東京消防庁  広報テーマ (8月号) テーマ1

救急車を呼ぶか迷ったときは?
救急相談センター、#7119へ

テーマ2

電気火災を防ごう −電気使用安全月間−

テーマ3

首都東京を守る消防団 
−この街の笑顔のために−

テーマ4

突然の集中豪雨に気をつけよう

テーマ2  電気火災を防ごう −電気使用安全月間−

電気は、私たちの日常生活において不可欠なエネルギーとして社会の隅々まで深く浸透し、年々需要が増加しています。そして、そのエネルギーを使用する電気設備機器は、自動化、多機能化などの新製品が次々と商品化され、私たちの生活環境をより豊かにしています。

一方、電気や電気製品にかかわる火災は、東京消防庁管内で毎年1,000件前後発生しています。
これらの火災の主な原因は、使用する時の管理の怠りによるもの、取扱いの不注意によるものなどがあげられます。

東京消防庁では、電気や電気製品にかかわる火災の原因について調査を実施して、電気に起因する火災の予防対策の普及に努めています。

なお、8月は電気使用安全月間です。この機会を通じて、電気や電気製品の安全な取扱いの知識を深めましょう。


電気使用安全月間とは?

電気安全関東委員会において電気使用の安全に関する知識と理解を深め、電気事故の防止に 役立てることを目的として、昭和56年度から感電死傷事故の発生が多い毎年8月をこれと定め、実施されてきました。

翌年の昭和57年度からは、安全運動の統一的な目標を掲げ、安全運動がより効果的なものとなるよう実施されています。

  • (1) 電気火災の実態
  • 平成21年中、東京消防庁管内では5,601件の火災が発生していますが、そのうち電気設備機器などによる火災(以下「電気火災」という。)は1,069件で、前年と比べて63件減少し、全火災件数の19.1%を占めています。また、火災による死者は前年より1人減少しています。


  • (2) 電気火災による死傷者の状況
  • 平成21年中の電気火災による死者は21人発生し、けが人は187人発生しています(表1参照)。


    表1 過去5年間の電気火災の状況
    年別 合計 火災件数 焼損床面積
    (平方メートル)
    焼損表面積
    (平方メートル)
    損害額
    (千円)
    死者 負傷者
    建物火災 車両 船舶 その他
    小計 全焼 半焼 部分焼 ぼや
    17 1,117 896 37 30 171 658 106 115 7,896 3,559 1,510,559 23 236
    18 1,152 936 36 54 197 649 91 125 11,300 4,744 2,579,367 25 295
    19 1,081 907 23 37 174 673 79 1 94 6,469 3,157 1,605,083 28 249
    20 1,132 973 37 36 173 727 51 108 10,900 4,290 2,313,145 22 233
    21 1,069 906 26 28 138 714 54 1 108 5,431 2,107 1,449,779 21 187

  • (3) 電気火災の出火要因別状況
  • 平成21年中の電気火災1,069件のうち、「車両本体からの火災」及び「放火による火災」65件を除いた1,004件についてみていきます。

    出火要因をみると、「維持管理関係」が477件、「取扱方法関係」が188件、「取扱位置関係」が88件、「工事方法関係」が73件と続いています(グラフ1参照)。

    電気設備、電気器具、コンセント等は、普段から点検・清掃などを適切に行うとともに、使用する場合は必ず取扱説明書などを良く読み、正しく使用しましょう。


    【グラフ1 出火要因別状況】

    出火要因別状況

  • (4) 身近な家庭電気製品の火災
  • 平成21年中における家庭電気製品の火災発生状況をみると、電気ストーブが85件、コンセントが51件、差し込みプラグが48件、電気クッキングヒータが42件の順になっています(グラフ2参照)。

    電気ストーブは、見た目には直火(炎)がなく安全に思えますが、暖房器具であり高熱を発することに変わりがないことを忘れず、使用に際しては、燃えやすいものから離すなど十分な注意が必要です。
    就寝中は使用しないよう、お休み前に電源を切ってください。

    また、コンセントや差し込みプラグといった配線器具は、コンセントの内部の接触部が緩み発熱したり、差し込みプラグのトラッキング現象等普段気がつかないところで火災が発生することがあります。

    このようなことを防ぐため、普段使用している電気製品の電源を切っていないのに止まってしまうなどの異状を発見したら、電気製品本体の異状を疑うほか、コンセントや差し込みプラグの抜き差しは丁寧に扱うとともに点検も合わせて行うことが大切です。また、日常使用していない器具は電源を切っておくよう心掛けてください。


    【グラフ2 主な家庭電気製品の出火件数の推移】

    主な家庭電気製品の出火件数の推移

  • (5) トラッキング現象による火災
  • トラッキング現象

    トラッキング現象とは、コンセントに差し込んだプラグの周辺やプリント基板等に綿ぼこり、湿気などが付着し、局部的に絶縁性能が低下した際に電流が流れ、微少なショートを起こして表面に炭化経路、すなわちトラックが形成され出火する現象を言います。

    トラッキング現象による火災は、隠れた部分で発生することから、発見が遅れ思わぬ被害になる場合があります。

    平成21年中、東京消防庁管内では、トラッキング現象による火災が66件発生しています。

    トラッキング現象による火災を防ぐためには、コンセントに差し込んだままのプラグ等にほこりなどが付いていないか定期的に点検し、清掃するように心がけましょう。


  • (6) 低圧進相コンデンサによる火災
  • 低圧進相コンデンサとは、200Vの業務用冷蔵庫やモーター等を使用する電気機器の力率を改善し、電力を効率よく使用するための機器として、店舗や作業場等で使用されています。

    モーター等のコイルを含む電気機器に交流電力を加えると、電圧と電流が周波数のタイミング(時間)でずれてしまい、皮相電力(見かけ上の電力)と有効電力(実際の使用電力)に差が発生し、効率が低下することによって消費電力が増加します。低圧進相コンデンサはこの差をなくし、電気機器の効率を向上させ消費電力を抑えるものです。

    この低圧進相コンデンサから出火する火災は例年、梅雨の季節から暑さが続く9月にかけて多発し、出火原因のほとんどが永年使用による絶縁劣化により発熱、出火しています。この季節は気温が高いことからコンデンサ本体の温度もさらに上昇し、絶縁劣化が進み火災の発生が多くなっていると推定されます。本年は7月6日現在で10件発生し、3人の死者が発生しています。


    低圧進相コンデンサによる火災を防ぐために

    •  低圧進相コンデンサの火災を防ぐためには、機器を使用しない時はメインブレーカーを切り、低圧進相コンデンサに電圧がかからないようにすることが推奨されます。
    •  特に、昭和50年(1975年)以前に製造された製品(使用期間約35年)には保安装置が内蔵されていないため、被害が拡大する危険性がありますので使用の停止や交換することなどが必要です。
    •  概ね10年以上経過したものは、専門業者による点検を受け、計画的に交換することが推奨されます。

    社団法人 日本電機工業会では、古い低圧進相コンデンサによる火災事故の未然防止として、 使用の停止と取換えのお願いをしています。

    なお、更新推奨期間は10年です。

    問い合わせ先 社団法人 日本電機工業会 電話:03−3556−5885

    進相コンデンサ火災の状況(参考)

    進相コンデンサ火災の状況(参考)

  • (7) 電気火災を防ぐポイント
  • コンセント・プラグ・コード

    コンセント
    • ・     差し込みプラグを抜く際は、コード部分を持って引っ張らないで、プラグ本体を持つようにしましょう。
    • ・     差し込みプラグは、コンセントと緩みがないか点検しましょう。
    • ・     コードが家具などの下敷きになったり、押しつけなどにより傷つかないように注意しましょう。
    • ・     コードを束ねたり、ねじれたままの状態で使用しないようにしましょう。
    • ・     コンロの上方など、コードが加熱されるような場所での使用はやめましょう。
    • ・     ビニールコードを柱などにステップル止めするのはやめましょう。
    • ・     コンセントやコードには使用できる電気量に制限がありますので、コンセントに表示されている使用できる電気量を確認して使用しましょう。
    • ・     芯線(コードなどの中心部にある銅線)どうしをねじり合わせて、直接つなげて使用することは危険です。コードとコードをつなぐ場合は、接続器を使用しましょう。

    自然電灯・蛍光灯

    • ・     物置きやクローゼット内の白熱電球の近くに、衣類や寝具を置かないようにしましょう。
    • ・     点灯中の白熱電球の温度は高温となっているので、接触によるやけどに注意しましょう。
    • ・     クリップ式の白熱電球は、傾きや緩みでずれていないか点検しましょう。
    • ・     蛍光灯の安定器は、定期的に点検や交換を行いましょう。
    • ・     照明器具に衣類やタオルなどの物を載せたり、覆いかぶせないようにしましょう。
    • ・     照明器具を使用した後は、スイッチを必ず切り、安全を確認しましょう。

    電気製品全般

    • ・     使用する前に、電気製品の取扱説明書を良く読みましょう。
    • ・     使用していない電気製品の差し込みプラグは、コンセントから抜いておきましょう。
    • ・     故障した場合は、自分で分解せず専門の業者に修理を依頼しましょう。
    • ・     電熱器等の電気製品の周囲には、燃えやすいものを置かないようにしましょう。
    • ・     長年、使用していなかった電気製品は、使用する前に専門の業者に点検を依頼して安全を確認してから使いましょう。
    • ・     長年使用している電気製品は、異状の有無を点検しましょう。

    地震、風水害時の火災等防止対策

    • ・     普段から使用後は電気器具のスイッチを必ず切るとともに、差し込みプラグをコンセントから抜く習慣を身につけましょう。
    • ・     地震後、避難する前には、アンペアブレーカーを切り、電気に起因する火災の発生を防止しまし ょう。
    • ・     地震に備えて、感震機能付分電盤や感震機能付コンセントを設置しましょう。
    • ・     断線したり、垂れ下がっている電線には、絶対に触れないようにしましょう。
  • (8) 平成21年中の電気火災事例
  • 電子レンジ
    事例1 電子レンジにより長時間加熱したことにより出火した火災(8月・東村山市)
    構造・用途等 防火造2/0 住宅 出火階・箇所 1階・台所
    焼損程度 建物ぼや 食器1、食料焼損

    この火災は、住宅の1階台所から出火したものです。

    出火原因は、居住者が電子レンジで食料を加熱する際、加熱時間の設定を誤り長時間加熱したため、食料から出火したものです。

    火災の発見と通報の状況は、居住者がしばらく経っても電子レンジの終了音が聞こえないので台所に向かうと、「バン」と大きな音が聞こえ、電子レンジの庫内に炎を発見したことから、自宅の電話で119番通報しています。

    事例2 白熱灯スタンドに布団が接触し出火した火災(12月・豊島区)
    構造・用途等 防火2/0 住宅 出火階・箇所 1階・居室
    焼損程度 建物ぼや 布団、シーツ、毛布各1焼損

    この火災は、住宅の1階居室内の介護用ベッドから出火したものです。

    出火原因は、ベッドに設置された白熱灯スタンドを点灯状態のまま介護用ベッドの背もたれの角度を変えたため、白熱灯が布団の間に挟まった状態となり出火しました。

    火災の発見の状況は、居住者が室内に焦げた臭気がしたことから周囲を確認しましたが、原因を特定できなかったことから、電気事業者に相談し来訪した職員が点検中に発見しました。

    通報の状況は、職員の指示により居住者が119番通報しました。

    電気製品の使用・維持管理等には、充分気をつけましょう!