時間経過により「地震時の行動」「地震直後の行動」「地震後の行動」の3つに分けられます。

「地震時の行動」では、「地震だ!まず身の安全」をポイントとし、丈夫なテーブルの下や、物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間に身を寄せることとしています。これは、近年の大きな地震において、揺れの最中に火を消すなどの行動をとると、転倒したり、鍋のお湯や割れたガラスでケガをする例が多かったことによります。

「地震直後の行動」では、「落ちついて 火の元確認 初期消火」などをポイントとしています。火を使っていた時に地震が起きた場合は、揺れがおさまった際に火の始末をしましょう。出口を確保するための窓や戸を開けるのは、揺れがおさまった時にしましょう。

「地震後の行動」では、「避難の前に安全確認 電気・ガス」などをポイントとしています。地震の際には、停電していた電気が復旧した際に、地震により断線した電気コードや、転倒した家具が接触し安全装置が働かなくなった電気ストーブから火災が発生することがあります。避難が必要な時には、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を締めて避難しましょう。

震災による被害の軽減に向けて備えるべき項目については、「地震に対する10の備え」としてまとめ、普及を図っています。

「地震に対する10の備え」は、「身の安全の備え」「初動対応の備え」「確かな行動の備え」の3つに分けられます。

「身の安全の備え」では、「家具類の転倒・落下・移動防止対策をしておこう」などを取り上げています。近年の大きな地震では、負傷者の3〜5割が家具類の転倒・落下・移動により負傷しています。家具類は倒れてもけがをしたり避難の妨げにならない位置に配置したうえで、家具類を固定しましょう。

「初動対応の備え」では、「火災発生の早期発見と防止対策をしておこう」などを呼び掛けています。住宅用火災警報機は、地震後に発生する火災にも効果を発揮すると考えられます。火災が発生しても、住宅用火災警報機により初期に発見されれば、被害を最小限に食い止めることができます。

「確かな行動の備え」では、「家族で話し合っておこう」などを取り上げています。地震発生時には帰宅が困難な場合も予想され、また通信が大幅に制限されるおそれもあります。日頃から家族で安否確認の方法や集合場所を決めておきましょう。また家族で避難場所や避難経路を確認しておきましょう。

「地震 その時10のポイント」、「地震に対する10の備え」は、東京消防庁ホームページで確認できるほか、リーフレットも作成していますので、ご覧ください。

地震 その時10のポイント
地震時の行動 地震だ! まず身の安全
地震だ! まず身の安全
・ 揺れを感じたり、緊急地震速報を受けた時は、身の安全を最優先に行動する。
・ 丈夫なテーブルの下や、物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間に身を寄せ、揺れがおさまるまで様子を見る。
【高層階(概ね10階以上)での注意点】
・ 高層階では、揺れが数分続くことがある。
・ 大きくゆっくりとした揺れにより、家具類が転倒・落下する危険に加え、大きく移動する危険がある。
地震直後の行動 落ちついて 火の元確認 初期消火 ・ 火を使っている時は、揺れがおさまってから、あわてずに火の始末をする。
・ 出火した時は、落ちついて消火する。
あわてた行動 けがのもと ・ 屋内で転倒・落下した家具類やガラスの破片などに注意する。
・ 瓦、窓ガラス、看板などが落ちてくるので外に飛び出さない。
窓や戸を開け 出口を確保 揺れがおさまった時に、避難ができるよう出口を確保する。
門や塀には 近寄らない 屋外で揺れを感じたら、ブロック塀などには近寄らない。
地震後の行動 火災や津波 確かな避難
火災や津波 確かな避難
・ 地域に大規模な火災の危険がせまり、身の危険を感じたら、一時集合場所や避難場所に避難する。
・ 沿岸部では、大きな揺れを感じたり、津波警報が出されたら、高台などの安全な場所に素早く避難する。
正しい情報 確かな行動 ラジオやテレビ、消防署、行政などから正しい情報を得る。
確かめ合おう わが家の安全 隣の安否 わが家の安全を確認後、近隣の安否を確認する。
協力し合って救出・救護 倒壊家屋や転倒家具などの下敷きになった人を近隣で協力し、救出・救護する。
避難の前に安全確認 電気・ガス 避難が必要な時には、ブレーカーを切り、ガスの元栓を締めて避難する。
地震に対する10の備え
身の安全の備え 家具類の転倒・落下・移動防止対策をしておこう。
・家具やテレビ、パソコンなどを固定し、転倒・落下・移動防止措置をしておく。
・けがの防止や避難に支障のないように家具を配置しておく。
けがの防止対策をしておこう
・散乱物でケガをしないようにスリッパやスニーカーなどを身近に準備しておく。
・停電に備えて懐中電灯をすぐ使える場所に置いておく。
・食器棚や窓ガラスなどには、ガラスの飛散防止措置をしておく。
家屋や塀の強度を確認しておこう
・家屋の耐震診断を受け、必要な補強をしておく。
・ブロックやコンクリートなどの塀は、倒れないよう補強しておく。
初動対応の備え 消火の備えをしておこう
・火災の発生に備えて消火器の準備や風呂の水のくみ置きをしておく。
火災発生の早期発見と防止対策をしておこう
・火災の早期発見のために、住宅用火災警報器を設置しておく。
・普段使用しない電気器具は、差込みプラグをコンセントから抜いておく。
・電気やガスに起因する火災発生防止のため感震ブレーカー、感震コンセントなどの防災機器を設置しておく。
非常用品を備えておこう
・非常用品は、置く場所を決めて準備しておく。
・車載ジャッキやカーラジオなど、身の周りにあるものの活用を考えておく。
確かな行動の備え 家族で話し合っておこう
・地震が発生した時の出火防止や初期消火など、家族の役割分担を決めておく。
・外出中に家族が帰宅困難になったり、離れ離れになった場合の安否確認の方法や集合場所を決めておく。
・家族で避難場所や避難経路を確認しておく。
・普段のつき合いを大切にするなど、隣り近所との協力体制を話し合っておく。
地域の危険性を把握しておこう
・地域の防災マップに加えて、わが家の防災マップを作っておく。
・自分の住む地域の地域危険度を確認しておく。
防災知識を身につけておこう
・新聞、テレビ、ラジオやインターネットなどから、防災に関する情報を収集し、知識を身につけておく。
・消防署などが実施する講演会や座談会に参加し、過去の地震の教訓を学んでおく。
防災行動力を高めておこう
・日頃から防災訓練に参加して、身体防護、出火防止、初期消火、救出、応急救護、通報連絡、避難要領などを身に付けておく。

わが家の地震に対する備えを確認しよう

  • ア 地震による負傷要因

    近年発生した地震被害では負傷者の3〜5割の方が屋内における家具類の転倒・落下によって負傷していることが判明しています。地震時にはテレビ、電子レンジなどの家電製品の転倒・落下・移動(以下「転倒等」という。)や、本棚やタンス、食器棚などの大きな家具が転倒等することがあります。

    また、平成23年3月の東日本大震災を受け、東京消防庁が実施した調査では、家具類の転倒等が高層階に行くほど多く発生している傾向が確認されました。この原因の一つに長周期地震動の影響が考えられることから、東京消防庁では、長周期地震動を含む地震に対する高層階の室内安全対策専門委員会を設置し、高層階等における家具類の転倒等防止対策を検討しました。

    その中で、高層階において長周期地震動が発生した場合には、大きくゆっくりとした揺れにより家具類の「移動」が生じる可能性があり、本委員会で、高層階における家具類の転倒・落下に加え、新たに「移動」防止対策を中心に検討を行いました。

    家具類が地震により転倒等すると、転倒等した家具類の下敷きになるほか、移動した家具が衝突して負傷したり、転倒等した家具類が出入口を塞いで避難障害を発生させる危険性があります。

    また、家具などがストーブなどに転倒等して出火するなど、二次的な被害も引き起こします。ご自分やご家族の負傷を防止し、避難障害の発生を防ぐためには、家具類の転倒等防止対策が非常に大切です。

  • イ 家具類の転倒・落下・移動防止対策

    転倒等防止対策を行う際、まず室内になるべく物を置かないことを検討し、次に廊下などに家具類を置かないなどのレイアウトの工夫を検討した上で、家具に転倒防止対策を行うことが基本です。

  • ① 集中収納(居住収納分離)・家具類のレイアウト上の留意点

    納戸やクローゼット、据え付け収納家具への集中収納により、努めて生活空間に家具類を置かないようにしましょう。

    負傷や避難障害を発生させにくいレイアウト上の工夫を行うことが重要です。負傷や避難障害を発生させにくいレイアウト上の工夫を行うために、避難通路、出入口周辺に転倒、移動しやすい家具類を置かないようにしましょう。

    また、引き出しが飛び出すことで、つまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあるので、家具類を置く方向にも注意しましょう。特に、「寝る場所」や「座る場所」にはなるべく家具を置かないようにする。置く場合には背の低い家具にするか、家具の置き方を工夫しましょう。

  • ② 家具類の転倒・落下防止対策

    レイアウト上の対策をしたうえで、適切な転倒等防止対策を行いましょう。

    転倒等防止対策の基本は、ネジによる固定です。その場合、家具を固定する対象は、壁下地の柱、間柱、胴縁等としましょう。下地材の位置は、下地探知用センサー等の機器、市販の専用プッシュピンといった器具、音による打診により判断できます。家具の天板の後ろ側にしっかりとした桟の入っていないものは、家具の幅全体に板を取り付けてから金具を取り付けましょう。その際、木ネジは長めのものを使用し、ネジ頭までしっかりねじ込む。上下2段式の家具など、やむを得ず積み重ねる場合は平型金具などで連結しましょう。

    また、建物の高層階では、長周期地震動の影響により以上のような危険があるため転倒・落下防止対策に加え「移動」防止対策が必要となります。

  • ③ キャスター付き家具類への対策

    キャスター付きの家具には日常的に移動することを求められるものと日常的な移動は求められないものがあります。日常的に移動が求められないものとは、引っ越しや部屋の模様替えの時だけ移動するような家具です。

  • ④ キャスターなし家具類への対策

    長周期地震動では、テーブルやイスなど、必ずしも壁面に接して配置することがない背の低い家具類も移動する可能性があるため、これらの家具類の移動防止対策をする必要があります。

  • ウ 地震に備える

    家具類の転倒・落下・移動防止対策は、大切な家族を守るために今日からできる対策です。一歩踏み出してお子様などご家族と一緒に対策を行いましょう。

    また、地震時の負傷者を減らすため、各種団体や関係行政機関に対し転倒防止を実施しやすい住宅構造への配意や、施主等への啓発について要望するとともに、ハンドブックや講習ビデオを作成し転倒防止対策の正しい知識について広く都民に普及啓発を行っています。

    これらの啓発資料は、東京消防庁ホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)に、掲載しています。

従業員等を守る「事業所防災計画」を作成しましょう!

地震による災害から一人でも多くの生命及び財産を守るためには、まず第1に「自らの生命は自らが守る」という自己責任の原則による「自助」の考え方、第2に地域における助け合いによって「自分たちのまちは自分たちで守る」という「共助」の考え方、この2つの理念に立つ都民と「公助」の役割を果たす行政とが、それぞれの責任と役割を明らかにした上で、連携を図っていくことが欠かせません。

平成23年3月に発生した東日本大震災では、ターミナル駅や幹線道路に多くの帰宅困難者があふれ、大きな混乱が生じました。災害発生後、すぐに帰宅しようとすると混乱による二次災害や余震等で被害に遭う可能性があり大変危険です。また、道路や歩道が多くの人で埋まると消防車両が速やかに現場に到着出来ず消火活動や救助活動に支障をきたします。

事業者は、従業員、児童、生徒等及び他の在館者(以下「従業員等」という。)を守るため、新たに制定された東京都帰宅困難者対策条例等を踏まえた安否確認手段の確保や、一斉帰宅の抑制などの事前対策について、都や区市町村が作成する地域防災計画を基準とした、事業所単位の防災計画(事業所防災計画)を作成し、首都直下地震等に備えるようにしましょう。

事業所防災計画とは

事業所防災計画は、東京都震災対策条例第10条に基づき地震の被害を軽減するため事業所単位で作成する防災計画です。

都内の事業者は、①震災に備えての事前計画、②震災時の活動計画、③施設再開までの復旧計画について定めることとされています。

  • ア 「帰宅困難者対策」を推進しましょう!

    事業所防災計画に規定する事項は「東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示」(以下「告示」という。)に定められています。事業者は、帰宅困難者対策のために次の事項についての対策を立て、事業所防災計画に定めておく必要があります。

① 家族等との安否確認

従業員等に安否確認手段の周知及び利用啓発

複数の連絡手段の確保

② 一斉帰宅の抑制

従業員等にむやみに移動を開始しないことの周知

事業所内の安全な待機場所の確保

  • イ 「事業所防災計画」を見直しましょう!

    事業所防災計画を既に作成している事業所については、帰宅困難者対策を追加するとともに、東日本大震災の教訓を踏まえ、新たな被害想定に基づき修正された東京都地域防災計画を基準に、事業所防災計画を見直しましょう。

    また、東京都都市整備局から昨年公表された、被害想定に基づき見直された避難場所や避難道路を確認し、事業所防災計画に反映させましょう。

  • ウ 事業所防災計画の作成及び届出

    事業所防災計画はすべての事業所で作成する必要がありますが、事業所の形態に応じて、単独に事業所防災計画を作成する場合と消防計画、予防規程に事業所防災計画の内容を定める場合があります。

    なお、消防計画または予防規程に事業所防災計画の内容を定める場合は、消防署への届出等が必要となります。

事業所の形態 事業所防災計画の作成要領 届出等
一 般
事業所
消防法第36条に定める、防災管理者の選任が必要な事業所 防災管理に係る消防計画の中に必要な事項を定めます。 必要
消防法第8条及び火災予防条例第55条の3に定める、防火管理者の選任が必要な事業所 防火管理に係る消防計画の中に事業所防災計画に規定すべき事項を定めます。 必要
上記以外の事業所(小規模事業所) 単独に事業所防災計画を作成します。 不要
危険物施設を有する事業所 消防法第14条の2に定める、予防規程の作成が必要な危険物施設 予防規程の中に事業所防災計画に規定すべき事項を定めます。 必要
上記以外の危険物施設 単独に事業所防災計画を作成します。 不要
事業所防災計画を作成する上での参考冊子のご案内

東京消防庁のホームページに冊子「職場の地震対策」(PDFファイル)を掲載していますのでご活用下さい。

東京消防庁ホームページ http//www.tfd.metro.tokyo.jp
(ホームページ内を以下のメニューに沿って進んでください。)
トップページ⇒「安心・安全」⇒「事業所向けアドバイス」⇒「職場の地震対策」